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信じて闇に踏み出す
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イスベルグの言葉を聞いた倉野は驚く。
アスタロトの復活を怯えてではない。それが期待していた言葉だったからだ。
この王位継承権争いを終わらせるにはブレイズを止めるしかない。そしてそれはメディーナを救うということと同義である。
メディーナを救えば、ブレイズは冷静になり無駄な争いをしようとはしないはずだ。
そしてメディーナを救う有力な手段として悪魔アスタロトを体内に取り込み魔力を入れ替えるというものがある。
そのためにはアスタロトを復活させ、従わせなければならない。
イスベルグが復活させようと言葉にしたという事はそこに勝機がある事を意味していた。
「従わせることができるんですね?」
倉野が問いかけると、イスベルグは多くを語らない。
ただ一言こう伝えた。
「私を信じるのではなかったのか」
それを聞いた倉野は頷き、エヴァンシル王の方を向き口を開く。
「王様、これからについて提案してもよろしいでしょうか」
「ああ、構わぬ。どうやら、希望を見つけてくれたようだな」
王はそう答えてから優しく微笑んだ。
それを聞いていたリヴィエールは待ちきれず倉野に問いかける。
「それで、どのような答えを出したのでしょうか。青のドラゴン、イスベルグ様は」
問いかけられた倉野は首を傾げた。
「あれ? イスベルグさんの話をしましたっけ?」
「先ほど、騎士レインから聞きました。世界各地に青のドラゴン伝説はありまして、そのどれもがイスベルグ様のものだそうです。そんなイスベルグ様が出された答え・・・・・・このリヴィエール恥ずかしながら興味を抑えきれません」
「そうだったんですね、イスベルグさんは世界各地で・・・・・・」
「ご安心ください。そのほとんどが悪しき者を打ち破るという伝説です。それで、イスベルグ様と出した答えというのは?」
改めて問いかけるリヴィエール。
一呼吸おいて倉野は答えた。
「アスタロトを復活させましょう」
それを聞いたレインは驚きのあまり体を揺らす。
「な、何を言っているんだい、クラノ。アスタロトの復活は絶対に避けなければならないだろう。相手は悪魔・・・・・・欲望の化身さ。復活したとなれば、伝説の通り再び世界は闇に包まれることになる」
レインがそれを気にするのは当然だった。
だが、同じくアスタロトの復活を避けたいはずのリヴィエールはレインの肩に手を置き、首を横に振る。
「やめなさい、騎士レイン。そのような大それた事を無策で口にする方ではないでしょう。クラノ殿もイスベルグ様も」
「ですが・・・・・・」
「まずは続きを聞きましょう。議論はそれからです」
そう言ってからリヴィエールはエヴァンシル王の意見を伺うように顔を向けた。
リヴィエールの視線を感じた王は小さく頷きそれに答える。
「そうだな、続きを聞かせてもらえるかクラノ殿」
アスタロトの復活を怯えてではない。それが期待していた言葉だったからだ。
この王位継承権争いを終わらせるにはブレイズを止めるしかない。そしてそれはメディーナを救うということと同義である。
メディーナを救えば、ブレイズは冷静になり無駄な争いをしようとはしないはずだ。
そしてメディーナを救う有力な手段として悪魔アスタロトを体内に取り込み魔力を入れ替えるというものがある。
そのためにはアスタロトを復活させ、従わせなければならない。
イスベルグが復活させようと言葉にしたという事はそこに勝機がある事を意味していた。
「従わせることができるんですね?」
倉野が問いかけると、イスベルグは多くを語らない。
ただ一言こう伝えた。
「私を信じるのではなかったのか」
それを聞いた倉野は頷き、エヴァンシル王の方を向き口を開く。
「王様、これからについて提案してもよろしいでしょうか」
「ああ、構わぬ。どうやら、希望を見つけてくれたようだな」
王はそう答えてから優しく微笑んだ。
それを聞いていたリヴィエールは待ちきれず倉野に問いかける。
「それで、どのような答えを出したのでしょうか。青のドラゴン、イスベルグ様は」
問いかけられた倉野は首を傾げた。
「あれ? イスベルグさんの話をしましたっけ?」
「先ほど、騎士レインから聞きました。世界各地に青のドラゴン伝説はありまして、そのどれもがイスベルグ様のものだそうです。そんなイスベルグ様が出された答え・・・・・・このリヴィエール恥ずかしながら興味を抑えきれません」
「そうだったんですね、イスベルグさんは世界各地で・・・・・・」
「ご安心ください。そのほとんどが悪しき者を打ち破るという伝説です。それで、イスベルグ様と出した答えというのは?」
改めて問いかけるリヴィエール。
一呼吸おいて倉野は答えた。
「アスタロトを復活させましょう」
それを聞いたレインは驚きのあまり体を揺らす。
「な、何を言っているんだい、クラノ。アスタロトの復活は絶対に避けなければならないだろう。相手は悪魔・・・・・・欲望の化身さ。復活したとなれば、伝説の通り再び世界は闇に包まれることになる」
レインがそれを気にするのは当然だった。
だが、同じくアスタロトの復活を避けたいはずのリヴィエールはレインの肩に手を置き、首を横に振る。
「やめなさい、騎士レイン。そのような大それた事を無策で口にする方ではないでしょう。クラノ殿もイスベルグ様も」
「ですが・・・・・・」
「まずは続きを聞きましょう。議論はそれからです」
そう言ってからリヴィエールはエヴァンシル王の意見を伺うように顔を向けた。
リヴィエールの視線を感じた王は小さく頷きそれに答える。
「そうだな、続きを聞かせてもらえるかクラノ殿」
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