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靴。

「そんなに高い靴が欲しいの？」
　あなたが私に問いかける。
　あなたは分かっていないのね。
　だから私が教えてあげた。
「素敵な靴は素敵な場所に連れて行ってくれるのよ。私が買うのは靴じゃないの。素敵な場所への地図よ」
　するとあなたは笑う。
「俺の隣は素敵な場所じゃないのかい？」
「馬鹿ね。素敵な靴を履いてたからあなたの隣に辿り着いたんじゃない」
　私の言葉に納得したあなたは嬉しそうに頷いた。どうやら靴の購入を認めたらしい。
　馬鹿ね。この場所に納得していないから地図が欲しいのよ。
　ガラスの靴が割れるまで私は白馬に跨る誰かを探している。