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罪の行方
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「じゃあ、アルダリンさんを襲ってコアを奪ったのも、ネメシスの加勢に来た兵を出したのもマッティーノ商会・・・・・・エメロードってことですか?」
改めて倉野が問いかけるとノエルは再び頷く。
「ええ、そうよ。加勢に来た兵に関してはマッティーノ商会というよりエメロードが雇ったならず者ってところね。前にお嬢様に呪いがかけられていたときに犯罪者ギルドが絡んでいたじゃない? ヴェンデッタって奴ら。ほとんどのメンバーは捕らえたらしいんだけど、戦いに参加していなかったメンバーはどうしても追いかけきれなかったみたいなの。その残党が新たにならず者を集めてエメロードに雇われていたらしいわ。エメロードからすれば使い捨ての戦力が欲しくて、ヴェンデッタの残党たちは収入と後ろ盾が欲しい。そういう繋がりだったってわけ」
ノエルの説明を聞いた倉野は話を飲み込んだ上で浮かび上がる懸念点を言葉にした。
「なるほど、ヴェンデッタの残党は自分たちを率いていた者を失っていますから、どこかに雇われなければ生き残れなかったんでしょうね。それで、エメロードやヴェンデッタの残党はどうなっているんですか?」
「ああ、安心して、エメロードは既に捕らえられてるわ。マッティーノ商会の関係者は全員勾留中よ。もちろん全員が全員今回の事件と関係しているわけじゃないからずっと取調べをしているみたい。ヴェンデッタの残党についてもエスエ帝国が兵を出して追いかけているわ。国外に出るルートも潰しているから捕まるのも時間の問題ね」
ノエルからの答えを聞いた倉野は胸を撫で下ろす。
「それじゃあ、エスエ帝国の被害についても把握、対処されていて、エメロードやヴェンデッタについてももう心配することはないんですね」
「ええ、事後処理に関しては迅速に行われているみたいね。事後処理は」
そう答えるノエルの言葉にはどこかトゲのようなものを感じた。ヴェンデッタの残党についてもマッティーノ商会の不穏な動きについてもエスエ帝国が事前に動くべきではなかったのか、もっと迅速な動きができていれば被害は抑えれたのではないかという気持ちが拭えないのだろう。
ここまで順番に話したいというノエルの意見を尊重していたが、再び倉野は自分の聞きたいことを口にした。
「あの、それでジルトールやネメシスの団員たちは・・・・・・」
倉野の問いかけを聞いたノエルはもう先延ばしにできないな、という表情を浮かべ深く息を吐き出す。
少し間を開けてこう答えた。
「はぁ・・・・・・どうしたってその話はしなきゃならないわよね。いい? 落ち着いて聞きなさい。クラノには受け入れがたいかもしれないけど、ジルトールたちの命は救えないの。エスエ帝国の立場を考えると公開処刑にするしかないのよ」
いつになく真剣な声色で話すノエル。それを聞いていたリオネとレイチェルも暗い表情を浮かべていた。
そうか、と倉野は察する。
ノエルたちは誰かが死ぬことを極端に嫌う自分を気遣ってくれていたのだと気づいた。
だが、ジルトールたちを見逃すわけにはいかないと倉野にもわかっている。たとえどんな過去があったとしても罪は罪、罰は罰だ。
「そうですか。すみません、気を遣わせてしまいましたね。大丈夫ですよ、分かっています。僕が嫌なのは無闇に命を奪うこと・・・・・・罪を犯した者がその国の法に則って処罰されることは受け入れてます」
倉野がそう答えるとノエルたち三人は安心したような表情を浮かべる。
ノエルがこの話を最後にしようとしたのはこれが理由だったのだろう。もしも倉野が取り乱してしまったら他の話ができない。落ち着いた状態で聞くための気遣いだった。
改めて倉野が問いかけるとノエルは再び頷く。
「ええ、そうよ。加勢に来た兵に関してはマッティーノ商会というよりエメロードが雇ったならず者ってところね。前にお嬢様に呪いがかけられていたときに犯罪者ギルドが絡んでいたじゃない? ヴェンデッタって奴ら。ほとんどのメンバーは捕らえたらしいんだけど、戦いに参加していなかったメンバーはどうしても追いかけきれなかったみたいなの。その残党が新たにならず者を集めてエメロードに雇われていたらしいわ。エメロードからすれば使い捨ての戦力が欲しくて、ヴェンデッタの残党たちは収入と後ろ盾が欲しい。そういう繋がりだったってわけ」
ノエルの説明を聞いた倉野は話を飲み込んだ上で浮かび上がる懸念点を言葉にした。
「なるほど、ヴェンデッタの残党は自分たちを率いていた者を失っていますから、どこかに雇われなければ生き残れなかったんでしょうね。それで、エメロードやヴェンデッタの残党はどうなっているんですか?」
「ああ、安心して、エメロードは既に捕らえられてるわ。マッティーノ商会の関係者は全員勾留中よ。もちろん全員が全員今回の事件と関係しているわけじゃないからずっと取調べをしているみたい。ヴェンデッタの残党についてもエスエ帝国が兵を出して追いかけているわ。国外に出るルートも潰しているから捕まるのも時間の問題ね」
ノエルからの答えを聞いた倉野は胸を撫で下ろす。
「それじゃあ、エスエ帝国の被害についても把握、対処されていて、エメロードやヴェンデッタについてももう心配することはないんですね」
「ええ、事後処理に関しては迅速に行われているみたいね。事後処理は」
そう答えるノエルの言葉にはどこかトゲのようなものを感じた。ヴェンデッタの残党についてもマッティーノ商会の不穏な動きについてもエスエ帝国が事前に動くべきではなかったのか、もっと迅速な動きができていれば被害は抑えれたのではないかという気持ちが拭えないのだろう。
ここまで順番に話したいというノエルの意見を尊重していたが、再び倉野は自分の聞きたいことを口にした。
「あの、それでジルトールやネメシスの団員たちは・・・・・・」
倉野の問いかけを聞いたノエルはもう先延ばしにできないな、という表情を浮かべ深く息を吐き出す。
少し間を開けてこう答えた。
「はぁ・・・・・・どうしたってその話はしなきゃならないわよね。いい? 落ち着いて聞きなさい。クラノには受け入れがたいかもしれないけど、ジルトールたちの命は救えないの。エスエ帝国の立場を考えると公開処刑にするしかないのよ」
いつになく真剣な声色で話すノエル。それを聞いていたリオネとレイチェルも暗い表情を浮かべていた。
そうか、と倉野は察する。
ノエルたちは誰かが死ぬことを極端に嫌う自分を気遣ってくれていたのだと気づいた。
だが、ジルトールたちを見逃すわけにはいかないと倉野にもわかっている。たとえどんな過去があったとしても罪は罪、罰は罰だ。
「そうですか。すみません、気を遣わせてしまいましたね。大丈夫ですよ、分かっています。僕が嫌なのは無闇に命を奪うこと・・・・・・罪を犯した者がその国の法に則って処罰されることは受け入れてます」
倉野がそう答えるとノエルたち三人は安心したような表情を浮かべる。
ノエルがこの話を最後にしようとしたのはこれが理由だったのだろう。もしも倉野が取り乱してしまったら他の話ができない。落ち着いた状態で聞くための気遣いだった。
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