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いつもの流れ

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 倉野の許可を得たレオポルトはスキル『説明』について、自分の言葉で説明する。
 
「このクラノという男は特殊なスキルを所持しております。エクレール王が指摘した『問わなければならないこと』とはそれでしょう。我々がヴェルフェール殿に対して発動したスキル・・・・・・それは『説明』というスキルです」
「説明?」

 エクレールは眉を動かしながら聞き返した。
 こんな反応をされるもの慣れてきた、と思いながら倉野はレオポルトの言葉に耳を傾ける。

「スキル『説明』は言葉通り全てを説明するスキルです。漠然とした言葉から詳細な情報を得ることができる・・・・・・それで間違いないか、クラノ」

 レオポルトに問いかけられた倉野は頷きながら答えた。

「はい。今回はバジル・インフェルノのスキル『無効化』によって防がれましたが、本来ならばヴェルフェールさんの名前から過去の経歴や現在の状況など全てを知ることができます」

 本人にそんな話をするのは気まずいな、と思いながらも説明する。もっと簡単にするのならば『検索サイト』のようなもの。まぁ、伝わらないけど、と倉野は苦笑いを浮かべる。
 個人の経歴を全て調べられる検索サイトなんてプライバシーなどあったものではない。
 ここで倉野は、一度疑われてから証明する流れだなと推測した。
 しかし、予想外にもエクレールは納得したように頷く。

「なるほどな・・・・・・ヴェルフェールよ、どう思う?」
「はい、それによって全て説明がつくかと存じます。おおむね国王様と同じ結論でしょう。クラノ殿でしたね」

 ヴェルフェールはそう言ってから倉野に視線をやる。
 突然話を振られた倉野は返事をするので精一杯だ。

「は、はい」
「そう固くならないでください。全てはノエル様の身を案じてのこと・・・・・・ひいてはバレンドットのためだったと理解しています」

 ヴェルフェールは自分がスキルの対象になったことを気にしていない、と倉野に伝えていた。
 だが、どう答えていいのかわからず、倉野が会釈するように小さく頭を下げるとヴェルフェールはさらに言葉を続ける。

「国王様も同じだと思いますが、クラノ殿のスキルについて嘘はないだろうと考えています。そうでなければ説明がつかないことが多く、そうであれば納得できることも多い。ですが、どの程度の能力なのか確認だけさせていただいてもよろしいですか?」
「確認ですか?」

 疑われはしなかったが、結局証明しなければならないのか・・・・・・などとは思わなかった。協力関係を築くのであれば相手の未知なる能力がどの程度なのか確認しておくべきだろう。
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