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ダイアモンド。
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丸いクッキーを齧る。
口の形状から、どうしても他の円が侵食しているようなくなる。俺はそれが苦手だ。
自分の領域を侵されているようで、如何とも享受し難い。
月も同じだ。
丸く光っているところを侵されているように見える。
俺がそれを言葉にすると、彼女は喉の奥で笑ってから言う。
「クッキーは無くなってるけど、月は見えてないだけでずっと丸いよ」
「そりゃそうだけど、言いたいのは誰かから無理やり形を変えられるのが納得できないってことで」
何とか自分の真意を伝えようとするが、彼女は首を横に振った。
「変わらないものの方が不自然なんだよ。どんなものでも形は変わってく。だからこそ、変わらないものが特別で愛おしいんじゃないかな」
そう言いながら彼女は、自分の左手薬指を眺める。
変わらない永遠の輝き。変わらない愛の証。
他人から干渉されるのが苦手な俺が、彼女と一緒に生きることを決めたのは、こんな俺を受け入れてくれたからなのかもしれない。
そんなことを思えるようになった自分に、大きな変化を感じたが、クッキーを思い浮かべることはなかった。
口の形状から、どうしても他の円が侵食しているようなくなる。俺はそれが苦手だ。
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俺がそれを言葉にすると、彼女は喉の奥で笑ってから言う。
「クッキーは無くなってるけど、月は見えてないだけでずっと丸いよ」
「そりゃそうだけど、言いたいのは誰かから無理やり形を変えられるのが納得できないってことで」
何とか自分の真意を伝えようとするが、彼女は首を横に振った。
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そう言いながら彼女は、自分の左手薬指を眺める。
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