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可憐な笑顔
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全く予期していなかったスタンガンの電撃を受け、男は体を痙攣させ始める。
言ってしまえば自分から受けに行ったようなものだが、スタンガンが存在するはずもない文明レベルなのだから仕方ない。
冨岡からすれば幸運だった。目の前で痙攣する男を見て、冨岡はこう思う。
あれ、スタンガンってこんなに強力だったっけ。
あくまでも護身用のスタンガン。相手を無力化することができるとはいえ、命に危険などないはずだ。
そこで冨岡は護身用スタンガンを購入した経緯を思い出す。
購入したのは街の防犯グッズを取り扱うお店。海外から輸入した商品を売っていた。
冨岡はその店で『祖父から受け継いだ山を探索する。護身用の武器が欲しい』と伝え、やけにノリノリの店主から購入。
今考えると店主は野生の獣と対峙することを考え、電圧をいじっていたのかもしれない。
真偽はわからないが、ともかくスタンガンを受けた男は意識を失いその場に倒れた。
仲間が倒れたことでもう一人の男は驚きながらも怒りの感情を露わにする。
「な、何しやがったテメェ。魔法か? だが、魔力は何も感じなかった・・・・・・訳わかんねぇよ、くそ」
そう言いながら冨岡を睨み付けるが、冨岡もまた男を睨みつけた。
睨み合う中、先に口を開いたのは冨岡である。
「細かい事情はわからないけど、そこの女性を脅しているのは聞こえた。これ以上続けるならお前もそこに倒れることになるぞ」
冨岡は全ての勇気を振り絞るように言い放った。
すると男は倒れている仲間を見て、大きな舌打ちを鳴らす。
男の言葉から考えるなら冨岡がどのように攻撃しているのかわからず悩み苛立っているのだろうか。
冨岡はその隙を見逃さずに言葉を付け足す。
「今なら見逃してやる。勝ち目がないことくらいわかるだろう?」
虚勢だ。相手がスタンガンを知らないという無知、冨岡が弱そうに見えるという油断を利用し幸運で勝ったにすぎない。
けれど男からすると自分の知らない攻撃を使う冨岡は完全に恐怖の対象だった。
その間も冨岡はゆっくり男に近づく。
徐々に強くなるプレッシャーを受け、男は決断を強いられた。
「く、くそ!」
そう吐き捨てて男は素早く仲間を引きずり、冨岡の横を通って逃げていく。
「顔は覚えたからな! どこかで見かけたらぶっ潰してやる!」
その後ろ姿はえらく滑稽なものだった。
過ぎ去っていくトラブルの背中を見送ってから冨岡はその場に座り込む。
「はぁ・・・・・・よかった・・・・・・」
心からの安堵を言葉にする冨岡。
すると、襲われていた女性が冨岡の前でゆっくりしゃがんだ。先ほどまで二人の男に脅されていたというのに女性は穏やかで優しい笑顔を浮かべている。
改めて見ると驚くほど整った容姿をしており、可憐という言葉を具現化したような女性だった。
女性がしゃがんだことに気づいた冨岡が顔を上げると彼女は口を開く。
「あの、大丈夫ですか?」
こっちのセリフじゃないかな、と思いながら冨岡は頷いた。
言ってしまえば自分から受けに行ったようなものだが、スタンガンが存在するはずもない文明レベルなのだから仕方ない。
冨岡からすれば幸運だった。目の前で痙攣する男を見て、冨岡はこう思う。
あれ、スタンガンってこんなに強力だったっけ。
あくまでも護身用のスタンガン。相手を無力化することができるとはいえ、命に危険などないはずだ。
そこで冨岡は護身用スタンガンを購入した経緯を思い出す。
購入したのは街の防犯グッズを取り扱うお店。海外から輸入した商品を売っていた。
冨岡はその店で『祖父から受け継いだ山を探索する。護身用の武器が欲しい』と伝え、やけにノリノリの店主から購入。
今考えると店主は野生の獣と対峙することを考え、電圧をいじっていたのかもしれない。
真偽はわからないが、ともかくスタンガンを受けた男は意識を失いその場に倒れた。
仲間が倒れたことでもう一人の男は驚きながらも怒りの感情を露わにする。
「な、何しやがったテメェ。魔法か? だが、魔力は何も感じなかった・・・・・・訳わかんねぇよ、くそ」
そう言いながら冨岡を睨み付けるが、冨岡もまた男を睨みつけた。
睨み合う中、先に口を開いたのは冨岡である。
「細かい事情はわからないけど、そこの女性を脅しているのは聞こえた。これ以上続けるならお前もそこに倒れることになるぞ」
冨岡は全ての勇気を振り絞るように言い放った。
すると男は倒れている仲間を見て、大きな舌打ちを鳴らす。
男の言葉から考えるなら冨岡がどのように攻撃しているのかわからず悩み苛立っているのだろうか。
冨岡はその隙を見逃さずに言葉を付け足す。
「今なら見逃してやる。勝ち目がないことくらいわかるだろう?」
虚勢だ。相手がスタンガンを知らないという無知、冨岡が弱そうに見えるという油断を利用し幸運で勝ったにすぎない。
けれど男からすると自分の知らない攻撃を使う冨岡は完全に恐怖の対象だった。
その間も冨岡はゆっくり男に近づく。
徐々に強くなるプレッシャーを受け、男は決断を強いられた。
「く、くそ!」
そう吐き捨てて男は素早く仲間を引きずり、冨岡の横を通って逃げていく。
「顔は覚えたからな! どこかで見かけたらぶっ潰してやる!」
その後ろ姿はえらく滑稽なものだった。
過ぎ去っていくトラブルの背中を見送ってから冨岡はその場に座り込む。
「はぁ・・・・・・よかった・・・・・・」
心からの安堵を言葉にする冨岡。
すると、襲われていた女性が冨岡の前でゆっくりしゃがんだ。先ほどまで二人の男に脅されていたというのに女性は穏やかで優しい笑顔を浮かべている。
改めて見ると驚くほど整った容姿をしており、可憐という言葉を具現化したような女性だった。
女性がしゃがんだことに気づいた冨岡が顔を上げると彼女は口を開く。
「あの、大丈夫ですか?」
こっちのセリフじゃないかな、と思いながら冨岡は頷いた。
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