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三度のバジル・インフェルノ
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レオポルトが話した危険性については倉野にも理解できた。
ヴェルフェールが全ての情報をまとめているのであれば、それを歪めることも可能だろう。する、しないは置いておいて可能という話だ。
もしも悪意を持って入ってくる情報と出ていく情報をコントロールすれば、状況を自在に操ることができる。
「確かにそうですね」
倉野が答えるとレオポルトはさらに言葉を続けた。
「話を聞く限り、ヴェルフェールは意図してその状況を作り出している。危険性は十分にあるな。クラノ、少し調べてみてくれるか?」
「はい、わかりました」
レオポルトに頼まれた倉野は自分の疑問も含めて、スキル『説明』を発動する。
対象は『ヴェルフェールの目的』だ。
「え・・・・・・これは」
倉野は表示された画面を見て言葉を失う。それは過去にも体験したことのある、非常事態だった。
目の前に現れた画面には文字が書かれておらず、求めていた答えは得られなかった。
「どうした、クラノ?」
絶句している倉野にレオポルトが訊ねる。
倉野は状況を確認しながら答えた。
「スキルでも表示されなくて・・・・・・答えが出ないんです」
「どういうことだ、お前さんのスキルにも出せない答えがあるのか?」
倉野のスキルを万能だと思っていたレオポルトは首を傾げる。
もちろん、倉野自身もほぼ確実に求めた答えを得られるものだと思っていた。その上で例外が存在することも知っている。
「バジル・インフェルノ」
倉野は例外に該当する男の名前を呟いた。
「バジル・インフェルノ? 誰の名前だ」
「僕の天敵のような存在です。僕の能力はほぼ全てがスキルに依存するもの・・・・・・そしてバジル・インフェルノのスキルは『スキル無効化』なんです。もしかするとヴェルフェールの周囲にはバジル・インフェルノがいるのかもしれません」
レオポルトの問いかけに倉野はそう答える。
バジル・インフェルノはエスエ帝国での戦いで敵側に存在した男。その時も倉野はスキルを封じられ、苦戦を強いられた。
イスベルグの魔法によって何とか窮地を脱した倉野だったが、バジル・インフェルノの『スキル無効化』を克服したわけではない。スキルに依存している倉野にとって相性最悪だ。
しかし、この事実によって一つわかったことがある。
倉野は言葉を付け足した。
「バジル・インフェルノがヴェルフェールのそばにいて、スキル『説明』を任意に阻害しているのであれば、僕の存在を知っているかもしれない。そしてヴェルフェールは何かを隠している・・・・・・全て可能性の話ですが」
「お前さんにわからないことは全て可能性になってしまうな。だが、注意しておくべきかもしれない、とわかっただけで収穫だ」
ヴェルフェールが全ての情報をまとめているのであれば、それを歪めることも可能だろう。する、しないは置いておいて可能という話だ。
もしも悪意を持って入ってくる情報と出ていく情報をコントロールすれば、状況を自在に操ることができる。
「確かにそうですね」
倉野が答えるとレオポルトはさらに言葉を続けた。
「話を聞く限り、ヴェルフェールは意図してその状況を作り出している。危険性は十分にあるな。クラノ、少し調べてみてくれるか?」
「はい、わかりました」
レオポルトに頼まれた倉野は自分の疑問も含めて、スキル『説明』を発動する。
対象は『ヴェルフェールの目的』だ。
「え・・・・・・これは」
倉野は表示された画面を見て言葉を失う。それは過去にも体験したことのある、非常事態だった。
目の前に現れた画面には文字が書かれておらず、求めていた答えは得られなかった。
「どうした、クラノ?」
絶句している倉野にレオポルトが訊ねる。
倉野は状況を確認しながら答えた。
「スキルでも表示されなくて・・・・・・答えが出ないんです」
「どういうことだ、お前さんのスキルにも出せない答えがあるのか?」
倉野のスキルを万能だと思っていたレオポルトは首を傾げる。
もちろん、倉野自身もほぼ確実に求めた答えを得られるものだと思っていた。その上で例外が存在することも知っている。
「バジル・インフェルノ」
倉野は例外に該当する男の名前を呟いた。
「バジル・インフェルノ? 誰の名前だ」
「僕の天敵のような存在です。僕の能力はほぼ全てがスキルに依存するもの・・・・・・そしてバジル・インフェルノのスキルは『スキル無効化』なんです。もしかするとヴェルフェールの周囲にはバジル・インフェルノがいるのかもしれません」
レオポルトの問いかけに倉野はそう答える。
バジル・インフェルノはエスエ帝国での戦いで敵側に存在した男。その時も倉野はスキルを封じられ、苦戦を強いられた。
イスベルグの魔法によって何とか窮地を脱した倉野だったが、バジル・インフェルノの『スキル無効化』を克服したわけではない。スキルに依存している倉野にとって相性最悪だ。
しかし、この事実によって一つわかったことがある。
倉野は言葉を付け足した。
「バジル・インフェルノがヴェルフェールのそばにいて、スキル『説明』を任意に阻害しているのであれば、僕の存在を知っているかもしれない。そしてヴェルフェールは何かを隠している・・・・・・全て可能性の話ですが」
「お前さんにわからないことは全て可能性になってしまうな。だが、注意しておくべきかもしれない、とわかっただけで収穫だ」
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