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連載
クレアシオン〜天地創造〜
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隠し通路を発見した倉野たちはそのまま魔法で照らし歩みを進めた。
何かあるかわからないため警戒しながら慎重に進むと、さらに地下へと進む階段が見える。
「再び地下へ進むようですね。警戒しながら進みましょう」
先頭を歩くリヴィエールはそう言いながら階段を降り始めた。
残りの者はその背後に続き、進んでいく。
進むにつれて重力が強くなっていくように体に負荷がかかるのを感じた。
クレアシオンという剣が放つ重圧なのか、その一部が封じられているアスタロトの魔力なのか。どちらにせよその強さがずっしりとのしかかってくる。
そんな重圧と緊張感、不安が入り混じる中階段を下っていくと小さな空間にたどり着いた。
2メートル四方ほどの空間。その奥にあるそれは異様なほどの存在感を放っている。
刀身の半分ほどが地中に埋まった大剣がすぐに目に入った。大剣には鎖が巻かれており一目で封印されているとわかる。
もしかすると、視線を誘われたのかもしれない。思わず眺めてしまうだけの魅力がその剣にはあった。
「これが・・・・・・クレアシオン」
気づけばそう呟いていた倉野。
派手な装飾が施されているわけではないのだが、大きな赤い石が刀身の下にある鍔の部分に埋め込まれていた。
どこに魅力を感じるのかはわからないが、目を離せなくなっている一同。
我に返ったようにリヴィエールが口を開いた。
「思わず見惚れてしまいましたね。これもクレアシオンが持つ魔力でしょうか」
「あ、ああ。何故かを言葉にはできないがこの剣がクレアシオンだと唐突に感じてしまったな。ただの剣ではない」
エヴァンシル王は言いながら剣を眺めている。
倉野も目の前の剣から尋常ならざる力を感じていた。まるでイスベルグと最初に会った時のようなプレッシャーである。
全員が我に返るとノエルがクレアシオンに近づきながら疑問を口にした。
「確かにすごい魔力を感じる剣ね。でも、どうやって封印を解くの?」
ノエルの疑問を聞いたリヴィエールとエヴァンシル王は一斉に倉野の顔を覗き込む。
二人の視線を感じた倉野はそうか、と頷きイスベルグに語りかけた。
「イスベルグさん、クレアシオンの所まで来たんですがどうすればいいですか?」
するとイスベルグはいつも通りのテンションで答える。
「そうか、封印されているんだったな。この封印解除には緻密な作業が必要になるな。また、解除した瞬間に自分の一部を求めて悪魔が現れるだろう。先んじて行動しておかなければならない」
「そうですね?」
「体を借りるぞ、クラノ」
「え?」
イスベルグはそう言って精神交換を発動した。その瞬間、倉野の意識は心の中に引っ張られるように体を離れ、入れ替わるようにイスベルグの意識が表面に現れる。
心の内側に意識が移動した倉野は思わずイスベルグに話しかけた。
「ちょ、いきなり発動しないでくださいよ。びっくりするじゃないですか」
「流れでわかるだろう。説明するのが面倒だったのだ」
「面倒って、一言で済むじゃないですか。もう・・・・・・仕方ないですけど、既に体はボロボロなんですから大切に扱ってくださいね」
倉野がそう主張するとイスベルグは面倒そうな表情を浮かべてため息をつく。
「わかったわかった。そもそも、大切に使っていたと思うがな」
「人間基準で!」
「やれやれ」
倉野との会話を終えるとイスベルグはそれを聞いていたリヴィエールやエヴァンシル王、ノエルの視線に気づいた。
何かあるかわからないため警戒しながら慎重に進むと、さらに地下へと進む階段が見える。
「再び地下へ進むようですね。警戒しながら進みましょう」
先頭を歩くリヴィエールはそう言いながら階段を降り始めた。
残りの者はその背後に続き、進んでいく。
進むにつれて重力が強くなっていくように体に負荷がかかるのを感じた。
クレアシオンという剣が放つ重圧なのか、その一部が封じられているアスタロトの魔力なのか。どちらにせよその強さがずっしりとのしかかってくる。
そんな重圧と緊張感、不安が入り混じる中階段を下っていくと小さな空間にたどり着いた。
2メートル四方ほどの空間。その奥にあるそれは異様なほどの存在感を放っている。
刀身の半分ほどが地中に埋まった大剣がすぐに目に入った。大剣には鎖が巻かれており一目で封印されているとわかる。
もしかすると、視線を誘われたのかもしれない。思わず眺めてしまうだけの魅力がその剣にはあった。
「これが・・・・・・クレアシオン」
気づけばそう呟いていた倉野。
派手な装飾が施されているわけではないのだが、大きな赤い石が刀身の下にある鍔の部分に埋め込まれていた。
どこに魅力を感じるのかはわからないが、目を離せなくなっている一同。
我に返ったようにリヴィエールが口を開いた。
「思わず見惚れてしまいましたね。これもクレアシオンが持つ魔力でしょうか」
「あ、ああ。何故かを言葉にはできないがこの剣がクレアシオンだと唐突に感じてしまったな。ただの剣ではない」
エヴァンシル王は言いながら剣を眺めている。
倉野も目の前の剣から尋常ならざる力を感じていた。まるでイスベルグと最初に会った時のようなプレッシャーである。
全員が我に返るとノエルがクレアシオンに近づきながら疑問を口にした。
「確かにすごい魔力を感じる剣ね。でも、どうやって封印を解くの?」
ノエルの疑問を聞いたリヴィエールとエヴァンシル王は一斉に倉野の顔を覗き込む。
二人の視線を感じた倉野はそうか、と頷きイスベルグに語りかけた。
「イスベルグさん、クレアシオンの所まで来たんですがどうすればいいですか?」
するとイスベルグはいつも通りのテンションで答える。
「そうか、封印されているんだったな。この封印解除には緻密な作業が必要になるな。また、解除した瞬間に自分の一部を求めて悪魔が現れるだろう。先んじて行動しておかなければならない」
「そうですね?」
「体を借りるぞ、クラノ」
「え?」
イスベルグはそう言って精神交換を発動した。その瞬間、倉野の意識は心の中に引っ張られるように体を離れ、入れ替わるようにイスベルグの意識が表面に現れる。
心の内側に意識が移動した倉野は思わずイスベルグに話しかけた。
「ちょ、いきなり発動しないでくださいよ。びっくりするじゃないですか」
「流れでわかるだろう。説明するのが面倒だったのだ」
「面倒って、一言で済むじゃないですか。もう・・・・・・仕方ないですけど、既に体はボロボロなんですから大切に扱ってくださいね」
倉野がそう主張するとイスベルグは面倒そうな表情を浮かべてため息をつく。
「わかったわかった。そもそも、大切に使っていたと思うがな」
「人間基準で!」
「やれやれ」
倉野との会話を終えるとイスベルグはそれを聞いていたリヴィエールやエヴァンシル王、ノエルの視線に気づいた。
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