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リストと推測
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「その通りですぞ。現時点で仕入れだったかどうかの判断はできないということですな。もし、ディートが死んだ部屋が密室でなければ、金目のものを奪うために殺害したという推測もできるのですが」
紙に書いた密室という文字をなぞりながらアルダリンが言うとノエルが胸を持ち上げるように腕を組み、考え始めた。
「そもそも、密室ってところで自殺と断定されているのよね。密室じゃなければ、大金に変わる何かを奪うために誰かが殺害したって線が濃厚だわ。そもそも、指輪を用意して私たちに押し付けた犯人もそう考えているはずよね。ディートが自殺するわけない、誰かに殺されたって」
「そうかもしれませんな。いや、ある程度ディートが自殺などするはずがないと確信を持っているが故に犯人は指輪を用意したのでしょう。となると、ディートの背後関係を探る必要がありますな。状況的に考えれば犯人はディートの復讐をしたい者・・・・・・近親者や友人というところでしょうか」
ノエルの話を聞いたアルダリンが推測するとリオネが頷く。
「はい。ともかく、密室が本当だったのかどうかを調べなければいけませんね。あとは、二月前に乗船していた中でディートさんと関わりがあった人がいるかどうか」
「そのためにこれを用意いたしましたぞ」
そう言いながらアルダリンは机の紙の中から二枚を手に取った。
その紙にはずらっと名前が並んでいる。アルダリンが持つ紙の文字を目で追いかけながらノエルが口を開いた。
「これは・・・・・・乗客リスト?」
「ほっほっほ、そうです。本来ならば乗客リストは船にとって最大の秘匿情報。しかしノーベンバー商会の持つ全ての権利を行使し手に入れました。二月前ディートが死んだ時のリストと今回のリストです。まだ、照らし合わせることはできていませんが、これを見れば共通している名前が浮かび上がるでしょう。その中にディートと関わりのある者がいるかもしれません」
「なるほど、じゃあ今から三人でリストを照らし合わせていくってことね?」
ノエルが問いかけるとアルダリンは口髭を撫でながら首を横に振る。
「いいえ、リストの照合については私が請負いましょう。ですのでお二人はディートが自殺したと言われている部屋を調査してきて欲しいのです」
「手分けするってことか。確かに時間が惜しいしね」
そう話すノエル。しかし、リオネが申し訳なさそうに口を開いた。
「確かにその方が効率的だとは思いますが、アルダリンさんは大丈夫なんですか? 昨夜から休んでいないんですよね」
「ほっほっほ、問題ありませんよ。商人にとってこれくらいの作業など朝飯前です。それに、休んで体を労わったとしても、時間が来れば爆発に巻き込まれ死んでしまえば意味がありません。ですので、お二人にはなんとしても全ての真相を暴いていただきたい」
自分の身を削り、全ての人脈、権力を使う覚悟を口にするアルダリン。
彼の覚悟を肌で感じたノエルとリオネは強く頷いた。
全てを暴き、全てを救う。そのために一歩一歩全速力で進むしかないのだ。
そしてアルダリンは小さなメモをリオネに手渡す。
「そこに書いてある部屋がディートが自殺していたという部屋です。よろしくお願いしますぞ」
メモを受け取ったリオネはノエルと共に立ち上がりアルダリンの覚悟に応えた。
「これが自殺じゃないのなら何か証拠があるはずです。必ず見つけてきますから」
「ええ、さっさと解決して豪華客船を堪能させてもらうわ」
紙に書いた密室という文字をなぞりながらアルダリンが言うとノエルが胸を持ち上げるように腕を組み、考え始めた。
「そもそも、密室ってところで自殺と断定されているのよね。密室じゃなければ、大金に変わる何かを奪うために誰かが殺害したって線が濃厚だわ。そもそも、指輪を用意して私たちに押し付けた犯人もそう考えているはずよね。ディートが自殺するわけない、誰かに殺されたって」
「そうかもしれませんな。いや、ある程度ディートが自殺などするはずがないと確信を持っているが故に犯人は指輪を用意したのでしょう。となると、ディートの背後関係を探る必要がありますな。状況的に考えれば犯人はディートの復讐をしたい者・・・・・・近親者や友人というところでしょうか」
ノエルの話を聞いたアルダリンが推測するとリオネが頷く。
「はい。ともかく、密室が本当だったのかどうかを調べなければいけませんね。あとは、二月前に乗船していた中でディートさんと関わりがあった人がいるかどうか」
「そのためにこれを用意いたしましたぞ」
そう言いながらアルダリンは机の紙の中から二枚を手に取った。
その紙にはずらっと名前が並んでいる。アルダリンが持つ紙の文字を目で追いかけながらノエルが口を開いた。
「これは・・・・・・乗客リスト?」
「ほっほっほ、そうです。本来ならば乗客リストは船にとって最大の秘匿情報。しかしノーベンバー商会の持つ全ての権利を行使し手に入れました。二月前ディートが死んだ時のリストと今回のリストです。まだ、照らし合わせることはできていませんが、これを見れば共通している名前が浮かび上がるでしょう。その中にディートと関わりのある者がいるかもしれません」
「なるほど、じゃあ今から三人でリストを照らし合わせていくってことね?」
ノエルが問いかけるとアルダリンは口髭を撫でながら首を横に振る。
「いいえ、リストの照合については私が請負いましょう。ですのでお二人はディートが自殺したと言われている部屋を調査してきて欲しいのです」
「手分けするってことか。確かに時間が惜しいしね」
そう話すノエル。しかし、リオネが申し訳なさそうに口を開いた。
「確かにその方が効率的だとは思いますが、アルダリンさんは大丈夫なんですか? 昨夜から休んでいないんですよね」
「ほっほっほ、問題ありませんよ。商人にとってこれくらいの作業など朝飯前です。それに、休んで体を労わったとしても、時間が来れば爆発に巻き込まれ死んでしまえば意味がありません。ですので、お二人にはなんとしても全ての真相を暴いていただきたい」
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全てを暴き、全てを救う。そのために一歩一歩全速力で進むしかないのだ。
そしてアルダリンは小さなメモをリオネに手渡す。
「そこに書いてある部屋がディートが自殺していたという部屋です。よろしくお願いしますぞ」
メモを受け取ったリオネはノエルと共に立ち上がりアルダリンの覚悟に応えた。
「これが自殺じゃないのなら何か証拠があるはずです。必ず見つけてきますから」
「ええ、さっさと解決して豪華客船を堪能させてもらうわ」
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