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国外追放
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すると伯爵は面白がるように微笑み話を続けた。
「ははっ、いい反応をしてくれますね。そう、実際に会ってみるとレイチェルが知り合いだというのですから私も驚きましたよ。その上、シュクルート殿の方はクラノ殿に借りがあるという」
「そうですか・・・・・・」
シュクルートのことを思い出しながら頷く倉野。
確かに彼は恩を返すと言っていた。けれど、様々な人間から恨みを買い、冒険者ギルドも動き出そうとしているのならば、と倉野は考え込むような素振りを見せる。
倉野の様子を察した伯爵はさらに話を続けた。
「ああ、シュクルート殿のことであれば心配なく。確かに罪は罪、ということで罰を受けてもらうことにしましたから」
「罰・・・・・・ですか?」
「ええ、彼は国外追放となりました」
「こ、国外追放!?」
思いもよらぬ罰の内容に倉野は驚きを隠せない。
この世界にどのような種類の罰があるかはわからないが、国外追放となれば相当重いはずだ。
自らが生まれた国を追われ、帰る場所を失う。
戸惑う倉野をさらに驚かそうとレオポルトが言葉を足した。
「エスエ帝国のような大国から国外追放された者は他の国にも受け入れてはもらえん。国を脅かすような存在となり得るからだ。もちろん発展していない国に逃げ込むことも可能だが、冒険者ギルドに登録することも出来ず、闇の世界で生きていくこととなる。中々重いぞ、国外追放は」
「そんな、じゃあシュクルートさんは一体」
想像していた以上に凄惨な罰だと知り、倉野はシュクルートの身を案じる。
すると、伯爵は優しく首を横に振り、倉野の問いかけに答えた。
「話はここからですよ、クラノ殿。言ってしまえば国外追放は彼をエスエ帝国籍から外すためのポーズ。彼以上に交渉ごとに特化した人間はいません。それに彼の被害者は全員、何かしらの悪事に手を染めている。一方的に罰を受けるのは理不尽でしょう」
「え、でも国外追放になればどうしようも」
「お忘れですか、クラノ殿。『ピース・リンク』はあらゆる国からの影響を受けない領地を持とうとしている・・・・・・もしも、クラノ殿がシュクルート殿を受け入れるというならば彼を『ピース・リンク』に加入させましょう。そうすれば国外追放などただの言葉に過ぎない。シュクルート殿にとってもこれまで恨みを買った者から終われなくなるという利点もあります。いかがでしょう?」
伯爵に問いかけられた倉野は考えるまでもなく二つ返事で了承する。
「もちろんです! これまでの行い自体は間違っていますが、心は綺麗な方だと思いますし」
倉野の答えを聞いた伯爵は微笑んでから頷いた。
「そう言うと思って既に彼を『ピース・リンク』へ勧誘しておきました。そして彼からも了解を得ていますよ。現在は帝国が彼の身柄を拘束しています。『ピース・リンク』が始動するタイミングで国外追放が行使される段取りとなっています」
「ははっ、いい反応をしてくれますね。そう、実際に会ってみるとレイチェルが知り合いだというのですから私も驚きましたよ。その上、シュクルート殿の方はクラノ殿に借りがあるという」
「そうですか・・・・・・」
シュクルートのことを思い出しながら頷く倉野。
確かに彼は恩を返すと言っていた。けれど、様々な人間から恨みを買い、冒険者ギルドも動き出そうとしているのならば、と倉野は考え込むような素振りを見せる。
倉野の様子を察した伯爵はさらに話を続けた。
「ああ、シュクルート殿のことであれば心配なく。確かに罪は罪、ということで罰を受けてもらうことにしましたから」
「罰・・・・・・ですか?」
「ええ、彼は国外追放となりました」
「こ、国外追放!?」
思いもよらぬ罰の内容に倉野は驚きを隠せない。
この世界にどのような種類の罰があるかはわからないが、国外追放となれば相当重いはずだ。
自らが生まれた国を追われ、帰る場所を失う。
戸惑う倉野をさらに驚かそうとレオポルトが言葉を足した。
「エスエ帝国のような大国から国外追放された者は他の国にも受け入れてはもらえん。国を脅かすような存在となり得るからだ。もちろん発展していない国に逃げ込むことも可能だが、冒険者ギルドに登録することも出来ず、闇の世界で生きていくこととなる。中々重いぞ、国外追放は」
「そんな、じゃあシュクルートさんは一体」
想像していた以上に凄惨な罰だと知り、倉野はシュクルートの身を案じる。
すると、伯爵は優しく首を横に振り、倉野の問いかけに答えた。
「話はここからですよ、クラノ殿。言ってしまえば国外追放は彼をエスエ帝国籍から外すためのポーズ。彼以上に交渉ごとに特化した人間はいません。それに彼の被害者は全員、何かしらの悪事に手を染めている。一方的に罰を受けるのは理不尽でしょう」
「え、でも国外追放になればどうしようも」
「お忘れですか、クラノ殿。『ピース・リンク』はあらゆる国からの影響を受けない領地を持とうとしている・・・・・・もしも、クラノ殿がシュクルート殿を受け入れるというならば彼を『ピース・リンク』に加入させましょう。そうすれば国外追放などただの言葉に過ぎない。シュクルート殿にとってもこれまで恨みを買った者から終われなくなるという利点もあります。いかがでしょう?」
伯爵に問いかけられた倉野は考えるまでもなく二つ返事で了承する。
「もちろんです! これまでの行い自体は間違っていますが、心は綺麗な方だと思いますし」
倉野の答えを聞いた伯爵は微笑んでから頷いた。
「そう言うと思って既に彼を『ピース・リンク』へ勧誘しておきました。そして彼からも了解を得ていますよ。現在は帝国が彼の身柄を拘束しています。『ピース・リンク』が始動するタイミングで国外追放が行使される段取りとなっています」
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