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連載
快諾するルベルト・トールギス
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ネイサンの部屋を出て向かったのは、そこから一番近いルベルト・トールギスの部屋だ。
彼はつい数日までノエルや倉野と行動を共にしていたレインと同じくオランディ国軍に所属している。近衛騎士団長という肩書も同じだ。
ルベルトの部屋をノエルがノックすると即座に返事がある。
「はい、何でしょうか?」
返答しながらルベルトが扉を開けた。
すると、ノエルが名乗る前にルベルトが何かに気づいたように言葉を漏らす。
「あれ、貴女は・・・・・・」
「え?」
「確か、ノエルさんですね?」
突然ルベルトに名前を当てられたノエルは驚きながら聞き返した。
「どうして知っているの?」
「ははは、そりゃ知っていますとも。我が国を救ってくださった英雄の一人ですからね。クラノさんとノエルさん、国軍に所属していてその名前を知らない者はおりません。貴女方が王城を去る際に盛大な見送りをしろとの指示がありましたので顔は見ていますし、去られた後にある程度の地位の者には事件の概要や貴女方の名前も知らされましたからね。もし、クラノさんやノエルさんの名前を聞いたときには全ての任務を放棄してでも協力するように、と」
ノエルの名前や顔を知っていたことについてルベルトが説明する。
なるほど、と納得するノエルの背後でリオネとアルダリンは何の話をしているのかと困惑していた。
だが、背後の困惑に気づいていないノエルは話を進める。
「そう、だったら話が早いわね。協力してくれる?」
「えっと、何のことかはわかりませんが、全身全霊この命を賭して協力させていただきますよ」
ルベルトは状況が掴めないながらもそう答えた。
その返答を聞いたノエルは遠慮という言葉を持たずに口を開く。
「とにかく、部屋の中で話を聞いてもらえないかしら」
「ええ、もちろんです。どうぞ」
そう言ってルベルトはノエルを含む三人を部屋に招き入れた。
部屋に入るとルベルトはリオネとアルダリンに視線を送り問いかける。
「あの、そちらの方々は?」
「私はリオネです。クラノさんの知り合いと言った方が伝わりやすいでしょうか」
リオネが名乗るとルベルトは納得したように頷いた。
「おお、そういう繋がりだったのですね」
続いてアルダリンも流れに乗るように名乗る。
「私はアルダリン・ノーベンバーと申します。ノーベンバー商会の代表をしておりますぞ」
「あのノーベンバー商会の・・・・・・これは失礼しました」
ルベルトがアルダリンにそう答えていると待ちきれないという様子でノエルが話を切り出した。
「自己紹介はもういいかしら。ルベルトさんに聞きたいことがあるの」
「聞きたいこと・・・・・・ですか?」
「ええ、ルベルトさんって二月前もグランマリア号に乗船しているわよね」
「はい。二月前も今回もエスエ帝国との国交と言いますか、軍事面での協力体勢について会談をするために乗船しています」
慎重に言葉を選びながら答えるルベルト。そんなルベルトにノエルは首を横に振ってこう話す。
「そんなことはどうでもいいのよ。何のために乗船したとかは関係ないの。聞きたいのは二月前にグランマリア号で起きた事件について」
彼はつい数日までノエルや倉野と行動を共にしていたレインと同じくオランディ国軍に所属している。近衛騎士団長という肩書も同じだ。
ルベルトの部屋をノエルがノックすると即座に返事がある。
「はい、何でしょうか?」
返答しながらルベルトが扉を開けた。
すると、ノエルが名乗る前にルベルトが何かに気づいたように言葉を漏らす。
「あれ、貴女は・・・・・・」
「え?」
「確か、ノエルさんですね?」
突然ルベルトに名前を当てられたノエルは驚きながら聞き返した。
「どうして知っているの?」
「ははは、そりゃ知っていますとも。我が国を救ってくださった英雄の一人ですからね。クラノさんとノエルさん、国軍に所属していてその名前を知らない者はおりません。貴女方が王城を去る際に盛大な見送りをしろとの指示がありましたので顔は見ていますし、去られた後にある程度の地位の者には事件の概要や貴女方の名前も知らされましたからね。もし、クラノさんやノエルさんの名前を聞いたときには全ての任務を放棄してでも協力するように、と」
ノエルの名前や顔を知っていたことについてルベルトが説明する。
なるほど、と納得するノエルの背後でリオネとアルダリンは何の話をしているのかと困惑していた。
だが、背後の困惑に気づいていないノエルは話を進める。
「そう、だったら話が早いわね。協力してくれる?」
「えっと、何のことかはわかりませんが、全身全霊この命を賭して協力させていただきますよ」
ルベルトは状況が掴めないながらもそう答えた。
その返答を聞いたノエルは遠慮という言葉を持たずに口を開く。
「とにかく、部屋の中で話を聞いてもらえないかしら」
「ええ、もちろんです。どうぞ」
そう言ってルベルトはノエルを含む三人を部屋に招き入れた。
部屋に入るとルベルトはリオネとアルダリンに視線を送り問いかける。
「あの、そちらの方々は?」
「私はリオネです。クラノさんの知り合いと言った方が伝わりやすいでしょうか」
リオネが名乗るとルベルトは納得したように頷いた。
「おお、そういう繋がりだったのですね」
続いてアルダリンも流れに乗るように名乗る。
「私はアルダリン・ノーベンバーと申します。ノーベンバー商会の代表をしておりますぞ」
「あのノーベンバー商会の・・・・・・これは失礼しました」
ルベルトがアルダリンにそう答えていると待ちきれないという様子でノエルが話を切り出した。
「自己紹介はもういいかしら。ルベルトさんに聞きたいことがあるの」
「聞きたいこと・・・・・・ですか?」
「ええ、ルベルトさんって二月前もグランマリア号に乗船しているわよね」
「はい。二月前も今回もエスエ帝国との国交と言いますか、軍事面での協力体勢について会談をするために乗船しています」
慎重に言葉を選びながら答えるルベルト。そんなルベルトにノエルは首を横に振ってこう話す。
「そんなことはどうでもいいのよ。何のために乗船したとかは関係ないの。聞きたいのは二月前にグランマリア号で起きた事件について」
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