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本編

第2話_眩し過ぎる同級生-4

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先ほどので絡みが終わったと思ったか、胸の内ポケットから何かを出しかけていた彼は、ふたりから一斉に視線を浴びて手を止め、少し頬を染めた。

「…俺は、委員会以外は…特には」

…へぇ、一人称"俺"なんだ…意外過ぎ。

リョウが内でひとり虚を突かれている中、乗っかった啓介ケイスケが質問を重ねる。

「委員会って、生徒会だろ?」
「…! うん、まぁ」
「やっぱり! なんか書記か会計って感じ」
「会計やってた」
「やったー、俺ドンピシャじゃん!」

啓介に言い当てられた彼は、戸惑いながらも目元を緩め、僅かに笑みを浮かべた。

…うわ、美人…!

はにかんだ程度だったが、美麗な面差しから笑顔を見せられた諒はまたしても不意打ちを喰らい、思わず目を見開いてしまった。

…男相手に"美人"って、なんか違う気がするけど…でも一番しっくりくる。
…とはいえ、どんな風に受け止められるかわからないから、本人の前で口走らないようにしないとな…

そう自己完結させると、諒は腕時計を確認する。

「なぁなぁ、お前らどこ高出身? いや、当ててみせるわ。とりあえず関東か関西か、それ以外かだけヒントを…」
沖本オキモト、もうすぐ式始まる」
「! そっか。まぁ今後いくらでも聞けるな。なにしろ同じ学部なんだから!」

諒にそう止められた啓介は、ニッと人懐っこく笑ってから、ようやく正面へ向き直っていく。
諒も隣の彼へちらりと視線をやってから、居住まいを直した。

…そっか、一緒の学部なんだよな…

諒の胸が大きく鼓動し、鮮やかな色に染まっていくと共に少しずつ高鳴っていった。
そして、漠然とした期待感に心が満たされていった。
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