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厄災に近づく氷山
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レインとリオネはオネットの意志を引き継ぎ、住民たちを逃すために走っていった。
その直後、倉野が屋敷の中から出てくる。
「オネットさん、アルダリンさん。これは一体・・・・・・」
その場で倒れているオネットと支えるアルダリン、散り散りになり住民たちを追いかけるゴーレムを見た倉野がそう問いかけた。
するとアルダリンはオネットを丁寧に寝かせながら答える。
「オネットの発案で、ゴーレムに住民を襲わせ強制的に避難を促しています。レインさんやリオネさんはゴーレムから住民たちを守るふりをして避難誘導を行なっている最中・・・・・・私も避難誘導に加わってきますぞ。どうか、オネットの覚悟を無駄になさらぬよう、クラノさんは役割を果たしてください」
息を荒げて地面に横たわるオネット。
ゴーレム生成のため魔力を使い切った状態だということは倉野にもなんとなく分かった。
数人とはいえ周囲に住民がいたことを考えるとゴーレム生成をしたのがオネットであることはすぐに白日のもとに晒されるだろう。
自分が悪役になってでも住民たちを守るというオネットの覚悟を無駄にするわけにはいかない。
倉野は心の中に闘志が湧いてくるのを感じる。
「はい! 必ず厄災を止めます!」
「ほほほっ、頼みましたぞ!」
力強い倉野の言葉を受け止めたアルダリンはレインたちを追いかけて走っていった。
すると横たわっているオネットが倉野に話しかける。
「クラノさん・・・・・・厄災の復活はもう止められないのでしょうね。その上で問いかけたい。あなたは・・・・・・厄災に勝てますか?」
懇願するようなオネットの問いかけに倉野は顔を伏せた。
「・・・・・・厄災の正体は竜王の子どもだそうです。世界を滅ぼすほどの力を持っていることは間違いない。それに厄災はこの七百年間のうちに力を蓄えていたそうです」
弱気な発言をする倉野。
そんな言葉に対してオネットは感情を露わにする。
「それでは・・・・・・結局、人類は滅ぶしかないというのですか! 私やアルダリンたちの行動は全て無駄だというのですか!」
「そんなことはさせません! 僕はこの世界が・・・・・・この世界に生きる人たちが大好きだから!」
一気に顔を上げ真っ直ぐな瞳で倉野はそう言い放った。
心の底から湧き上がる感情を生のまま言葉にした倉野。
その言葉は心から口に届くまでの間にイスベルグの横を通過している。
森羅万象が平伏すような言葉の重圧に思わずイスベルグは口角をあげた。
「・・・・・・王者の風格。いや、覇者の重圧か。よく育ったものだ」
倉野の言葉を聞いたオネットは満足したように微笑んでから口を開く。
「任せましたよ、クラノさん。私は少し休んでから避難します。私のことは置いて、為すべきことをしてください」
「はい、わかりました! イスベルグさん、厄災の復活場所はわかりますか?」
オネットに返事をした倉野はそのままイスベルグに問いかけながら『センター』に向かって走り始めた。
残されたオネットは倉野の言葉に引っかかり、繰り返す。
「イスベルグ・・・・・・イスベルグ・・・・・・氷山? まさか、ドラゴニアに伝わるおとぎ話の・・・・・・いや、まさかな」
その直後、倉野が屋敷の中から出てくる。
「オネットさん、アルダリンさん。これは一体・・・・・・」
その場で倒れているオネットと支えるアルダリン、散り散りになり住民たちを追いかけるゴーレムを見た倉野がそう問いかけた。
するとアルダリンはオネットを丁寧に寝かせながら答える。
「オネットの発案で、ゴーレムに住民を襲わせ強制的に避難を促しています。レインさんやリオネさんはゴーレムから住民たちを守るふりをして避難誘導を行なっている最中・・・・・・私も避難誘導に加わってきますぞ。どうか、オネットの覚悟を無駄になさらぬよう、クラノさんは役割を果たしてください」
息を荒げて地面に横たわるオネット。
ゴーレム生成のため魔力を使い切った状態だということは倉野にもなんとなく分かった。
数人とはいえ周囲に住民がいたことを考えるとゴーレム生成をしたのがオネットであることはすぐに白日のもとに晒されるだろう。
自分が悪役になってでも住民たちを守るというオネットの覚悟を無駄にするわけにはいかない。
倉野は心の中に闘志が湧いてくるのを感じる。
「はい! 必ず厄災を止めます!」
「ほほほっ、頼みましたぞ!」
力強い倉野の言葉を受け止めたアルダリンはレインたちを追いかけて走っていった。
すると横たわっているオネットが倉野に話しかける。
「クラノさん・・・・・・厄災の復活はもう止められないのでしょうね。その上で問いかけたい。あなたは・・・・・・厄災に勝てますか?」
懇願するようなオネットの問いかけに倉野は顔を伏せた。
「・・・・・・厄災の正体は竜王の子どもだそうです。世界を滅ぼすほどの力を持っていることは間違いない。それに厄災はこの七百年間のうちに力を蓄えていたそうです」
弱気な発言をする倉野。
そんな言葉に対してオネットは感情を露わにする。
「それでは・・・・・・結局、人類は滅ぶしかないというのですか! 私やアルダリンたちの行動は全て無駄だというのですか!」
「そんなことはさせません! 僕はこの世界が・・・・・・この世界に生きる人たちが大好きだから!」
一気に顔を上げ真っ直ぐな瞳で倉野はそう言い放った。
心の底から湧き上がる感情を生のまま言葉にした倉野。
その言葉は心から口に届くまでの間にイスベルグの横を通過している。
森羅万象が平伏すような言葉の重圧に思わずイスベルグは口角をあげた。
「・・・・・・王者の風格。いや、覇者の重圧か。よく育ったものだ」
倉野の言葉を聞いたオネットは満足したように微笑んでから口を開く。
「任せましたよ、クラノさん。私は少し休んでから避難します。私のことは置いて、為すべきことをしてください」
「はい、わかりました! イスベルグさん、厄災の復活場所はわかりますか?」
オネットに返事をした倉野はそのままイスベルグに問いかけながら『センター』に向かって走り始めた。
残されたオネットは倉野の言葉に引っかかり、繰り返す。
「イスベルグ・・・・・・イスベルグ・・・・・・氷山? まさか、ドラゴニアに伝わるおとぎ話の・・・・・・いや、まさかな」
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