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たかが人間たかが悪魔
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その男がアスタロトという名の悪魔であるとすぐにわかる。姿形だけではない、その存在感や気配が禍々しい悪魔というイメージに合っていた。
アスタロトの伝説には吐く息が草木を枯らし大地を腐らせ人を死に至らしめるとある。それを知っているエヴァンシル王、リヴィエール、ノエルは自分の鼻と口を塞いだ。
そんな様子を見たアスタロトは馬鹿にするように笑いながら言葉を放つ。
「ああ、死を恐れ怯える表情・・・・・・非常に興奮させてくれる。千年ぶりに絶頂しそうだ。おや、女がいるな。死か服従か選ばせてやろう。だが、男は殺す・・・・・・男は何も生まないからな」
言いながらアスタロトは舐めるようにノエルの体を見回した。
不快な視線を受けたノエルはアスタロトを睨みつける。
しかし、そんな睨みが効くわけもなくアスタロトはノエルに歩み寄った。
「気が強い女は嫌いではない・・・・・・だが・・・・・・」
そう言いながらアスタロトは自分の顔をノエルの頬に寄せる。
そしてそのまま舌を伸ばし、ノエルの頬を舐め上げた。
「くっ・・・・・・」
不快感で顔を歪ませるノエル。アスタロトはそんなノエルにはっきりとした口調でこう伝えた。
「たかが人間だ、餌に過ぎないことを忘れるな。俺の欲望を満たせなくなれば、女であろうと殺す」
その様子を体の内側から見ていた倉野は思わず、声を上げる。
「ノエルさん! くそっ、やめろ!」
倉野の声を聞いたイスベルグはため息をついた。
「はぁ・・・・・・落ち着けクラノ」
「イスベルグさん、こんなの見て落ち着いてられませんよ」
「私に任せると言っただろう。まぁ、見ていろ」
そう告げるとイスベルグはアスタロトに歩み寄る。
自分に近づいていた気配を感じアスタロトは振り返り右手を向けた。
「何だ、人間文句でも・・・・・・」
そこまで言ったアスタロトは急に震え始める。
まるでバイブレーション機能でも搭載されたかのように震え、カタカタと歯を鳴らした。
そんなアスタロトに笑みを浮かべたイスベルグが話しかける。
「ようやく気付いたか、アスタロトとやら。復活したばかりで感覚が鈍っていたのか?」
「な、ななななな、何でこ、こんな、こんなところに」
明らかに怯えているアスタロト。声は裏返り、抑揚は無茶苦茶だ。
先ほどまで獅子や虎ほどの迫力を放っていたアスタロトが生まれたての子猫のように小さく見える。
震えるアスタロトにイスベルグが言葉を続けた。
「お前如きに質問の権利が与えられていると思っているのか、思い上がりだな。たかが悪魔だ、私の機嫌を損ねれば消し去るぞ」
「あ、あ、あああ」
「発言を許してはいないぞ、悪魔アスタロト」
そう言いながらイスベルグはアスタロトの伸びた右腕を掴む。その瞬間にアスタロトの腕は凍りつき、そのまま崩れ落ちた。
右腕を失ったアスタロトは一瞬表情を歪め声を上げようとするが、イスベルグの視線を感じ黙る。
アスタロトの伝説には吐く息が草木を枯らし大地を腐らせ人を死に至らしめるとある。それを知っているエヴァンシル王、リヴィエール、ノエルは自分の鼻と口を塞いだ。
そんな様子を見たアスタロトは馬鹿にするように笑いながら言葉を放つ。
「ああ、死を恐れ怯える表情・・・・・・非常に興奮させてくれる。千年ぶりに絶頂しそうだ。おや、女がいるな。死か服従か選ばせてやろう。だが、男は殺す・・・・・・男は何も生まないからな」
言いながらアスタロトは舐めるようにノエルの体を見回した。
不快な視線を受けたノエルはアスタロトを睨みつける。
しかし、そんな睨みが効くわけもなくアスタロトはノエルに歩み寄った。
「気が強い女は嫌いではない・・・・・・だが・・・・・・」
そう言いながらアスタロトは自分の顔をノエルの頬に寄せる。
そしてそのまま舌を伸ばし、ノエルの頬を舐め上げた。
「くっ・・・・・・」
不快感で顔を歪ませるノエル。アスタロトはそんなノエルにはっきりとした口調でこう伝えた。
「たかが人間だ、餌に過ぎないことを忘れるな。俺の欲望を満たせなくなれば、女であろうと殺す」
その様子を体の内側から見ていた倉野は思わず、声を上げる。
「ノエルさん! くそっ、やめろ!」
倉野の声を聞いたイスベルグはため息をついた。
「はぁ・・・・・・落ち着けクラノ」
「イスベルグさん、こんなの見て落ち着いてられませんよ」
「私に任せると言っただろう。まぁ、見ていろ」
そう告げるとイスベルグはアスタロトに歩み寄る。
自分に近づいていた気配を感じアスタロトは振り返り右手を向けた。
「何だ、人間文句でも・・・・・・」
そこまで言ったアスタロトは急に震え始める。
まるでバイブレーション機能でも搭載されたかのように震え、カタカタと歯を鳴らした。
そんなアスタロトに笑みを浮かべたイスベルグが話しかける。
「ようやく気付いたか、アスタロトとやら。復活したばかりで感覚が鈍っていたのか?」
「な、ななななな、何でこ、こんな、こんなところに」
明らかに怯えているアスタロト。声は裏返り、抑揚は無茶苦茶だ。
先ほどまで獅子や虎ほどの迫力を放っていたアスタロトが生まれたての子猫のように小さく見える。
震えるアスタロトにイスベルグが言葉を続けた。
「お前如きに質問の権利が与えられていると思っているのか、思い上がりだな。たかが悪魔だ、私の機嫌を損ねれば消し去るぞ」
「あ、あ、あああ」
「発言を許してはいないぞ、悪魔アスタロト」
そう言いながらイスベルグはアスタロトの伸びた右腕を掴む。その瞬間にアスタロトの腕は凍りつき、そのまま崩れ落ちた。
右腕を失ったアスタロトは一瞬表情を歪め声を上げようとするが、イスベルグの視線を感じ黙る。
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