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フィーネとデート
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朝食後それぞれの支度を終え、冨岡とアメリアは教会から出ようとした。
冨岡は市場調査、アメリアは仕事である。残していくフィーネにアメリアが勉強と掃除を言いつけると明らかに嫌そうな表情を浮かべた。
「ええー、お勉強なの?」
「どうしたんですか、フィーネ。いつものことじゃないですか。私が仕事に行っている間は読み書きの勉強をする約束でしょう?」
そう、それ自体はいつも通りのことである。しかし状況はいつも通りではない。
「フィーネ、トミオカさんと一緒にいたいよ」
「ダメですよ。トミオカさんもお仕事のようなものですから」
「ぶー」
唇を尖らせて不満を表するフィーネ。
そんなフィーネを見かねて冨岡は口を挟む。
「あの、もしよければフィーネちゃんも連れていきましょうか。もちろん俺よりもクルスマインに詳しいと思いますし、街の中で文字を読めば勉強にもなります。アメリアさんが構わなければ、ですが」
冨岡がそう話すとフィーネは嬉しそうに頷いた。
「うん、フィーネが案内するよ! お勉強も帰ってきてからする!」
「もう、フィーネったら。トミオカさんの優しさに甘えていますね? うーん、そうですね・・・・・・本当にお邪魔ではないですか?」
アメリアはフィーネに話してから冨岡に問いかける。
自分から提案したのだから冨岡がフィーネを邪魔だと思うはずもない。
「もちろんですよ。むしろ一人でいるより心強いです」
「トミオカさんがそう言うなら・・・・・・いい子にしているんですよ、フィーネ」
「うん! フィーネ、いい子にする。お仕事は邪魔しないよ」
こうして今日の行動が決定した。
「わかりました。それでは私は仕事に行ってきますね」
そう言ってアメリアは仕事に向かっていく。
「いってらっしゃい、アメリアさん」
「いってらっしゃーい」
冨岡とフィーネはアメリアの背中を見送ってから教会の前で顔を見合わせた。
「トミオカさん、これからどうするの?」
「そうだなぁ、とりあえず市場に行こうと思ってるよ。この街でどんな食べ物が人気なのかを調べないといけないからね。あとは貴金属の相場を調べたいんだ。一番大きな市場はどこかわかるかい?」
冨岡がそう問いかけるとフィーネは少し考えてから冨岡の手を握って引っ張る。
「えっとね、こっちだよ!」
「ちょっ、フィーネちゃん」
驚きながらも冨岡は手を引かれフィーネについていった。
フィーネの案内は昨日アメリアと歩いたルートを辿っており、気づくとプチワイバーンの串焼きを買った大通りに到着する。
「ここがこのまちで一番大きな市場だよ。いつもいい匂いがするの。どんな味がするかは知らないんだけど匂いだけで幸せになれるんだ」
そう言いながらフィーネは嬉しそうに微笑んだ。心から幸せを感じているのだろう。
本人が自らの境遇を嘆いているわけでもないのに、冨岡が心を痛めるわけにはいかない。それでももっと大きな幸せを感じてもらいたいと思い、冨岡はこう提案する。
「そっか、ありがとうフィーネちゃん。今からこの市場でどの食べ物が人気なのか調べたいんだ。色々買ってみるから一緒に味見してくれるかい?」
「え、うん! フィーネいっぱい食べられるよ」
「ははっ、晩御飯が食べられるくらいにしておこうね」
冨岡は市場調査、アメリアは仕事である。残していくフィーネにアメリアが勉強と掃除を言いつけると明らかに嫌そうな表情を浮かべた。
「ええー、お勉強なの?」
「どうしたんですか、フィーネ。いつものことじゃないですか。私が仕事に行っている間は読み書きの勉強をする約束でしょう?」
そう、それ自体はいつも通りのことである。しかし状況はいつも通りではない。
「フィーネ、トミオカさんと一緒にいたいよ」
「ダメですよ。トミオカさんもお仕事のようなものですから」
「ぶー」
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「うん、フィーネが案内するよ! お勉強も帰ってきてからする!」
「もう、フィーネったら。トミオカさんの優しさに甘えていますね? うーん、そうですね・・・・・・本当にお邪魔ではないですか?」
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「うん! フィーネ、いい子にする。お仕事は邪魔しないよ」
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「いってらっしゃーい」
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「トミオカさん、これからどうするの?」
「そうだなぁ、とりあえず市場に行こうと思ってるよ。この街でどんな食べ物が人気なのかを調べないといけないからね。あとは貴金属の相場を調べたいんだ。一番大きな市場はどこかわかるかい?」
冨岡がそう問いかけるとフィーネは少し考えてから冨岡の手を握って引っ張る。
「えっとね、こっちだよ!」
「ちょっ、フィーネちゃん」
驚きながらも冨岡は手を引かれフィーネについていった。
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「ここがこのまちで一番大きな市場だよ。いつもいい匂いがするの。どんな味がするかは知らないんだけど匂いだけで幸せになれるんだ」
そう言いながらフィーネは嬉しそうに微笑んだ。心から幸せを感じているのだろう。
本人が自らの境遇を嘆いているわけでもないのに、冨岡が心を痛めるわけにはいかない。それでももっと大きな幸せを感じてもらいたいと思い、冨岡はこう提案する。
「そっか、ありがとうフィーネちゃん。今からこの市場でどの食べ物が人気なのか調べたいんだ。色々買ってみるから一緒に味見してくれるかい?」
「え、うん! フィーネいっぱい食べられるよ」
「ははっ、晩御飯が食べられるくらいにしておこうね」
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