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決戦は話し合い
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何かあれば差し違えるほどの覚悟で話し合いを決意したブレイズ。
そんなブレイズを連れてエヴァンシル王は王城へと戻る。
王は倉野とレイン、ノエル、アスタロトに同行するように伝え、リヴィエールには別の指示を出した。
「リヴィエール、国軍全員に持ち場に戻るよう伝えろ。その後、速やかに彼女を連れてこい」
「かしこまりました」
王の指示を受けたリヴィエールは多く語らずに頷き、行動に出る。
そのまま王は一同を連れて王城に入り、入り口に近い部屋に入った。倉野たちを話していた部屋である。
全員が席に着くとブレイズが警戒しながら口を開いた。
「それで、エヴァンシル王。何を話すというのです。いや、話し合いも今となっては対等ではないでしょう。悪魔を従えているのですから」
エヴァンシル王側の意図を知らないブレイズからすればそう感じるのだろう。
しかし、先ほどまでの興奮状態であれば不利だとわかっていても攻め込んできたはずだ。倉野とアスタロトが作り出した時間がブレイズにそう思わせたのである。
ブレイズの言葉を聞いた王は首を横に振る。
「それは違う、武力のために悪魔アスタロトがいるわけではないのだ。誓って脅すためには利用しない。それにな、悪魔を従えているのは私ではないのだ」
「どういうことですか。王でないのなら一体誰が? そこの騎士が従えていると?」
そう言ってレインを指差すブレイズ。しかし、レインは首を横に振った。
「いいえ、私ではありません。悪魔を従えているのはこちらのクラノという男です」
レインは言いながら倉野を指す。それを聞いたブレイズは驚きながら問いかけた。
「彼が・・・・・・そもそも何者なのですか。見たところこの国の者ではないようですが」
「はい、僕はこの国の人間ではありません」
倉野がそう答えるとブレイズは立ち上がり、エヴァンシル王に詰め寄る。
「エヴァンシル王、一大事ではないですか! 我が国の人間ではない男が悪魔を従えている。つまり、望めばこの国の全てを武力で支配できるということです。まさか、既に王はこの男に屈しているのでは」
「口を慎めブレイズ!」
大声でブレイズの言葉をかき消すエヴァンシル王。
その声に驚いたブレイズは言葉を止めて椅子に座り直した。
「良いか、ブレイズよ。私を疑うことは許そう。だが、クラノ殿を疑うことは許さん。クラノ殿はその命を賭けて悪魔と対峙したのだ。己の欲望のためではない・・・・・・我が国のため、いや貴殿の妹メディーナのためだ」
王がそう伝えるとブレイズはかつてないほど驚いた表情で倉野に視線を送る。
ここでブレイズ得た情報は二つ。自分が何のために武力を行使してまで王位継承権を得ようとしているかは知られているということ。そしてその目的を本当に叶えようとしてくれていること。
一つでも驚くのだが二つ重なったことでブレイズは言葉を失っていた。
そんなブレイズを連れてエヴァンシル王は王城へと戻る。
王は倉野とレイン、ノエル、アスタロトに同行するように伝え、リヴィエールには別の指示を出した。
「リヴィエール、国軍全員に持ち場に戻るよう伝えろ。その後、速やかに彼女を連れてこい」
「かしこまりました」
王の指示を受けたリヴィエールは多く語らずに頷き、行動に出る。
そのまま王は一同を連れて王城に入り、入り口に近い部屋に入った。倉野たちを話していた部屋である。
全員が席に着くとブレイズが警戒しながら口を開いた。
「それで、エヴァンシル王。何を話すというのです。いや、話し合いも今となっては対等ではないでしょう。悪魔を従えているのですから」
エヴァンシル王側の意図を知らないブレイズからすればそう感じるのだろう。
しかし、先ほどまでの興奮状態であれば不利だとわかっていても攻め込んできたはずだ。倉野とアスタロトが作り出した時間がブレイズにそう思わせたのである。
ブレイズの言葉を聞いた王は首を横に振る。
「それは違う、武力のために悪魔アスタロトがいるわけではないのだ。誓って脅すためには利用しない。それにな、悪魔を従えているのは私ではないのだ」
「どういうことですか。王でないのなら一体誰が? そこの騎士が従えていると?」
そう言ってレインを指差すブレイズ。しかし、レインは首を横に振った。
「いいえ、私ではありません。悪魔を従えているのはこちらのクラノという男です」
レインは言いながら倉野を指す。それを聞いたブレイズは驚きながら問いかけた。
「彼が・・・・・・そもそも何者なのですか。見たところこの国の者ではないようですが」
「はい、僕はこの国の人間ではありません」
倉野がそう答えるとブレイズは立ち上がり、エヴァンシル王に詰め寄る。
「エヴァンシル王、一大事ではないですか! 我が国の人間ではない男が悪魔を従えている。つまり、望めばこの国の全てを武力で支配できるということです。まさか、既に王はこの男に屈しているのでは」
「口を慎めブレイズ!」
大声でブレイズの言葉をかき消すエヴァンシル王。
その声に驚いたブレイズは言葉を止めて椅子に座り直した。
「良いか、ブレイズよ。私を疑うことは許そう。だが、クラノ殿を疑うことは許さん。クラノ殿はその命を賭けて悪魔と対峙したのだ。己の欲望のためではない・・・・・・我が国のため、いや貴殿の妹メディーナのためだ」
王がそう伝えるとブレイズはかつてないほど驚いた表情で倉野に視線を送る。
ここでブレイズ得た情報は二つ。自分が何のために武力を行使してまで王位継承権を得ようとしているかは知られているということ。そしてその目的を本当に叶えようとしてくれていること。
一つでも驚くのだが二つ重なったことでブレイズは言葉を失っていた。
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