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二月前の自殺。ディート・グルーニーの死について基本的な内容を聞いたノエルたち三人は何からするべきかについて話し始めた。
「とにかく、このグランマリア号の中で起きた自殺なんだとしたらその死んでいた部屋を見てみたいわね」
ノエルがそう話すとアルダリンが任せてくれと言わんばかりに頷く。
「そうですな。どこの部屋だったかまでは知らないので私が調べておきましょう」
「ありがとう、アルダリンさん。助かるわ」
アルダリンの言葉にノエルが礼を言うとそれまで何かを思案していたリオネが口を開いた。
「あの、グランマリア号の乗客リストなどを手に入れられないでしょうか。二月前の乗客リストと今回のリストを見比べればどちらにも載っている人がいるかもしれません。その中に亡くなったディートさんのお知り合いがいる可能性も」
「そうね、あるかもしれないわ。アルダリンさん、リストは手に入れられる?」
リオネの言葉に続きノエルが問いかける。するとアルダリンは少し考えてから頷いた。
「ふむ、船の関係者に話してみましょう」
「ありがとうございます。それとディートさんが船に乗る前の状況も知っておきたいですね。どういう状況だったのか、今は情報が足りませんから」
付け足すようにリオネはそう話す。
目の前に遺体があるわけでもない自殺の真相を暴くには少しでも多くの情報が必要だ。そして真相にたどり着けなければ自分の命はもちろんグランマリア号に乗っている全ての者が死ぬことになる。
文字通り木っ端微塵で海の藻屑だ。
情報は海に沈まないための救命胴衣である。だが、救命胴衣だけでは生き残ることはできない。泳ぎ続けることで陸まで辿り着いてようやく助かるのだ。情報をもとに捜査し思考を続けることで真相という陸地に辿り着くことができる。
「確かに今は知らないことの方が多すぎますな。船に乗る前と船内でのディートの行動。当日の乗客と今回の乗客。ディートが死んでいた部屋の状況。まず、そこを知らなければ真相に近づくことはできません。それについては私が調べてきましょう」
アルダリンがそう言うとノエルとリオネは頭を下げた。
「お願いするわね」
「お願いします」
二人の言葉を聞いたアルダリンは椅子から立ち上がり口を開いた。
「ほっほっほ、お任せください。ですが調べるのにはある程度の時間を必要としますな。その間、お二人は休んでいてください」
「そうは言ってもこんな爆弾を抱えたままじゃ寝れないわよ」
言いながらノエルは左手の指輪を眺める。今起きている問題を爆弾と例えているのではない。文字通りこの指輪は爆発魔法を秘めた爆弾なのだ。
そんなノエルにアルダリンはこう言い放つ。
「確かに時間制限があり時間は惜しい。ですが、体力も惜しいのではないですかな。疲弊した状態では思考力も低下します。真相に近づくためにも今は休んでいただきたい」
「とにかく、このグランマリア号の中で起きた自殺なんだとしたらその死んでいた部屋を見てみたいわね」
ノエルがそう話すとアルダリンが任せてくれと言わんばかりに頷く。
「そうですな。どこの部屋だったかまでは知らないので私が調べておきましょう」
「ありがとう、アルダリンさん。助かるわ」
アルダリンの言葉にノエルが礼を言うとそれまで何かを思案していたリオネが口を開いた。
「あの、グランマリア号の乗客リストなどを手に入れられないでしょうか。二月前の乗客リストと今回のリストを見比べればどちらにも載っている人がいるかもしれません。その中に亡くなったディートさんのお知り合いがいる可能性も」
「そうね、あるかもしれないわ。アルダリンさん、リストは手に入れられる?」
リオネの言葉に続きノエルが問いかける。するとアルダリンは少し考えてから頷いた。
「ふむ、船の関係者に話してみましょう」
「ありがとうございます。それとディートさんが船に乗る前の状況も知っておきたいですね。どういう状況だったのか、今は情報が足りませんから」
付け足すようにリオネはそう話す。
目の前に遺体があるわけでもない自殺の真相を暴くには少しでも多くの情報が必要だ。そして真相にたどり着けなければ自分の命はもちろんグランマリア号に乗っている全ての者が死ぬことになる。
文字通り木っ端微塵で海の藻屑だ。
情報は海に沈まないための救命胴衣である。だが、救命胴衣だけでは生き残ることはできない。泳ぎ続けることで陸まで辿り着いてようやく助かるのだ。情報をもとに捜査し思考を続けることで真相という陸地に辿り着くことができる。
「確かに今は知らないことの方が多すぎますな。船に乗る前と船内でのディートの行動。当日の乗客と今回の乗客。ディートが死んでいた部屋の状況。まず、そこを知らなければ真相に近づくことはできません。それについては私が調べてきましょう」
アルダリンがそう言うとノエルとリオネは頭を下げた。
「お願いするわね」
「お願いします」
二人の言葉を聞いたアルダリンは椅子から立ち上がり口を開いた。
「ほっほっほ、お任せください。ですが調べるのにはある程度の時間を必要としますな。その間、お二人は休んでいてください」
「そうは言ってもこんな爆弾を抱えたままじゃ寝れないわよ」
言いながらノエルは左手の指輪を眺める。今起きている問題を爆弾と例えているのではない。文字通りこの指輪は爆発魔法を秘めた爆弾なのだ。
そんなノエルにアルダリンはこう言い放つ。
「確かに時間制限があり時間は惜しい。ですが、体力も惜しいのではないですかな。疲弊した状態では思考力も低下します。真相に近づくためにも今は休んでいただきたい」
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