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本編
第6話_"名門校"の裏切り-3
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3人は正門付近まで歩いていく。
「正門で待ち合わせなのか?」
「ああ。入ってすぐの駐車場で」
「駐車場…? 車で来るの?」
「いや、バイク」
蒼矢の口からさらっと出てきた単語に、諒と啓介は目を丸くした。
「…原付かな?」
「…いや、ロードバイクって可能性もあるぞ?」
駐車場に辿り着き、スマホを片手にきょろきょろと辺りを見回す蒼矢の後ろでそう囁き合っていると、正門外からエンジン音が近付いてきて徐々に大きくなり、やがてけたたましい排気音と共に黒塗りの大型バイクが滑り込んできた。
砂利を弾きながら綺麗な弧を描き、絶妙な間隔を開けて蒼矢の傍を通り抜け、駐車スペースへぴたりと止まる。
エンジンを停めてフルフェイスを脱ぐと、バイクに乗っていた男は立ち尽くす3人の方へ振り返った。
「よぉ。待った?」
「いえ、今ここに着いたところです」
黒皮のライダースに黒いデニムにエンジニアブーツを履いた男は、ゆったりとした所作で歩み寄ってきて、蒼矢へ悪戯気な笑みを見せた。
その笑顔は蒼矢の背後から諒の目にも入って、胸を貫かれたような心地になった。
…イケメンだ…!!
高身長で、背格好は先日会った幼馴染の彼と同じかややスリムくらいに見え、均整の取れたスタイルはまるでモデルか俳優のように華やかなオーラを放っていた。
短めの眉に切れ長奥二重の目は、首元や耳に着いているシルバーアクセサリーなども相まってやんちゃな印象を受けたが、顔面一つひとつのパーツが整っていて、トータルで誰が見ても美形と呼べる容姿だった。
その鮮烈な登場に、諒も隣の啓介も口を開けたまま固まっていた。
「…画になるぅ…」
蒼矢と彼が並んで立つ姿を見、思わず漏らした啓介の言葉に、諒は内で激しく同意していた。
「紹介するよ。高校の先輩の、宮島 影斗さん」
蒼矢に促され、バイク男・影斗は後方で待機していたふたりと対面する。
思い描いていた穏やかで真面目そうな先輩像を完膚なきまでに裏切られ、一気に緊張の度合いが増す彼らを、影斗は一時黙って交互に眺めた後、にこりと笑った。
「宜しくー。エイトって呼んでくれていいぜ」
「…宜しくお願いします!」
その勧め通りには絶対呼んではならないと心に誓いつつ、ふたりも自己紹介し、集まった4人はカフェテリアへ移動していく。
「正門で待ち合わせなのか?」
「ああ。入ってすぐの駐車場で」
「駐車場…? 車で来るの?」
「いや、バイク」
蒼矢の口からさらっと出てきた単語に、諒と啓介は目を丸くした。
「…原付かな?」
「…いや、ロードバイクって可能性もあるぞ?」
駐車場に辿り着き、スマホを片手にきょろきょろと辺りを見回す蒼矢の後ろでそう囁き合っていると、正門外からエンジン音が近付いてきて徐々に大きくなり、やがてけたたましい排気音と共に黒塗りの大型バイクが滑り込んできた。
砂利を弾きながら綺麗な弧を描き、絶妙な間隔を開けて蒼矢の傍を通り抜け、駐車スペースへぴたりと止まる。
エンジンを停めてフルフェイスを脱ぐと、バイクに乗っていた男は立ち尽くす3人の方へ振り返った。
「よぉ。待った?」
「いえ、今ここに着いたところです」
黒皮のライダースに黒いデニムにエンジニアブーツを履いた男は、ゆったりとした所作で歩み寄ってきて、蒼矢へ悪戯気な笑みを見せた。
その笑顔は蒼矢の背後から諒の目にも入って、胸を貫かれたような心地になった。
…イケメンだ…!!
高身長で、背格好は先日会った幼馴染の彼と同じかややスリムくらいに見え、均整の取れたスタイルはまるでモデルか俳優のように華やかなオーラを放っていた。
短めの眉に切れ長奥二重の目は、首元や耳に着いているシルバーアクセサリーなども相まってやんちゃな印象を受けたが、顔面一つひとつのパーツが整っていて、トータルで誰が見ても美形と呼べる容姿だった。
その鮮烈な登場に、諒も隣の啓介も口を開けたまま固まっていた。
「…画になるぅ…」
蒼矢と彼が並んで立つ姿を見、思わず漏らした啓介の言葉に、諒は内で激しく同意していた。
「紹介するよ。高校の先輩の、宮島 影斗さん」
蒼矢に促され、バイク男・影斗は後方で待機していたふたりと対面する。
思い描いていた穏やかで真面目そうな先輩像を完膚なきまでに裏切られ、一気に緊張の度合いが増す彼らを、影斗は一時黙って交互に眺めた後、にこりと笑った。
「宜しくー。エイトって呼んでくれていいぜ」
「…宜しくお願いします!」
その勧め通りには絶対呼んではならないと心に誓いつつ、ふたりも自己紹介し、集まった4人はカフェテリアへ移動していく。
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