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連載
七人の名前
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そんな倉野の言葉を聞いたセブンスは小さく笑いながら言い返す。
「たっく、俺は掴み所のない秘密多き色男として有名なんだがな。そんなことされちまったら、プライバシーもあったもんじゃねぇよ。まぁ、だが俺としても船の中で起きている事件を放っておくことはできない。お嬢さん方が部屋を出て行った直後にクラノが訪ねてきたのさ。そして俺にこう言った。全てを解決するために協力して欲しいってな」
「セブンスさんならリオネさんたちに合流したとしてもスミナさんが怪しむことはありませんからね。そして僕はセブンスさんに事件の全貌を打ち明けました。二月前の事件の犯人がオースティンであること、リオネさんたちには指輪の制約があること」
「最初は信じなかったぜ。だが、クラノは自分のスキルを証明するために俺が付き合っている七人の女の名前を全て言い当てたのさ。そこまで言い当てられたら信じるしかねぇだろ。そして俺は全てを知った上でクラノと一緒にオースティンを追い詰める計画を立てた」
そこまでセブンスが話すと何かを納得したようにリオネが頷き、口を開いた。
「だから急に協力を名乗り出てくれたんですね。それにどこか不思議だなと思っていました。まるで全てを知っているかのような雰囲気と計画だったので」
「かのように、じゃなかったってだけさ。クラノと立てた計画は全員が知っている通り。麻薬の取引についての噂と死んだはずのディートが生きているという噂を流し、この場所で待つというものだ。そしてこの計画には倉野が再び別行動するというものが組み込まれていた」
そう言いながらセブンスは倉野に目配せをする。すると倉野は頷き、セブンスの言葉の続きを話し始めた。
「セブンスさんにこちらの計画を任せた僕はもう一つの事件・・・・・・スミナさんの方を解決しようと動き始めたんです。と言っても直接話すというものですが」
そこから倉野は昼頃、セブンスと別れてからの行動を説明する。
ギャンブルルームの奥でセブンスと話し、協力し事件を解決することを約束した倉野はそのままスミナ・ディフォルの部屋に向かった。
もちろん、いきなりあなたが犯人ですと言っても通じるわけがない。しかし倉野はスミナ・ディフォルを納得させる武器を持っていた。
その武器を懐に仕舞い込み、倉野はスミナ・ディフォルの部屋の前に立ち、扉を叩く。
何度かノックするとノエルたちが訪ねた時と同じように機嫌の悪い状態でスミナ・ディフォルが扉を開けた。
「誰? 何のようなの?」
今思えば、この時スミナ・ディフォルは指輪に付与した魔法でリオネたちの話を聞いており、神経を集中させている。気が立っているのはそれが原因だ。
そんなスミナ・ディフォルに倉野は優しく話しかける。
「落ち着いて話を聞いてください。僕は全てを解決するためにここに来ました。スミナさん、貴女の苦しみを終わらせましょう」
「たっく、俺は掴み所のない秘密多き色男として有名なんだがな。そんなことされちまったら、プライバシーもあったもんじゃねぇよ。まぁ、だが俺としても船の中で起きている事件を放っておくことはできない。お嬢さん方が部屋を出て行った直後にクラノが訪ねてきたのさ。そして俺にこう言った。全てを解決するために協力して欲しいってな」
「セブンスさんならリオネさんたちに合流したとしてもスミナさんが怪しむことはありませんからね。そして僕はセブンスさんに事件の全貌を打ち明けました。二月前の事件の犯人がオースティンであること、リオネさんたちには指輪の制約があること」
「最初は信じなかったぜ。だが、クラノは自分のスキルを証明するために俺が付き合っている七人の女の名前を全て言い当てたのさ。そこまで言い当てられたら信じるしかねぇだろ。そして俺は全てを知った上でクラノと一緒にオースティンを追い詰める計画を立てた」
そこまでセブンスが話すと何かを納得したようにリオネが頷き、口を開いた。
「だから急に協力を名乗り出てくれたんですね。それにどこか不思議だなと思っていました。まるで全てを知っているかのような雰囲気と計画だったので」
「かのように、じゃなかったってだけさ。クラノと立てた計画は全員が知っている通り。麻薬の取引についての噂と死んだはずのディートが生きているという噂を流し、この場所で待つというものだ。そしてこの計画には倉野が再び別行動するというものが組み込まれていた」
そう言いながらセブンスは倉野に目配せをする。すると倉野は頷き、セブンスの言葉の続きを話し始めた。
「セブンスさんにこちらの計画を任せた僕はもう一つの事件・・・・・・スミナさんの方を解決しようと動き始めたんです。と言っても直接話すというものですが」
そこから倉野は昼頃、セブンスと別れてからの行動を説明する。
ギャンブルルームの奥でセブンスと話し、協力し事件を解決することを約束した倉野はそのままスミナ・ディフォルの部屋に向かった。
もちろん、いきなりあなたが犯人ですと言っても通じるわけがない。しかし倉野はスミナ・ディフォルを納得させる武器を持っていた。
その武器を懐に仕舞い込み、倉野はスミナ・ディフォルの部屋の前に立ち、扉を叩く。
何度かノックするとノエルたちが訪ねた時と同じように機嫌の悪い状態でスミナ・ディフォルが扉を開けた。
「誰? 何のようなの?」
今思えば、この時スミナ・ディフォルは指輪に付与した魔法でリオネたちの話を聞いており、神経を集中させている。気が立っているのはそれが原因だ。
そんなスミナ・ディフォルに倉野は優しく話しかける。
「落ち着いて話を聞いてください。僕は全てを解決するためにここに来ました。スミナさん、貴女の苦しみを終わらせましょう」
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