百億円で異世界に学園作り〜祖父の遺産で勇者・聖女・魔王の子孫たちを育てます〜

澤檸檬

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物騒な提案

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 自分を縛っていた縄をレボルに切ってもらい、その縄でドロフとメレブの両手足を縛ったところで、冨岡はようやく一息つくことができた。

「ふぅ、縛られる経験なんてそうそうないんだろうけど、思ってたより窮屈なもんだなぁ」

 呑気なセリフを吐く冨岡に対して、レボルはやれやれといった様子で言う。

「もっと慌てた方が良かったんじゃないですか?」
「だってレボルさんがいてくれましたし、いざってときはスタンガンも持ってますよ」
「両手縛られてたら武器も使えないでしょう。まったく、大変な方に雇われましたよ」

 言いながらレボルは微笑んだ。
 そのままレボルはドロフたちを一瞥してから言葉を続ける。

「それで、この者たちはどうしますか? 衛兵に突き出して、牢獄に送ってもらうか・・・・・・それとも街の外に放り出すか。どちらにせよ何かしらの報いは必要でしょう。そうでなければ、再び狙ってくる。話を聞いた限りトミオカさんだけではなく、アメリアさんのことも知ってるみたいですし、彼女の方に危害を加える可能性もあります」
「あー、そっか。俺だけならレボルさんに守ってもらえれば問題ないですけど」
「いや、いつだって護衛できるわけでもありませんし、それなりの実力者が出てくれば勝てないかもしれませんよ」
「アメリアさんや子どもたちに危険が及ぶとなれば、しっかり対処しとかなければなりませんね」

 レボルの苦情をさらっと聞き流した冨岡は、そのままドロフたちに近寄り膝を折った。

「さて、どうしようか」
「くそっ! 仲間がいるなんて! この卑怯者!」
「そもそも二人で一人を襲ってきた方が卑怯だろ。見てみろ、こんなに体格差があるんだぞ! 階級が違いすぎるだろ。誰が誰に卑怯って言ってるんだよ」

 ブーメランすぎるドロフの非難を一蹴して、冨岡はレボルに相談する。

「街の外に追い出しても、牢獄に入れても、他の人に襲われる可能性は消せませんよね。だったら、見せしめになってもらうのが効率的だと思うんです」
「見せしめ・・・・・・十字架に磔でもして晒しますか?」

 そんな二人の会話を聞いていたドロフは体を硬直させて叫んだ。

「物騒なこと言ってんな! 死ぬだろ」
「私の雇い主を殺そうとしたんです。殺されても文句は言えないでしょう」

 冷酷に言い放つレボル。
 流石に冨岡もそこまでするつもりはない。

「ちょっと、レボルさん。殺すのはちょっと。それよりも生きていてもらった方が見せしめになりますから、とりあえず一旦気絶させて置いておきましょうか」
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