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魔法の組み合わせ
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言いながら冨岡は非常食セットの中から野菜スープを取り出す。包装ごとお湯で温めればそのまま食べれるタイプの非常食だ。もちろん非常時にはそのまま食べることも可能という優れものである。是非、家に備えておきたい。
非常時に様々な栄養を摂取できるという利点もある。おにぎりを食べたフィーネにはちょうどいい量だった。
冨岡が野菜スープを見せるとアメリアはいつも通り首を傾げる。
「それは一体何ですか? 中に入っているのは液体?」
どうやら彼女は冨岡が持ち上げた時のチャプチャプという音から包装の中身が液体であると察したらしい。
アメリアの問いかけを聞き、冨岡は頷いて答えた。
「ええ、これは野菜スープです。お湯で温めるとそのまま食べることができますよ」
野菜スープという言葉を聞き、フィーネが顔を顰める。
どうやら野菜は好きではないらしい。冨岡と同時にアメリアもフィーネの表情変化を捉えており、苦笑いを浮かべた。
「フィーネは野菜スープが苦手なんです」
「ああ、そうだったんですね。美味しいのになぁ」
残念そうに冨岡が言うとアメリアは苦笑いを継続する。
「実は私も苦手で・・・・・・冨岡さんは野菜スープがお好きなんですか?」
「好きか嫌いかで言えば好きですよ。これはコンソメベースになってて旨味も強いはずです。野菜も豊富で栄養たっぷりですから」
「こう言っては失礼かもしれませんが、珍しいですね。野菜スープと言えば他の料理に使えない部分をお湯で煮込んだものですし味気ないというか、好きな方はあまりいないと思っていました」
アメリアは少し申し訳なさそうにそう言った。このままでは味覚がおかしいと思われかねないと考え冨岡は野菜スープを包装のままアメリアに手渡す。
「これは全然違うはずですよ。コンソメという旨味のあるスープで野菜を煮込んだものなので、野菜の味も楽しめると思います。騙されたと思って少し試してみませんか?」
冨岡が熱心に勧めるのでアメリアは渋々野菜スープを受け取った。
「わかりました。これはお湯で温めればいいんですよね?」
「はい、そのままお湯に浸してもらってしばらく待てば中まで温まって食べられるようになりますよ。あー、でもお湯を沸かしてもらうのは大変ですかね?」
「いえ、簡単ですよ。ちょっと待っててください」
そう言ってアメリアは厨房の方から古い鍋を持ってくる。
何も入っていない空の鍋に野菜スープを包装ごと入れると、彼女はそこに両手をかざした。
「水よ、熱よ」
アメリアがそう唱えると彼女の右手から淡い赤の光、左手から淡い青の光が放たれる。次の瞬間、一気に水が鍋を満たし湯気が立ち上った。
明らかに熱湯である。
それを見ていた冨岡は心の中で驚きを表現した。おそらくアメリアは水と熱の魔法を掛け合わせて熱湯を出現させたのだろう。水だけ、熱だけでも驚きだというのに組み合わせることもできるというのだ。魔法を知らない冨岡が驚愕するのも無理はない。
非常時に様々な栄養を摂取できるという利点もある。おにぎりを食べたフィーネにはちょうどいい量だった。
冨岡が野菜スープを見せるとアメリアはいつも通り首を傾げる。
「それは一体何ですか? 中に入っているのは液体?」
どうやら彼女は冨岡が持ち上げた時のチャプチャプという音から包装の中身が液体であると察したらしい。
アメリアの問いかけを聞き、冨岡は頷いて答えた。
「ええ、これは野菜スープです。お湯で温めるとそのまま食べることができますよ」
野菜スープという言葉を聞き、フィーネが顔を顰める。
どうやら野菜は好きではないらしい。冨岡と同時にアメリアもフィーネの表情変化を捉えており、苦笑いを浮かべた。
「フィーネは野菜スープが苦手なんです」
「ああ、そうだったんですね。美味しいのになぁ」
残念そうに冨岡が言うとアメリアは苦笑いを継続する。
「実は私も苦手で・・・・・・冨岡さんは野菜スープがお好きなんですか?」
「好きか嫌いかで言えば好きですよ。これはコンソメベースになってて旨味も強いはずです。野菜も豊富で栄養たっぷりですから」
「こう言っては失礼かもしれませんが、珍しいですね。野菜スープと言えば他の料理に使えない部分をお湯で煮込んだものですし味気ないというか、好きな方はあまりいないと思っていました」
アメリアは少し申し訳なさそうにそう言った。このままでは味覚がおかしいと思われかねないと考え冨岡は野菜スープを包装のままアメリアに手渡す。
「これは全然違うはずですよ。コンソメという旨味のあるスープで野菜を煮込んだものなので、野菜の味も楽しめると思います。騙されたと思って少し試してみませんか?」
冨岡が熱心に勧めるのでアメリアは渋々野菜スープを受け取った。
「わかりました。これはお湯で温めればいいんですよね?」
「はい、そのままお湯に浸してもらってしばらく待てば中まで温まって食べられるようになりますよ。あー、でもお湯を沸かしてもらうのは大変ですかね?」
「いえ、簡単ですよ。ちょっと待っててください」
そう言ってアメリアは厨房の方から古い鍋を持ってくる。
何も入っていない空の鍋に野菜スープを包装ごと入れると、彼女はそこに両手をかざした。
「水よ、熱よ」
アメリアがそう唱えると彼女の右手から淡い赤の光、左手から淡い青の光が放たれる。次の瞬間、一気に水が鍋を満たし湯気が立ち上った。
明らかに熱湯である。
それを見ていた冨岡は心の中で驚きを表現した。おそらくアメリアは水と熱の魔法を掛け合わせて熱湯を出現させたのだろう。水だけ、熱だけでも驚きだというのに組み合わせることもできるというのだ。魔法を知らない冨岡が驚愕するのも無理はない。
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