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光と絶望
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まだ目を閉じているリオネは、スキル『風読み』によって矢の軌道が逸れたことを理解し、拳を握りしめる。
この戦いにおいて、回避以外の選択肢が増えたことは大きい。
回避しなくてもいいとなれば、体力消費を抑えることもできるだろう。さらに自分が動かないことで、ミミーが矢を放ってきた場所を見失わずに済む。
しかし、それでもリオネの勝利に近づいたなどと、とても言えた状況ではない。
「矢の飛距離や威力、相手の探知に関しては現状勝てない。なら、正確性と連射で勝つしかないわ」
そう言って、リオネは筒から矢を二本取り出す。
「さぁ、どこからでも来なさい。一度死んだ私の・・・・・・決死の反撃よ」
再び目を閉じ、スキル『風読み』を発動するリオネ。
まるでそれを待ち構えていたかのように、後方から飛来する矢があった。
冷静に振り返ったリオネは弓を構え、先ほどと同じように矢を放つ。先ほどと違う点は間をあけずに二本の矢を連射したこと。
矢が飛来した方向を二連続で射抜けば、一本目が相手の矢を落とし二本目は、相手が矢を放った地点に限りなく近い箇所を射抜く。
もちろん簡単なことではないが、リオネほどの正確性があれば十分に可能だ。また、彼女自身も発言しているが連射にも自信がある。
他の冒険者に比べ、筋力で劣るリオネが生き残るには正確性と連射力、魔法を磨くしかなかった。
「あなたの探知能力や飛距離、威力に比べれば連射の速さなんて矮小な能力に映るでしょう、ミミー。けれど私にはこれしかないの。私が努力で積み上げてきた、小さな能力を束ねてあなたを超えるわ!」
リオネの放った矢は想定通り、一本目でミミーの矢を叩き落とし、二本目が闇に消えていく。
その先には間違いなくミミーがいるはずだ。しかし、放った矢の行き先はスキル『風読み』の範囲外である。どうなったのかをリオネが知ることはできない。
ミミーから次の攻撃があれば戦いは続き、なければ勝利となる。
その場を動かず、リオネはスキルに集中した。相手を見つけることができないリオネがたどり着いた答え。それがその場を動かず、カウンター的に倍返しする攻撃方法だった。
「一撃で勝てるなんて思ってないわ・・・・・・何度だって私は正確に射抜き続ける・・・・・・」
静寂の中、自分の呼吸音だけが耳に入る。ツクネが来る前と比べれば、呼吸は随分落ち着いていた。
「ふふっ、私も単純だわ。仲間がいると実感しただけでここまで冷静になれるなんて。ありがとう・・・・・・ツクネ」
自分の戦い方を見つけたリオネは、仲間の存在に支えられているのを実感する。
そんな仲間のためにも勝ちたい。
この戦い方で勝てなかったとしても、しつこく続ければミミーが次の行動に出るだろう。そうなれば隙を見出せるかもしれない。リオネはただ追い詰められる状況を覆したのだった。
一筋の光、希望を見出したリオネ。
そんな彼女が感じたのは一筋どころか数十筋の絶望だった。
この戦いにおいて、回避以外の選択肢が増えたことは大きい。
回避しなくてもいいとなれば、体力消費を抑えることもできるだろう。さらに自分が動かないことで、ミミーが矢を放ってきた場所を見失わずに済む。
しかし、それでもリオネの勝利に近づいたなどと、とても言えた状況ではない。
「矢の飛距離や威力、相手の探知に関しては現状勝てない。なら、正確性と連射で勝つしかないわ」
そう言って、リオネは筒から矢を二本取り出す。
「さぁ、どこからでも来なさい。一度死んだ私の・・・・・・決死の反撃よ」
再び目を閉じ、スキル『風読み』を発動するリオネ。
まるでそれを待ち構えていたかのように、後方から飛来する矢があった。
冷静に振り返ったリオネは弓を構え、先ほどと同じように矢を放つ。先ほどと違う点は間をあけずに二本の矢を連射したこと。
矢が飛来した方向を二連続で射抜けば、一本目が相手の矢を落とし二本目は、相手が矢を放った地点に限りなく近い箇所を射抜く。
もちろん簡単なことではないが、リオネほどの正確性があれば十分に可能だ。また、彼女自身も発言しているが連射にも自信がある。
他の冒険者に比べ、筋力で劣るリオネが生き残るには正確性と連射力、魔法を磨くしかなかった。
「あなたの探知能力や飛距離、威力に比べれば連射の速さなんて矮小な能力に映るでしょう、ミミー。けれど私にはこれしかないの。私が努力で積み上げてきた、小さな能力を束ねてあなたを超えるわ!」
リオネの放った矢は想定通り、一本目でミミーの矢を叩き落とし、二本目が闇に消えていく。
その先には間違いなくミミーがいるはずだ。しかし、放った矢の行き先はスキル『風読み』の範囲外である。どうなったのかをリオネが知ることはできない。
ミミーから次の攻撃があれば戦いは続き、なければ勝利となる。
その場を動かず、リオネはスキルに集中した。相手を見つけることができないリオネがたどり着いた答え。それがその場を動かず、カウンター的に倍返しする攻撃方法だった。
「一撃で勝てるなんて思ってないわ・・・・・・何度だって私は正確に射抜き続ける・・・・・・」
静寂の中、自分の呼吸音だけが耳に入る。ツクネが来る前と比べれば、呼吸は随分落ち着いていた。
「ふふっ、私も単純だわ。仲間がいると実感しただけでここまで冷静になれるなんて。ありがとう・・・・・・ツクネ」
自分の戦い方を見つけたリオネは、仲間の存在に支えられているのを実感する。
そんな仲間のためにも勝ちたい。
この戦い方で勝てなかったとしても、しつこく続ければミミーが次の行動に出るだろう。そうなれば隙を見出せるかもしれない。リオネはただ追い詰められる状況を覆したのだった。
一筋の光、希望を見出したリオネ。
そんな彼女が感じたのは一筋どころか数十筋の絶望だった。
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