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精神的な強さと停船
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レオポルトへの反応を聞いた倉野は改めてその存在の凄さを知った。エスエ帝国という大国への国交を全て任されている特命全権大使、レオポルト・バッセル。何度か苦難を共にしたことで身近に感じていたが本来ならば遠い存在である。
そんなレオポルトと繋がりを持っている倉野に疑問を持ったノエルが問いかけた。
「どうしてクラノがそんなレオポルト・バッセルと?」
「ちょっとした騒動で知り合い、ちょっとした事件で共闘したと言いますか」
「いっつも何かに巻き込まれているわね、クラノ」
「ははは、そう言えばそうですね」
軽く笑って返す倉野にノエルが呆れたように言い返す。
「よく笑ってられるわね。精神的にも肉体的にも苦難に強すぎるわよ」
「肉体的には分かりませんが精神的に強いのは前職が関係しているのかも知れませんね」
そう、倉野の前職・・・・・・というよりもこちらの世界に来るまではクレーム対応の仕事をしていた。ストレスに強いのはそのおかげとも言えるだろう。
倉野の言葉を聞いたノエルは不思議そうに首を傾げた。
「どんな仕事をしてればそれほど強くなれるのよ。凄まじいわね」
そんな話をしていると倉野の部屋の扉を誰かが叩き、コンコンと音が響く。
それと同時に外から声が聞こえた。
「クラノさん、そろそろ目覚められましたかな」
どうやらアルダリンが訪ねてきたようである。声に反応した倉野はすぐに返答した。
「あ、はい。どうぞ、入ってください」
「ほっほっほ、どれではお邪魔しますよ。おや、既にリオネさんやノエルさんも居られたのですか。スミナさんまで」
部屋に入ってきたアルダリンは言いながら軽く頭を下げる。
突然訪ねてきたアルダリン。何か用事があるのではないか、と考え倉野が問いかけた。
「どうしたんですかアルダリンさん。何かあったんですか?」
「いえ、クラノさんが目覚められた頃かと思いましてね。そろそろエスエ帝国が見えて来るので甲板に出てはどうかとお誘いに来たのですよ」
アルダリンは言いながら外を指さす。
確かにこれまで倉野は船酔いと事件解決に、ノエルとリオネは事件捜査に追われ豪華客船を楽しむ余裕などなかった。せめて最後に海風と近づいてくるエスエ帝国までの景色を楽しもう、とアルダリンの提案に乗ることにする。
「そうですね、外に出ましょうか。せっかくの豪華客船なのに部屋にいたんじゃ楽しめませんからね」
倉野の返答と同時に全員が頷き、リオネ、ノエル、スミナ・ディフォルも一緒に甲板へと向かった。
甲板に出ると雲ひとつない晴天が広がり、爽やかな風が肌を撫で、壮大な海の景色が目の前に広がる。その先、水平線にうっすらと何かが見えた。エスエ帝国の端、港町オーリオである。
先ほどまで話をしていたレオポルトと出会った場所だ。
そう考えると懐かしく感じてくる倉野。困難を乗り越えたリオネ、ノエルや苦しみから解放されたスミナ・ディフォルの表情も空のように晴々としている。
心置きなくグランマリア号はオーリオへと近づき、やがて岸壁が見えてきた。
グランマリア号が停船するのは一番岸壁である。
船は岸壁直前である程度の揺れを伴い停止し、ゆっくりと岸に近づいた。船の固定が終わると岸壁への橋がかかり乗客がゾロゾロと降りていく。
「さぁ、僕たちも降りましょうか」
停船まで見届けた倉野は全員にそう語りかけた。
そんなレオポルトと繋がりを持っている倉野に疑問を持ったノエルが問いかけた。
「どうしてクラノがそんなレオポルト・バッセルと?」
「ちょっとした騒動で知り合い、ちょっとした事件で共闘したと言いますか」
「いっつも何かに巻き込まれているわね、クラノ」
「ははは、そう言えばそうですね」
軽く笑って返す倉野にノエルが呆れたように言い返す。
「よく笑ってられるわね。精神的にも肉体的にも苦難に強すぎるわよ」
「肉体的には分かりませんが精神的に強いのは前職が関係しているのかも知れませんね」
そう、倉野の前職・・・・・・というよりもこちらの世界に来るまではクレーム対応の仕事をしていた。ストレスに強いのはそのおかげとも言えるだろう。
倉野の言葉を聞いたノエルは不思議そうに首を傾げた。
「どんな仕事をしてればそれほど強くなれるのよ。凄まじいわね」
そんな話をしていると倉野の部屋の扉を誰かが叩き、コンコンと音が響く。
それと同時に外から声が聞こえた。
「クラノさん、そろそろ目覚められましたかな」
どうやらアルダリンが訪ねてきたようである。声に反応した倉野はすぐに返答した。
「あ、はい。どうぞ、入ってください」
「ほっほっほ、どれではお邪魔しますよ。おや、既にリオネさんやノエルさんも居られたのですか。スミナさんまで」
部屋に入ってきたアルダリンは言いながら軽く頭を下げる。
突然訪ねてきたアルダリン。何か用事があるのではないか、と考え倉野が問いかけた。
「どうしたんですかアルダリンさん。何かあったんですか?」
「いえ、クラノさんが目覚められた頃かと思いましてね。そろそろエスエ帝国が見えて来るので甲板に出てはどうかとお誘いに来たのですよ」
アルダリンは言いながら外を指さす。
確かにこれまで倉野は船酔いと事件解決に、ノエルとリオネは事件捜査に追われ豪華客船を楽しむ余裕などなかった。せめて最後に海風と近づいてくるエスエ帝国までの景色を楽しもう、とアルダリンの提案に乗ることにする。
「そうですね、外に出ましょうか。せっかくの豪華客船なのに部屋にいたんじゃ楽しめませんからね」
倉野の返答と同時に全員が頷き、リオネ、ノエル、スミナ・ディフォルも一緒に甲板へと向かった。
甲板に出ると雲ひとつない晴天が広がり、爽やかな風が肌を撫で、壮大な海の景色が目の前に広がる。その先、水平線にうっすらと何かが見えた。エスエ帝国の端、港町オーリオである。
先ほどまで話をしていたレオポルトと出会った場所だ。
そう考えると懐かしく感じてくる倉野。困難を乗り越えたリオネ、ノエルや苦しみから解放されたスミナ・ディフォルの表情も空のように晴々としている。
心置きなくグランマリア号はオーリオへと近づき、やがて岸壁が見えてきた。
グランマリア号が停船するのは一番岸壁である。
船は岸壁直前である程度の揺れを伴い停止し、ゆっくりと岸に近づいた。船の固定が終わると岸壁への橋がかかり乗客がゾロゾロと降りていく。
「さぁ、僕たちも降りましょうか」
停船まで見届けた倉野は全員にそう語りかけた。
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