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王の決断
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エヴァンシル王に問いかけられた倉野は説明を始めた。
「メディーナの先天性の魔力腐敗を治すには魔力を入れ替えるしかありません。それを行うには体の中に高レベルの魔力と技術と知識を兼ね備えた生物を封じる必要があるのです」
「クラノ殿にとってのイスベルグ様のようにですか?」
説明を聞いたリヴィエールが倉野に問いかける。
的を射た問いかけに頷きながら倉野は説明を続けた。
「そうです。そうする事でその生物と魔力を入れ替えることが出来ます。ただし、イスベルグさんのような強大な存在をメディーナの中に封じると器となった側が壊れてしまいます」
「つまり、高レベルの魔力と技術、知識を兼ね備えた生物ながらも強大すぎない存在でなければならないということですか?」
再び問いかけるリヴィエール。
そこまで聞いたエヴァンシル王やレイン、ノエルはその話の終着点を想像し、不安を抱いていた。
話の始まりはアスタロトを復活させるというところから始まっている。つまり話の終着点はアスタロトをメディーナに封じるというところになるはずだ。
いや、そんなはずはないだろう、と三人は自分の考えを頭の中で否定している。
そもそもアスタロトは強大な存在のはずだ。
そんな不安の空気を感じながらも倉野はリヴィエールの問いかけに答える。
「はい、その通りです。種族で言えば低レベルのドラゴンや妖精、精霊もしくは悪魔」
「その部分をアスタロトにしようという話でしょうか。確かに妖精や精霊、悪魔は伝説上の生物。ドラゴンも簡単には見つけられないでしょう。そんな状況の中、近くに悪魔がいるとなれば利用しない手はないですな。しかし、アスタロトは強大な存在ではないのですか?」
「まぁ、そうだと思うんですが、イスベルグさんが復活させろ、信じろと言っているので」
倉野がそう答えるとノエルが驚愕し問いかけた。
「え、待って、そこはフワッとしてるの?」
当然の不安と疑問だろう。
ノエルの問いかけは倉野にも理解できた。だが、不安はない。
「大丈夫です。これまでもイスベルグさんの言葉を信じることで助かってきました」
倉野が自信満々で答えると、リヴィエールが言葉を挟んだ。
「なるほど、クラノ殿の言い分は理解しました。ですが、あまりにもリスクが高い・・・・・・そうですな。スキル説明で明らかにしてもらえませんか。イスベルグ様とアスタロト、どちらが強いのかを。何があっても国民を危険に晒すわけにはいかないのです。アスタロトを倒せるという確証が欲しい」
リヴィエールの言葉を聞いていたイスベルグが倉野の頭の中で不満を漏らす。
「信じろと言ってやれ」
そんな言葉に苦笑しながらも倉野はスキル説明を発動させた。
「スキル説明発動。対象は悪魔アスタロトとイスベルグさんどちらが強いか」
現れた画面が表示した文字はイスベルグの五文字である。
それを倉野が言葉にするとリヴィエールはエヴァンシル王の表情を伺った。
王はしばらく目を瞑り考えた後、力強い言葉を放つ。
「兵に伝達せよ。全員城内から退避したのち、国軍全体で王城を囲め。私たちは地下牢に向かう」
「メディーナの先天性の魔力腐敗を治すには魔力を入れ替えるしかありません。それを行うには体の中に高レベルの魔力と技術と知識を兼ね備えた生物を封じる必要があるのです」
「クラノ殿にとってのイスベルグ様のようにですか?」
説明を聞いたリヴィエールが倉野に問いかける。
的を射た問いかけに頷きながら倉野は説明を続けた。
「そうです。そうする事でその生物と魔力を入れ替えることが出来ます。ただし、イスベルグさんのような強大な存在をメディーナの中に封じると器となった側が壊れてしまいます」
「つまり、高レベルの魔力と技術、知識を兼ね備えた生物ながらも強大すぎない存在でなければならないということですか?」
再び問いかけるリヴィエール。
そこまで聞いたエヴァンシル王やレイン、ノエルはその話の終着点を想像し、不安を抱いていた。
話の始まりはアスタロトを復活させるというところから始まっている。つまり話の終着点はアスタロトをメディーナに封じるというところになるはずだ。
いや、そんなはずはないだろう、と三人は自分の考えを頭の中で否定している。
そもそもアスタロトは強大な存在のはずだ。
そんな不安の空気を感じながらも倉野はリヴィエールの問いかけに答える。
「はい、その通りです。種族で言えば低レベルのドラゴンや妖精、精霊もしくは悪魔」
「その部分をアスタロトにしようという話でしょうか。確かに妖精や精霊、悪魔は伝説上の生物。ドラゴンも簡単には見つけられないでしょう。そんな状況の中、近くに悪魔がいるとなれば利用しない手はないですな。しかし、アスタロトは強大な存在ではないのですか?」
「まぁ、そうだと思うんですが、イスベルグさんが復活させろ、信じろと言っているので」
倉野がそう答えるとノエルが驚愕し問いかけた。
「え、待って、そこはフワッとしてるの?」
当然の不安と疑問だろう。
ノエルの問いかけは倉野にも理解できた。だが、不安はない。
「大丈夫です。これまでもイスベルグさんの言葉を信じることで助かってきました」
倉野が自信満々で答えると、リヴィエールが言葉を挟んだ。
「なるほど、クラノ殿の言い分は理解しました。ですが、あまりにもリスクが高い・・・・・・そうですな。スキル説明で明らかにしてもらえませんか。イスベルグ様とアスタロト、どちらが強いのかを。何があっても国民を危険に晒すわけにはいかないのです。アスタロトを倒せるという確証が欲しい」
リヴィエールの言葉を聞いていたイスベルグが倉野の頭の中で不満を漏らす。
「信じろと言ってやれ」
そんな言葉に苦笑しながらも倉野はスキル説明を発動させた。
「スキル説明発動。対象は悪魔アスタロトとイスベルグさんどちらが強いか」
現れた画面が表示した文字はイスベルグの五文字である。
それを倉野が言葉にするとリヴィエールはエヴァンシル王の表情を伺った。
王はしばらく目を瞑り考えた後、力強い言葉を放つ。
「兵に伝達せよ。全員城内から退避したのち、国軍全体で王城を囲め。私たちは地下牢に向かう」
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