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トマト。
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「いつまでトマト嫌いなのよ。そろそろ食べられるようにならないと」
お節介な幼馴染が俺に言う。
異性の幼馴染なんて口うるさいだけだ。羨ましいなんて言われることもあるけれど、恋愛感情を抱いたことはない。
「うるさいなぁ、嫌いなものは嫌いなんだから仕方ないだろ。お前こそ、そろそろ女の子らしくしたらどうなんだ」
嫌味に対しては嫌味、俺はそう思って言葉を返した。
トマトなんて、ぶにゅっとした食感がいつまでも口に残って、酸味が強くて、変に甘くて、好き好んで食べるものじゃないだろ。そもそも赤いし。
目の前にいる幼馴染も同じようなものだ。いつまでも俺に文句を言うし、お節介だし、気が強い。
俺が酸味を思い出したかのように口を尖らせていると、幼馴染はよく分からないタッパーを取り出した。
「はい」
「何これ」
「オムライス。トマトが苦手でもケチャップなら食べられるんじゃない?」
「えー、試してみたことないな」
そう答えると幼馴染はスプーンでオムライスを掬って、俺の口に押し付けてきた。
仕方なく口を開けて、トマト成分を受け入れる。
すぐに吐き出そうと思ったのだが、口に広がったのは程よい酸味と心地よい甘み、その奥にあるコクを美味しいと感じてしまった。
「美味しい……」
思わず俺が呟くと幼馴染は無邪気な笑顔で、誇らしげに笑う。
「でしょ?」
知ろうとしなかった良さを知った時、苦手は好きになるのかもしれないな、と思いながら、俺はトマトが熟していくように赤くなった。
お節介な幼馴染が俺に言う。
異性の幼馴染なんて口うるさいだけだ。羨ましいなんて言われることもあるけれど、恋愛感情を抱いたことはない。
「うるさいなぁ、嫌いなものは嫌いなんだから仕方ないだろ。お前こそ、そろそろ女の子らしくしたらどうなんだ」
嫌味に対しては嫌味、俺はそう思って言葉を返した。
トマトなんて、ぶにゅっとした食感がいつまでも口に残って、酸味が強くて、変に甘くて、好き好んで食べるものじゃないだろ。そもそも赤いし。
目の前にいる幼馴染も同じようなものだ。いつまでも俺に文句を言うし、お節介だし、気が強い。
俺が酸味を思い出したかのように口を尖らせていると、幼馴染はよく分からないタッパーを取り出した。
「はい」
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