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レインの証言2
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まだレインは誰かが倉野を殺したと信じているわけじゃない。そもそもレオポルトにしたって可能性があると考えているだけである。
それでもそこに可能性があるのならば進むしかない。
そんなレオポルトの感情を察してレインは答えたのだった。
レインの答えを聞いたレオポルトは納得するように頷いてから、次の質問に移る。
「そうか、昨夜はそのまま眠ったと・・・・・・ああ、もちろんお前さんを疑ってるわけではないぞ。全ての情報を集めなければ見えてこないものがあるというだけだ。気を悪くさせたのならば謝るが」
申し訳なさそうに言うレオポルト。
しかし、レインは冷静である。昨夜の行動を聞かれたことを何とも思っていないようだ。
「このような状況だからね。レオポルトさんの気持ちも分かるつもりさ。疑う、疑わないの話じゃなく、誰かがクラノを殺したかもしれないという可能性があるだけで心が裂かれそうなほどに痛いはず。それでも誰かが調査に乗り出さなければならない。そんな役を自ら買って出ているレオポルトさんに対して気を悪くするなんてあり得ないさ」
そう言いながら力無く微笑むレイン。
彼もまた目の前の悲しみとすべきことに挟まれ苦しんでいるのかもしれない。苦しみ動き出せない自分を責めているのかもしれない。
同じ立場でありながら倉野の死と向き合っているレオポルトがレインにはひどく遠い存在に見えていた。
命懸けの戦いが生活のすぐそばにあり、医療や衛生的にも未熟な世界。『死』の捉え方が倉野のいた世界とは違う。けれども親しい者が亡くなってしまう悲しみは心に大きな傷を残した。
戦場では強く凛々しいレインが弱々しいのを見ると彼が倉野を殺すとは思えない。
「そう言ってくれると助かる。そこまで察しているのならば隠すこともないな・・・・・・誰かクラノを殺害する動機がある者を知らないか? 小さな可能性でもいい」
再びレオポルトが問いかけるとレインは少し悩んでから苦しそうにこう答える。
「・・・・・・世界中に、という意味ならばクラノに恨みを抱く者は多いんじゃないかな。クラノはいつだって誰かを救うために戦ってきた。けれど戦うということは相手がいる。相手にも生活があって家族や仲間がいるはずだ。そちら側から見ればクラノは恨みの対象だろうね」
どちらが正しいという話ではない。あらゆる感情論を排除して考えた結果、倉野が恨まれている可能性はあるという話だ。
そう踏まえた上でレインは言葉を続ける。
「けれど、『ピース・リンク』のメンバーとなれば話は別だ。感謝はしていても恨む者なんているはずはない。いや、正確には考えたくもない・・・・・・かな。リオネやレイチェル嬢は説明するまでもなく・・・・・・俺やレオポルトさんだって国を救われたはずだろう? ノエルはクラノと行動を共にした時間が一番長いんじゃないかな。恨みを持つ者に心当たりはないよ」
それでもそこに可能性があるのならば進むしかない。
そんなレオポルトの感情を察してレインは答えたのだった。
レインの答えを聞いたレオポルトは納得するように頷いてから、次の質問に移る。
「そうか、昨夜はそのまま眠ったと・・・・・・ああ、もちろんお前さんを疑ってるわけではないぞ。全ての情報を集めなければ見えてこないものがあるというだけだ。気を悪くさせたのならば謝るが」
申し訳なさそうに言うレオポルト。
しかし、レインは冷静である。昨夜の行動を聞かれたことを何とも思っていないようだ。
「このような状況だからね。レオポルトさんの気持ちも分かるつもりさ。疑う、疑わないの話じゃなく、誰かがクラノを殺したかもしれないという可能性があるだけで心が裂かれそうなほどに痛いはず。それでも誰かが調査に乗り出さなければならない。そんな役を自ら買って出ているレオポルトさんに対して気を悪くするなんてあり得ないさ」
そう言いながら力無く微笑むレイン。
彼もまた目の前の悲しみとすべきことに挟まれ苦しんでいるのかもしれない。苦しみ動き出せない自分を責めているのかもしれない。
同じ立場でありながら倉野の死と向き合っているレオポルトがレインにはひどく遠い存在に見えていた。
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戦場では強く凛々しいレインが弱々しいのを見ると彼が倉野を殺すとは思えない。
「そう言ってくれると助かる。そこまで察しているのならば隠すこともないな・・・・・・誰かクラノを殺害する動機がある者を知らないか? 小さな可能性でもいい」
再びレオポルトが問いかけるとレインは少し悩んでから苦しそうにこう答える。
「・・・・・・世界中に、という意味ならばクラノに恨みを抱く者は多いんじゃないかな。クラノはいつだって誰かを救うために戦ってきた。けれど戦うということは相手がいる。相手にも生活があって家族や仲間がいるはずだ。そちら側から見ればクラノは恨みの対象だろうね」
どちらが正しいという話ではない。あらゆる感情論を排除して考えた結果、倉野が恨まれている可能性はあるという話だ。
そう踏まえた上でレインは言葉を続ける。
「けれど、『ピース・リンク』のメンバーとなれば話は別だ。感謝はしていても恨む者なんているはずはない。いや、正確には考えたくもない・・・・・・かな。リオネやレイチェル嬢は説明するまでもなく・・・・・・俺やレオポルトさんだって国を救われたはずだろう? ノエルはクラノと行動を共にした時間が一番長いんじゃないかな。恨みを持つ者に心当たりはないよ」
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