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戦う真意
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言いながらイスベルグは鋭利な弾幕を上昇で回避した。
どうすればその質量の巨体をその速度で動かせるのか、人間である倉野には理解できない。
人間が決して足を踏み入れることの出来ない領域にイスベルグとデザストルはいた。
デザストルの頭上に位置を取ったイスベルグはこれまでよりも高密度の魔力を溜め、空気すらも凍てつかせる冷気を吐き出す。
しかし、デザストルは自分の目の前に炎の壁を作り出し攻撃を防いだ。
まるで災害と災害がぶつかり合っているかのような景色である。
「なんて戦いなんだ・・・・・・」
魔力を感じることの出来ない倉野にもその凄まじさは伝わっていた。
攻撃と防御、回避を繰り返し拮抗する二体のドラゴン。
イスベルグの言いつけ通りクレアシオンで自分の身を守り戦いを眺めている倉野は拭えない懸念に思考を引っ張られる。
倉野に生きることを誓わせ、別れの言葉を残し、自らデザストルと戦うイスベルグ。何があっても生き続け、世界を変えてほしいと倉野に託したその心は。
それほど想像に難くないだろう。
自分の命を懸けてデザストルを殺すつもりだ。
「イスベルグさん・・・・・・」
倉野は上空で続く壮絶な戦いを眺め、自分自身の無力さを呪う。
これまで努力を続ければどんな相手にも立ち向かえると思っていた。
だが、厄災デザストルに関しては努力などという問題ではない。明らかに存在する種族の差。今の倉野では戦いにすらならないだろう。
それをわかっていたイスベルグは自分の想いを倉野に託し、デザストルとの戦いに身を投じた。
「どうして俺様の前に立ちはだかる! イスベルグゥ!」
攻防を続けながらデザストルが問いかける。
するとイスベルグは涼しい表情のまま氷の槍を吐き出し答えた。
「説明するだけ無駄だ。お前のように弱者を甚振る愚か者には理解出来ん」
放たれた氷の槍はデザストルの頭を目掛けて飛んでいく。だが、デザストルは最小限の動きで首だけを動かして回避し再び叫んだ。
「いつまでも見下してんじゃねぇぞ、カス!」
「見下してなどいない。そもそもお前のようなものは視界にすら入っていないのだから」
「クソクソクソクソクソクソォ! 許さねぇ、許さねぇ、許さねぇ!」
煽られた怒りがデザストルの血液を沸騰させる。
デザストルは防御の意識を捨て、右手の爪に炎を集約させた。
「直接叩き込んでやるよ、地獄の業火をなぁ! 炎帝閻魔・龍爪の段!」
そう叫びながらデザストルは大きく振りかぶり、イスベルグの体に炎を纏った爪を叩き込む。
これまで以上に密度の高い攻撃。しかし、イスベルグは一切顔色を変えなかった。
「怒りが魔力に影響しているのか。確かに威力は上がっているが、隙だらけだな」
どうすればその質量の巨体をその速度で動かせるのか、人間である倉野には理解できない。
人間が決して足を踏み入れることの出来ない領域にイスベルグとデザストルはいた。
デザストルの頭上に位置を取ったイスベルグはこれまでよりも高密度の魔力を溜め、空気すらも凍てつかせる冷気を吐き出す。
しかし、デザストルは自分の目の前に炎の壁を作り出し攻撃を防いだ。
まるで災害と災害がぶつかり合っているかのような景色である。
「なんて戦いなんだ・・・・・・」
魔力を感じることの出来ない倉野にもその凄まじさは伝わっていた。
攻撃と防御、回避を繰り返し拮抗する二体のドラゴン。
イスベルグの言いつけ通りクレアシオンで自分の身を守り戦いを眺めている倉野は拭えない懸念に思考を引っ張られる。
倉野に生きることを誓わせ、別れの言葉を残し、自らデザストルと戦うイスベルグ。何があっても生き続け、世界を変えてほしいと倉野に託したその心は。
それほど想像に難くないだろう。
自分の命を懸けてデザストルを殺すつもりだ。
「イスベルグさん・・・・・・」
倉野は上空で続く壮絶な戦いを眺め、自分自身の無力さを呪う。
これまで努力を続ければどんな相手にも立ち向かえると思っていた。
だが、厄災デザストルに関しては努力などという問題ではない。明らかに存在する種族の差。今の倉野では戦いにすらならないだろう。
それをわかっていたイスベルグは自分の想いを倉野に託し、デザストルとの戦いに身を投じた。
「どうして俺様の前に立ちはだかる! イスベルグゥ!」
攻防を続けながらデザストルが問いかける。
するとイスベルグは涼しい表情のまま氷の槍を吐き出し答えた。
「説明するだけ無駄だ。お前のように弱者を甚振る愚か者には理解出来ん」
放たれた氷の槍はデザストルの頭を目掛けて飛んでいく。だが、デザストルは最小限の動きで首だけを動かして回避し再び叫んだ。
「いつまでも見下してんじゃねぇぞ、カス!」
「見下してなどいない。そもそもお前のようなものは視界にすら入っていないのだから」
「クソクソクソクソクソクソォ! 許さねぇ、許さねぇ、許さねぇ!」
煽られた怒りがデザストルの血液を沸騰させる。
デザストルは防御の意識を捨て、右手の爪に炎を集約させた。
「直接叩き込んでやるよ、地獄の業火をなぁ! 炎帝閻魔・龍爪の段!」
そう叫びながらデザストルは大きく振りかぶり、イスベルグの体に炎を纏った爪を叩き込む。
これまで以上に密度の高い攻撃。しかし、イスベルグは一切顔色を変えなかった。
「怒りが魔力に影響しているのか。確かに威力は上がっているが、隙だらけだな」
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