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連載
血煙の獅子と雷帝の娘
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レオポルトの出現によってネメシス側が倉野たちを無視できない存在として認識したのは間違い無いだろう。
だが、未だブレッドへの対抗策が見つかっていない以上、根本的な解決には至っていない。例え、エイターをはじめとするネメシスの戦力が全滅したとしてもブレッドがいれば単騎で帝都を破壊しつくすだろう。
それをわかっていながらもノエルとレオポルトはエイターたちと戦うのだ。倉野ならばブレッドを止めると信じて。
「まだ戦えるか、ノエル・マスタング」
「ええ、問題ないわ。百倍にして返してやるわよ」
「ふっ、恐ろしいことだな。血煙の獅子と雷帝の娘が組めば、どうなるのか見せつけてやろうぞ」
レオポルトとノエルはお互いに鼓舞するように話し、ネメシス団員たちを目で追いかける。
指示を出すエイターを追い抜くように向かってくるネメシス団員たち。その数二十七人。しかし、信頼できる相棒得た二人を止められるわけもなかった。
血煙の獅子は息を大きく吸い込み、一気に吐き出すと共に地面を殴りつける。
「はぁあああああ!」
すると鈍い音と共にその場の大地が大きく抉れ、衝撃波が前方に打ち出された。
「ぐっ!」
全速力でレオポルトの方に走っていたネメシス団員たちは真正面から衝撃波を受け後退させられる。
舞い上がる土煙とネメシス団員たち。その隙を見逃さずレオポルトは一番近くに居たネメシス団員を殴りつけた。
「ぐはぁっ!」
殴られたネメシス団員は苦痛の声と共に吐血する。その血が土煙と混じり合い、文字通り血煙を作り出した。
そして血煙の中に浮かび上がる百獣の王、血煙の獅子。そんなレオポルトの美しいとさえ思える破壊力に見惚れていたノエルは一瞬で我に返り、一歩踏み出す。
「遅れを取るわけにはいかないわ! ライトニング・ギア!」
そう唱えたノエルは全身に青白い電撃を纏い、ネメシス団員たちを斬り捨てていった。ノエルの戦い方を見ながら感心するように微笑むレオポルト。
「ほう、自分の戦い方というものを見つけ始めたようだな。ワシが参戦するまでもなかったか?」
言いながらレオポルトも次から次へとネメシス団員を殴り飛ばす。ノエルも剣を振りながらその姿を見逃さない。
「何言ってるの、獅子の威を借りてるだけよ。それに私が斬りたいのはアイツ。この程度の奴らどれだけ斬っても気は晴れないわ」
会話しながらネメシス団員たちを倒していくレオポルトとノエル。気付くとそこには負傷者の山が出来上がっていた。
自分の仲間が雑草でも刈るように倒されていく姿を見ていたエイターは顔を痙攣らせる。
「な・・・・・・なんだ、これは・・・・・・どうなっている。我々の崇高な理想が獣人と女なんかに」
そう呟くエイター。その言葉を言い終えた時には既に全てのネメシス団員が倒れ苦痛の声を上げながら地面を這っていた。
そしてエイターの前に立つレオポルトとノエル。その四つの瞳が捉えているのは予定外だと訴えかけるエイターの表情だった。
「あとはアンタだけよ、二番手さん」
言いながらノエルは剣の先をエイターに向ける。その言葉に続くようにレオポルトも口を開いた。
「獣人だ女だと言っている貴様には見えぬ景色がある。崇高な理想とやらのために全てを捨てる覚悟を上回っただけだ。全てを守りたいと思っている男の意地が、そしてその男を死なせたく無いと思うワシらの想いがな」
だが、未だブレッドへの対抗策が見つかっていない以上、根本的な解決には至っていない。例え、エイターをはじめとするネメシスの戦力が全滅したとしてもブレッドがいれば単騎で帝都を破壊しつくすだろう。
それをわかっていながらもノエルとレオポルトはエイターたちと戦うのだ。倉野ならばブレッドを止めると信じて。
「まだ戦えるか、ノエル・マスタング」
「ええ、問題ないわ。百倍にして返してやるわよ」
「ふっ、恐ろしいことだな。血煙の獅子と雷帝の娘が組めば、どうなるのか見せつけてやろうぞ」
レオポルトとノエルはお互いに鼓舞するように話し、ネメシス団員たちを目で追いかける。
指示を出すエイターを追い抜くように向かってくるネメシス団員たち。その数二十七人。しかし、信頼できる相棒得た二人を止められるわけもなかった。
血煙の獅子は息を大きく吸い込み、一気に吐き出すと共に地面を殴りつける。
「はぁあああああ!」
すると鈍い音と共にその場の大地が大きく抉れ、衝撃波が前方に打ち出された。
「ぐっ!」
全速力でレオポルトの方に走っていたネメシス団員たちは真正面から衝撃波を受け後退させられる。
舞い上がる土煙とネメシス団員たち。その隙を見逃さずレオポルトは一番近くに居たネメシス団員を殴りつけた。
「ぐはぁっ!」
殴られたネメシス団員は苦痛の声と共に吐血する。その血が土煙と混じり合い、文字通り血煙を作り出した。
そして血煙の中に浮かび上がる百獣の王、血煙の獅子。そんなレオポルトの美しいとさえ思える破壊力に見惚れていたノエルは一瞬で我に返り、一歩踏み出す。
「遅れを取るわけにはいかないわ! ライトニング・ギア!」
そう唱えたノエルは全身に青白い電撃を纏い、ネメシス団員たちを斬り捨てていった。ノエルの戦い方を見ながら感心するように微笑むレオポルト。
「ほう、自分の戦い方というものを見つけ始めたようだな。ワシが参戦するまでもなかったか?」
言いながらレオポルトも次から次へとネメシス団員を殴り飛ばす。ノエルも剣を振りながらその姿を見逃さない。
「何言ってるの、獅子の威を借りてるだけよ。それに私が斬りたいのはアイツ。この程度の奴らどれだけ斬っても気は晴れないわ」
会話しながらネメシス団員たちを倒していくレオポルトとノエル。気付くとそこには負傷者の山が出来上がっていた。
自分の仲間が雑草でも刈るように倒されていく姿を見ていたエイターは顔を痙攣らせる。
「な・・・・・・なんだ、これは・・・・・・どうなっている。我々の崇高な理想が獣人と女なんかに」
そう呟くエイター。その言葉を言い終えた時には既に全てのネメシス団員が倒れ苦痛の声を上げながら地面を這っていた。
そしてエイターの前に立つレオポルトとノエル。その四つの瞳が捉えているのは予定外だと訴えかけるエイターの表情だった。
「あとはアンタだけよ、二番手さん」
言いながらノエルは剣の先をエイターに向ける。その言葉に続くようにレオポルトも口を開いた。
「獣人だ女だと言っている貴様には見えぬ景色がある。崇高な理想とやらのために全てを捨てる覚悟を上回っただけだ。全てを守りたいと思っている男の意地が、そしてその男を死なせたく無いと思うワシらの想いがな」
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