58 / 122
鳴声。
しおりを挟む
「昔話ってあるじゃん」高橋が突然話し始めた。
「あるね」仕方なく大林が答える。
高橋の部屋で二人なのだから反応せざるを得ない。
「桃太郎ってあるじゃん」高橋はさらに続ける。
「あるね。いや、会話の中でも暇すぎてすることない時の話題だからね、それ。しりとり以下、昨日見た夢の話未満」
「どっちにも負けてるじゃん。違うんだよ、納得できなくない? 子どもと犬と猿で鬼に勝てるわけなくないか」突拍子もない、くだらない疑問だ。
「キジも入れてやれよ。物語に現実を持ち込んであーだこーだ言うのは、小中学生の特権だぞ。子ども向けアニメを観て、どうして動物が喋るの、って言ってるのと同じだ」
「キジにできることなんてないだろ。黙ってれば鬼との戦いに巻き込まれないから安全だ。仕方ないだろ、気になったんだから」
「気になるなよ。幼稚さと馬鹿がバレるぞ」
「じゃあ、気になっちゃったらどうすればいいんだよ」
「黙って気になっておけばいいんだよ。キジと同じだ」
「ん?」高橋は首を傾げ、言葉の意味を催促した。
「雉も鳴かずば撃たれまい」
「あるね」仕方なく大林が答える。
高橋の部屋で二人なのだから反応せざるを得ない。
「桃太郎ってあるじゃん」高橋はさらに続ける。
「あるね。いや、会話の中でも暇すぎてすることない時の話題だからね、それ。しりとり以下、昨日見た夢の話未満」
「どっちにも負けてるじゃん。違うんだよ、納得できなくない? 子どもと犬と猿で鬼に勝てるわけなくないか」突拍子もない、くだらない疑問だ。
「キジも入れてやれよ。物語に現実を持ち込んであーだこーだ言うのは、小中学生の特権だぞ。子ども向けアニメを観て、どうして動物が喋るの、って言ってるのと同じだ」
「キジにできることなんてないだろ。黙ってれば鬼との戦いに巻き込まれないから安全だ。仕方ないだろ、気になったんだから」
「気になるなよ。幼稚さと馬鹿がバレるぞ」
「じゃあ、気になっちゃったらどうすればいいんだよ」
「黙って気になっておけばいいんだよ。キジと同じだ」
「ん?」高橋は首を傾げ、言葉の意味を催促した。
「雉も鳴かずば撃たれまい」
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売


ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる