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幼女の嗅覚
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どうやら冨岡お手製のハンバーガーは好評のようだ。
大きな特徴があるわけでもないシンプルなハンバーガー。しかしシンプルが故に多くの人に好まれるのだろう。
ガッツリとした肉感もあり、野菜の食感や甘み、それをまとめて包み込むパン。どれが欠けても成立しない料理だ。
フィーネとメルルが美味しそうに食べている顔を見ながら冨岡はこう説明する。
「先ほども言いましたがこの料理の名前はハンバーガーです。安くて早くて美味い、食べ歩きにはぴったりだと思いませんか?」
冨岡の言葉を聞いたメルルは口の中にあったハンバーガーを飲み込んでから頷いた。
「ええ、確かにそうですね。何より私のパンがすごく活かされています!」
「そうなんです。もちろん硬いパンでも成り立つとは思いますが、それでは肉や野菜の食感が死んでしまいます。柔らかいパンだからこそ肉と野菜を感じつつ全てを楽しむことができるんですよ。メルルさんのパンだからこその美味しさです」
嬉しそうに話す冨岡にメルルは笑顔を向ける。
「ありがとうございます。うん、これなら売れると思いますよ」
「そうなればメルルさんのパンを使わせていただくことになりますし、ハンバーガーを食べてもらえればこの街の人にメルルさんのパンが素晴らしいってことを伝えられるはずです」
「え?」
そう、冨岡はメルルのパンを使うことによってハンバーガーを完成させただけでなく、メルルズパンの知名度をあげることも考えていたのだった。
これが悩みを合わせて導き出した答えである。
「トミオカさん・・・・・・本当にありがとうございます! 私、何でも協力します!」
そう言って頭を下げるメルル。
まだ世間に知られていないとはいえ、この世界では最高水準のパンを作り上げた職人メルルのお墨付きをもらった冨岡は最初に売るものをハンバーガーに決定した。
自分で作ったハンバーガーを食べながら冨岡はフィーネの笑顔を眺める。
それはこれまで冨岡が見てきたどんな表情よりも幸せそうだった。
「フィーネちゃん、俺とアメリアさんと一緒にこれを作って売らないかい?」
「ん? うん! フィーネ頑張るよ」
「ははっ、こんなに可愛い看板娘がいてくれるなら大繁盛確定だね。よし、じゃあ教会に戻ってアメリアさん用にハンバーガーを作ろうか」
フィーネと相談した冨岡はメルルに礼を言い、ハンバーガー用のパンを紙袋一杯に購入して教会に戻る。
メルルズパンを出た後も冨岡たちの姿が見えなくなるまでメルルは手を振っていた。
「期待してパンを作ってますから、頑張ってくださいね!」
メルルの声を聞いたフィーネは振り返って嬉しそうに手を振りかえす。
「またねー、メルルさん」
「ははっ、フィーネちゃんの嗅覚に助けられたよ。いい出会いだった」
冨岡がそう呟くとフィーネは首を傾げた。
「トミオカさんはメルルさんが好きなの?」
「え?」
「だって、いい出会いだったって」
「いや、パンのことだよ。メルルさんもいい人だったけどね」
そう冨岡が答えるとフィーネは何か怪しんでいるような笑顔を浮かべる。
「ふーん、そうなんだ」
「ど、どうしたのフィーネちゃん」
「んーん、何でもない」
大きな特徴があるわけでもないシンプルなハンバーガー。しかしシンプルが故に多くの人に好まれるのだろう。
ガッツリとした肉感もあり、野菜の食感や甘み、それをまとめて包み込むパン。どれが欠けても成立しない料理だ。
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「先ほども言いましたがこの料理の名前はハンバーガーです。安くて早くて美味い、食べ歩きにはぴったりだと思いませんか?」
冨岡の言葉を聞いたメルルは口の中にあったハンバーガーを飲み込んでから頷いた。
「ええ、確かにそうですね。何より私のパンがすごく活かされています!」
「そうなんです。もちろん硬いパンでも成り立つとは思いますが、それでは肉や野菜の食感が死んでしまいます。柔らかいパンだからこそ肉と野菜を感じつつ全てを楽しむことができるんですよ。メルルさんのパンだからこその美味しさです」
嬉しそうに話す冨岡にメルルは笑顔を向ける。
「ありがとうございます。うん、これなら売れると思いますよ」
「そうなればメルルさんのパンを使わせていただくことになりますし、ハンバーガーを食べてもらえればこの街の人にメルルさんのパンが素晴らしいってことを伝えられるはずです」
「え?」
そう、冨岡はメルルのパンを使うことによってハンバーガーを完成させただけでなく、メルルズパンの知名度をあげることも考えていたのだった。
これが悩みを合わせて導き出した答えである。
「トミオカさん・・・・・・本当にありがとうございます! 私、何でも協力します!」
そう言って頭を下げるメルル。
まだ世間に知られていないとはいえ、この世界では最高水準のパンを作り上げた職人メルルのお墨付きをもらった冨岡は最初に売るものをハンバーガーに決定した。
自分で作ったハンバーガーを食べながら冨岡はフィーネの笑顔を眺める。
それはこれまで冨岡が見てきたどんな表情よりも幸せそうだった。
「フィーネちゃん、俺とアメリアさんと一緒にこれを作って売らないかい?」
「ん? うん! フィーネ頑張るよ」
「ははっ、こんなに可愛い看板娘がいてくれるなら大繁盛確定だね。よし、じゃあ教会に戻ってアメリアさん用にハンバーガーを作ろうか」
フィーネと相談した冨岡はメルルに礼を言い、ハンバーガー用のパンを紙袋一杯に購入して教会に戻る。
メルルズパンを出た後も冨岡たちの姿が見えなくなるまでメルルは手を振っていた。
「期待してパンを作ってますから、頑張ってくださいね!」
メルルの声を聞いたフィーネは振り返って嬉しそうに手を振りかえす。
「またねー、メルルさん」
「ははっ、フィーネちゃんの嗅覚に助けられたよ。いい出会いだった」
冨岡がそう呟くとフィーネは首を傾げた。
「トミオカさんはメルルさんが好きなの?」
「え?」
「だって、いい出会いだったって」
「いや、パンのことだよ。メルルさんもいい人だったけどね」
そう冨岡が答えるとフィーネは何か怪しんでいるような笑顔を浮かべる。
「ふーん、そうなんだ」
「ど、どうしたのフィーネちゃん」
「んーん、何でもない」
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