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努力=結果
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想いを乗せた刃はデザストルが纏ってる炎を切り裂き、強固な体表に突き刺さった。
それでも倉野は止まらず、その先にある心臓へ向かう。
しかしその状況になってもデザストルは動けず、必死に言葉を放った。
「やめろ! そんなことをすれば俺様の中にいるイスベルグも完全に消えるぞ!」
その言葉に偽りはない。
現在イスベルグは倉野と一体化していた時と同じ様にデザストルの中にいる。しかし、その時とは決定的に違う部分が存在した。
その違いとは自分自身の体を捨てているというところである。
デザストルが死ねば、イスベルグは全ての意識がこの世界から消え去ってしまうのだ。
だが、倉野の勢いは止まらない。そんな言葉では揺らがぬ覚悟があり、揺らぐわけにはいかない誓いがあった。
強固な体表を貫き、密度の高い筋肉を切り裂いていく。それでも心臓は遠く、届かない。
「硬い・・・・・・だけど、止まるわけにはいかないんだ! イスベルグさんの想いを無駄にするわけにはいかない!」
倉野はそう叫び、スキル『剛腕』の発動を続けた。
そんな倉野の発言を聞いていたデザストルは、これ以上突き刺されることはない、刃は心臓に達しないと判断し口角を上げる。
「はっ! 所詮下等生物だな。俺様を貫くには何もかもが足りねぇ! イスベルグは無駄死にってわけだ!」
そんなデザストルの言葉に答えたのはイスベルグだった。
「お前の知っている世界は狭すぎる。クラノという男を知らなすぎる。クラノは誰よりも弱い男だ」
「何言ってやがる! 弱ぇ男が俺様に刃を突き刺せるわけがねぇだろ!」
「クラノの弱さはクラノが一番知っている。だからこそ、この男は諦めない。歩みを止めない。努力をやめない。鍛錬を努力と呼ぶのではない、結果が出るまでの過程を努力と呼ぶのだ」
「何を言ってやがる!」
デザストルがそう叫んだ瞬間、倉野はクレアシオンが軽くなっていくのを感じる。
この感覚はこれまで何度も倉野が経験してきたものだ。
スキルの成長。スキル『剛腕』によって突き刺し続ける中で『剛腕』が成長したのである。
そのスキルの名前は『神腕』と呼ばれ、文字通り神のように全てを破壊するスキルだ。
スキルの成長を感じた倉野は奥歯を噛み締め、その攻撃の意味を噛み締めながら肉を引き裂いていく。
「これで終わりだ、デザストル!」
自らが叫んだ言葉に背中を押され、倉野はデザストルの心臓を貫いた。
クレアシオンの先端から倉野の手に分厚い風船を突き刺すような感覚が伝わる。
これまで頑なに他者の命を奪わずにいた倉野。そんな彼が初めて殺意を持って命を刈り取る。
「グアアアアアア!」
デザストルが苦痛を叫ぶと同時に、クレアシオンを刺した箇所から滝のように血液が溢れてきた。
むせ返るような鉄の臭いが、殺すという行為の意味を倉野の心に叩き込む。
それでも倉野は止まらず、その先にある心臓へ向かう。
しかしその状況になってもデザストルは動けず、必死に言葉を放った。
「やめろ! そんなことをすれば俺様の中にいるイスベルグも完全に消えるぞ!」
その言葉に偽りはない。
現在イスベルグは倉野と一体化していた時と同じ様にデザストルの中にいる。しかし、その時とは決定的に違う部分が存在した。
その違いとは自分自身の体を捨てているというところである。
デザストルが死ねば、イスベルグは全ての意識がこの世界から消え去ってしまうのだ。
だが、倉野の勢いは止まらない。そんな言葉では揺らがぬ覚悟があり、揺らぐわけにはいかない誓いがあった。
強固な体表を貫き、密度の高い筋肉を切り裂いていく。それでも心臓は遠く、届かない。
「硬い・・・・・・だけど、止まるわけにはいかないんだ! イスベルグさんの想いを無駄にするわけにはいかない!」
倉野はそう叫び、スキル『剛腕』の発動を続けた。
そんな倉野の発言を聞いていたデザストルは、これ以上突き刺されることはない、刃は心臓に達しないと判断し口角を上げる。
「はっ! 所詮下等生物だな。俺様を貫くには何もかもが足りねぇ! イスベルグは無駄死にってわけだ!」
そんなデザストルの言葉に答えたのはイスベルグだった。
「お前の知っている世界は狭すぎる。クラノという男を知らなすぎる。クラノは誰よりも弱い男だ」
「何言ってやがる! 弱ぇ男が俺様に刃を突き刺せるわけがねぇだろ!」
「クラノの弱さはクラノが一番知っている。だからこそ、この男は諦めない。歩みを止めない。努力をやめない。鍛錬を努力と呼ぶのではない、結果が出るまでの過程を努力と呼ぶのだ」
「何を言ってやがる!」
デザストルがそう叫んだ瞬間、倉野はクレアシオンが軽くなっていくのを感じる。
この感覚はこれまで何度も倉野が経験してきたものだ。
スキルの成長。スキル『剛腕』によって突き刺し続ける中で『剛腕』が成長したのである。
そのスキルの名前は『神腕』と呼ばれ、文字通り神のように全てを破壊するスキルだ。
スキルの成長を感じた倉野は奥歯を噛み締め、その攻撃の意味を噛み締めながら肉を引き裂いていく。
「これで終わりだ、デザストル!」
自らが叫んだ言葉に背中を押され、倉野はデザストルの心臓を貫いた。
クレアシオンの先端から倉野の手に分厚い風船を突き刺すような感覚が伝わる。
これまで頑なに他者の命を奪わずにいた倉野。そんな彼が初めて殺意を持って命を刈り取る。
「グアアアアアア!」
デザストルが苦痛を叫ぶと同時に、クレアシオンを刺した箇所から滝のように血液が溢れてきた。
むせ返るような鉄の臭いが、殺すという行為の意味を倉野の心に叩き込む。
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