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フィーネの才覚
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「これほど年齢が離れているというのに、盟友と?」
「友人に年齢なんて関係ないですよ。俺の国じゃあ、手を握り合うのに年齢も性別も国籍も人種も関係ないんです。大切なのは心の繋がりじゃないですか?」
冨岡が私見を述べるとダルクは露骨に口角を上げて、自らも右手を差し出す。
「私もトミオカ様の国で生きてみたかったですな。年齢どころか、国籍や年齢を超えた友情を結べる国に」
言いながらダルクは冨岡の手を握った。
打算的に考えるのであれば、伯爵家執事との繋がりを持っていて損はない。ホースの指示で様々な仕事をこなしているダルクであれば、知識も人脈も期待できる。
だが、それ以上にこちらの世界で『友人』として、気取らずにいられる者がいるというのは冨岡にとって喜ばしい。
そんな友情を結んだ直後、二人を乗せたフォンガ車は例の広場へと到着し、停車した。
車の窓から外を眺めるとそれほど人はおらず、屋台ではアメリアがカウンターの拭き掃除をしている。
「さて、ここでよろしいですかな」
ダルクが言いながら車の扉を開けると、屋台の方向からフィーネが走ってくるのが見えた。
「トミオカさんだー!」
トミオカサンダーって技名みたいだな、と思いながら冨岡は屈んでフィーネを待つ。
「ただいま、フィーネちゃん」
「おかえりなさい!」
嬉しそうなフィーネの表情に心の奥が解される冨岡。
「店を任せてごめんね。大丈夫だったかい?」
「うん! 大丈夫だったよ。先生がハンバーガーを作って、フィーネはお金の計算したり、商品を渡したり」
フィーネが担っていた仕事を聞いた冨岡は素直に驚く。確かにフィーネは優秀だ。これまでしっかりとした教育の機会に恵まれなかったために、出来ることは少なかったが冨岡が教えたことはすぐに吸収する。それでも、いきなり実践でお金の計算が出来るようになるとは思っていなかった。
思わず驚愕の声を漏らそうとした冨岡だったが、先にダルクが「ええ?」と声を上げる。
「あ、申し訳ありません。つい・・・・・・ですが、この歳の子が計算を? ローズお嬢様よりも幼いでしょうに」
ダルクの言葉を聞いた冨岡は得意げにフィーネを紹介する。
「ふっふっふ、フィーネちゃんは教えられればなんでも覚える子なんですよ。もちろんローズも優秀ですけどね」
「いえ、ローズお嬢様は幼い頃から貴族として英才教育を受けております。こう言ってはなんですが・・・・・・その貴族家系とそれ以外では受ける教育が違います。貴族でもない子がこの歳で金銭の計算まで出来るとは・・・・・・ふむ、これもトミオカ様の手腕ということですか?」
「確かに計算を教えはしましたけど、元々フィーネちゃんは優秀ですよ」
「なるほど、才能ということですか・・・・・・貴族家に仕える者としてあまり口にすべきではないかもしれませんが、一般の子もしっかりとした教育を受けられるようになれば、この子のような才能を埋めたままにしておかずに済むでしょうな」
フィーネの才覚を知ったダルクが思わずそう呟いたので、今が好機だ、と冨岡は切り出す。
「そうですよ」
「友人に年齢なんて関係ないですよ。俺の国じゃあ、手を握り合うのに年齢も性別も国籍も人種も関係ないんです。大切なのは心の繋がりじゃないですか?」
冨岡が私見を述べるとダルクは露骨に口角を上げて、自らも右手を差し出す。
「私もトミオカ様の国で生きてみたかったですな。年齢どころか、国籍や年齢を超えた友情を結べる国に」
言いながらダルクは冨岡の手を握った。
打算的に考えるのであれば、伯爵家執事との繋がりを持っていて損はない。ホースの指示で様々な仕事をこなしているダルクであれば、知識も人脈も期待できる。
だが、それ以上にこちらの世界で『友人』として、気取らずにいられる者がいるというのは冨岡にとって喜ばしい。
そんな友情を結んだ直後、二人を乗せたフォンガ車は例の広場へと到着し、停車した。
車の窓から外を眺めるとそれほど人はおらず、屋台ではアメリアがカウンターの拭き掃除をしている。
「さて、ここでよろしいですかな」
ダルクが言いながら車の扉を開けると、屋台の方向からフィーネが走ってくるのが見えた。
「トミオカさんだー!」
トミオカサンダーって技名みたいだな、と思いながら冨岡は屈んでフィーネを待つ。
「ただいま、フィーネちゃん」
「おかえりなさい!」
嬉しそうなフィーネの表情に心の奥が解される冨岡。
「店を任せてごめんね。大丈夫だったかい?」
「うん! 大丈夫だったよ。先生がハンバーガーを作って、フィーネはお金の計算したり、商品を渡したり」
フィーネが担っていた仕事を聞いた冨岡は素直に驚く。確かにフィーネは優秀だ。これまでしっかりとした教育の機会に恵まれなかったために、出来ることは少なかったが冨岡が教えたことはすぐに吸収する。それでも、いきなり実践でお金の計算が出来るようになるとは思っていなかった。
思わず驚愕の声を漏らそうとした冨岡だったが、先にダルクが「ええ?」と声を上げる。
「あ、申し訳ありません。つい・・・・・・ですが、この歳の子が計算を? ローズお嬢様よりも幼いでしょうに」
ダルクの言葉を聞いた冨岡は得意げにフィーネを紹介する。
「ふっふっふ、フィーネちゃんは教えられればなんでも覚える子なんですよ。もちろんローズも優秀ですけどね」
「いえ、ローズお嬢様は幼い頃から貴族として英才教育を受けております。こう言ってはなんですが・・・・・・その貴族家系とそれ以外では受ける教育が違います。貴族でもない子がこの歳で金銭の計算まで出来るとは・・・・・・ふむ、これもトミオカ様の手腕ということですか?」
「確かに計算を教えはしましたけど、元々フィーネちゃんは優秀ですよ」
「なるほど、才能ということですか・・・・・・貴族家に仕える者としてあまり口にすべきではないかもしれませんが、一般の子もしっかりとした教育を受けられるようになれば、この子のような才能を埋めたままにしておかずに済むでしょうな」
フィーネの才覚を知ったダルクが思わずそう呟いたので、今が好機だ、と冨岡は切り出す。
「そうですよ」
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