ガイアセイバーズ spin-off -T大理学部生の波乱-

独楽 悠

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本編

第7話_笑顔の圧力-1

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一行がカフェテリアに着くと、蒼矢ソウヤ影斗エイトを引き寄せてなにやら耳打ちする。
リョウ啓介ケイスケがきょとんと見守る中、何かが伝わった影斗はふたりに向けて笑ってみせた。

「蒼矢から聞いてると思うけど、今日は俺の奢りだから。お前らも遠慮なく好きなもん注文していいぜ」
「! …はいっ」

まだ緊張が拭えないふたりだったが、蒼矢からも目線で促されて得心し、カフェカウンターで夕食を注文する。

「お前も行ってこいよ、腹減ってんだろ? 俺が選んでやろうか?」
「俺は自分で買うので結構です」
「それは無しだって言っただろ? 俺にとっては蒼矢お前がメインなんだから」

そう言葉を交わし、影斗は不服気な蒼矢の背中に手を当てて押し、オーダーをアシストしてやっていた。
どちらも美麗ではあるものの、見た目も醸し出す雰囲気も合わなそうなふたりが仲良さげに絡む姿を、諒と啓介は呆気にとられつつ眺めていた。

各々カフェのディナープレートを手に席に着き、影斗主催の食事会が始まった。
諒と啓介を対面に座らせ、ゆったりとパスタをフォークに絡めながら、影斗はふたりへ質問していく。

「お前ら、蒼矢と同じ学部って聞いたけど。高校どこ?」
「俺はH高です。…で、」
「S県のU高です!」
「へー、どっちも都立に県立かぁ。優秀だな、T大ここ入るだけのことはある」
「…いやでも、宮島ミヤジマ先輩も髙城タカシロ…君の先輩ってことは…」
「あぁ、俺は偶然入っちまっただけだから。ま、蒼矢と出会えたから、結果入って良かったわ。無事卒業出来たのもこいつのお陰」

影斗は、隣で黙々とキーマカレーを口に運ぶ蒼矢の肩に手を掛けながら、にやりと笑ってみせた。

「お前らの高校には、さすがに知り合いいねぇわ。確かどっちも男子校だったよな。家は? どうやってここまで通って来るんだ?」
「俺は、家がM区にあるので、△△線で来てます」
「ほー、良いトコ住んでんな。成程ね、そっちから来るんだ。お前は?」
「俺も実家からなんで、××線と□□線乗り継いで来てますね」
「へぇ…じゃあお前は、途中まで蒼矢と通学路同じなんだな」
「…そ、そうっすね…!」

諒と啓介は、揃って唾をごくりと飲み込んだ。
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