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澤檸檬

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青。

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「青春ってさ、どうして青なの?」
 自動販売機で買ったチョコミントのアイスを舐めながら、彼女が問いかけてくる。溶けて垂れ落ちそうな粒に彼女は気づいていない。
 もうすぐ夏だ。徐々に暑さが増してくる時期。
 ミントの青とチョコの黒が混じった粒は光を反射して、彼女のアクセサリーのようにも見えた。
「人生を四季に分けると、青春と呼ばれる部分は春なんだよ。そんで春には青って決まってるだけらしいよ。諸説あるけど」
 俺が言うと彼女は腑に落ちないという表情で、溶けたアイスを舐めとった。
「ふーん、じゃあ赤でもいいじゃない。赤春」
「それで言うと夏が赤なんだよ。秋が白で、冬が黒。ちょうどチョコミントの色は春と冬を示してるから、その間の夏と秋に食べるものとしてふさわしいのかも」
「それだったら春と冬に食べるべきでしょ」
「じゃあ、チョコミント赤くする? 多分、色は後からつけてるだろうし」
「チョコミントは青がいい」
「多分、春も同じ気持ちだよ」
 彼女は唇を尖らせてから、青を自分の中に取り入れる。
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