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黒に隠れた赤
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倉野の脳天を撃ち抜くようにその言葉は放たれた。
リヴィエールの言葉を聞いた倉野とレインはまるで時が止まったかのように停止する。
それに気づいたリヴィエールは優しく首を横に振った。
「ああ、勘違いしないでください。騎士レインから聞いたわけではありません。スキル説明を所持しているゼロという者の話を聞いたことがありまして、全ての情報をまとめるとクラノ殿がスキル説明を所持している可能性が高いのではないかと・・・・・・それにそのスキルを知ったからといってクラノ殿を我が国に引き込もうという意思はありません。オランディは軍事国家ではありませんから」
リヴィエールがそう話すとその隣でエヴァンシル王が頷く。
「その通りだ。クラノ殿の意思に背くようなことを頼むことはない。安心してくれ。王として約束しよう・・・・・・これはオランディの総意だと思ってくれていい」
王の言葉を聞いた倉野はレインに視線を送った。その視線に気づいたレインは小さく頷く。
それはエヴァンシル王とリヴィエールの言葉を信頼してもいいという合図だった。
信頼しているレインが信頼している王と国軍大将。その二人を信頼して話してもいい、と倉野は判断した。
「・・・・・・はい、確かに僕はスキル説明を持っています。すみません、悪意があって隠していたわけでは」
「分かっておりますよ。そのスキルを気軽に明かさないのは賢明でしょう。状況によってはどんな武器よりもどんな魔法よりも脅威になりますから。ですが、これで全てを信じ話を聞くことができます。続きをお願いしてもよろしいですか?」
謝罪する倉野にそう話すリヴィエール。それを聞いた倉野は頷きながら説明を続けた。
「はい、フォルテが裏切った理由についてですね。違和感を感じた僕はスキル説明でフォルテの背後を確認しました。そして、そこに出てきた名前が」
「ブレイズ・ルージュというわけか」
倉野の言葉を先読みしたエヴァンシル王がその名を口にする。
肯定するように頷いた倉野はそのまま話を続けた。
「ブレイズの目的は王位継承権を手に入れることでした。元々フォルテはルージュ家に忠誠を誓っていたようです。ルージュ家はノワール家の影に隠れ、その目的を隠していたのでしょう。レインさんがノワール家を恨んでいるという情報を手に入れたルージュ家はその行動を把握し、全ての罪をノワール家にかぶせようとした。そして他の王子を殺害してでも王位継承権を手に入れなければならない理由がブレイズにはあった・・・・・・」
「なぜ、俺の情報をルージュ家が?」
説明を聞いたレインは疑問を口にする。
しかし、言葉にした瞬間にレイン自ら答えに気づいた。
「そうか・・・・・・ニンジャかい?」
「ええ、そうです。ルージュ家もまたノワール家のようにニンジャを抱えていたようです。ニンジャによって情報を手に入れたルージュ家は全てを利用して王位継承権を奪おうとした。つまり僕たちが戦うべきはノワール家だけではなかった・・・・・・だからこそ、予期せぬ出来事が何度も起きてしまったのです」
そう言いながら倉野は拳を強く握る。
その拳の中には救えなかったことへの悲しみが隠されていた。
リヴィエールの言葉を聞いた倉野とレインはまるで時が止まったかのように停止する。
それに気づいたリヴィエールは優しく首を横に振った。
「ああ、勘違いしないでください。騎士レインから聞いたわけではありません。スキル説明を所持しているゼロという者の話を聞いたことがありまして、全ての情報をまとめるとクラノ殿がスキル説明を所持している可能性が高いのではないかと・・・・・・それにそのスキルを知ったからといってクラノ殿を我が国に引き込もうという意思はありません。オランディは軍事国家ではありませんから」
リヴィエールがそう話すとその隣でエヴァンシル王が頷く。
「その通りだ。クラノ殿の意思に背くようなことを頼むことはない。安心してくれ。王として約束しよう・・・・・・これはオランディの総意だと思ってくれていい」
王の言葉を聞いた倉野はレインに視線を送った。その視線に気づいたレインは小さく頷く。
それはエヴァンシル王とリヴィエールの言葉を信頼してもいいという合図だった。
信頼しているレインが信頼している王と国軍大将。その二人を信頼して話してもいい、と倉野は判断した。
「・・・・・・はい、確かに僕はスキル説明を持っています。すみません、悪意があって隠していたわけでは」
「分かっておりますよ。そのスキルを気軽に明かさないのは賢明でしょう。状況によってはどんな武器よりもどんな魔法よりも脅威になりますから。ですが、これで全てを信じ話を聞くことができます。続きをお願いしてもよろしいですか?」
謝罪する倉野にそう話すリヴィエール。それを聞いた倉野は頷きながら説明を続けた。
「はい、フォルテが裏切った理由についてですね。違和感を感じた僕はスキル説明でフォルテの背後を確認しました。そして、そこに出てきた名前が」
「ブレイズ・ルージュというわけか」
倉野の言葉を先読みしたエヴァンシル王がその名を口にする。
肯定するように頷いた倉野はそのまま話を続けた。
「ブレイズの目的は王位継承権を手に入れることでした。元々フォルテはルージュ家に忠誠を誓っていたようです。ルージュ家はノワール家の影に隠れ、その目的を隠していたのでしょう。レインさんがノワール家を恨んでいるという情報を手に入れたルージュ家はその行動を把握し、全ての罪をノワール家にかぶせようとした。そして他の王子を殺害してでも王位継承権を手に入れなければならない理由がブレイズにはあった・・・・・・」
「なぜ、俺の情報をルージュ家が?」
説明を聞いたレインは疑問を口にする。
しかし、言葉にした瞬間にレイン自ら答えに気づいた。
「そうか・・・・・・ニンジャかい?」
「ええ、そうです。ルージュ家もまたノワール家のようにニンジャを抱えていたようです。ニンジャによって情報を手に入れたルージュ家は全てを利用して王位継承権を奪おうとした。つまり僕たちが戦うべきはノワール家だけではなかった・・・・・・だからこそ、予期せぬ出来事が何度も起きてしまったのです」
そう言いながら倉野は拳を強く握る。
その拳の中には救えなかったことへの悲しみが隠されていた。
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