異世界で俺だけレベルが上がらない! だけど努力したら最強になれるらしいです?

澤檸檬

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転移魔法の条件

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 だが、ノエルは首を傾げていた。

「魔法を借りたら魔力酔いしてしまうのよね。じゃあ、転移魔法は借りれるの?」

 そうノエルに問いかけられた倉野も首を傾げる。

「どうなんでしょう。ネージュ島では巨大な魔石があって、魔法式を書き込んでもらっただけですから。魔法式を発動したのもレインさんですし」
「なるほどな。あの時の魔石はクラノがイスベルグの力を借りて書き込んだものだったのか。ならば今回も魔石があれば・・・・・・」

 そう言いながらレインは自分の顎を撫でるように触れた。
 今の話が可能かどうかを確認するために倉野はイスベルグに語りかける。

「イスベルグさん、聞こえますか」

 倉野がそう言葉に出すとレインとノエルが目を見開いた。

「そ、そうやって話しかけるのかい?」
「今、ドラゴンと話してるのね」

 驚かれながらも倉野は再びイスベルグを呼ぶ。

「イスベルグさん、起きていますか?」
「うるさい。眠っている」

 頭の中にイスベルグの声が響いた。

「いや、起きてるじゃないですか」
「あと少し寝かせてくれ。ちょっとだから」
「冬の学生の寝起きじゃないですか」

 イスベルグに対してそう言い返す倉野をレインとノエルは不思議そうに眺めている。
 そんな視線を感じながら倉野はイスベルグとの会話を続けた。

「ガクセイ?」

 そう聞き返してくるイスベルグ。
 しかし倉野は気にせずに言葉を続ける。

「そんなことよりも聞きたいことがあるんですが」
「私の扱いが雑になっていないか。それで何が聞きたい」
「今、どうしても転移魔法が必要なのですが、発動することは可能ですか?」

 倉野の問いかけに対して少し考えてから答えたイスベルグ。

「・・・・・・まぁ、発動自体は可能だ。しかし、お前がそのまま発動したのでは魔力酔いになって倒れてしまうぞ」

 想定通りの答えに倉野は頷いた。
 その後、すぐにもう一つの可能性を問いかける。

「じゃあ、ネージュ島でしてもらったように魔石に書き込んでもらうことはできますか?」
「ああ、それならば可能だが、転移魔法は複雑な魔法式が必要になるぞ」
「えっと、それはどういう・・・・・・」
「魔法式が複雑だということは、それだけ巨大な魔石が必要になる。そんな魔石を用意でいるのか?」

 イスベルグにそう言われた倉野はレインに語りかけた。

「巨大な魔石が必要だって言ってます」
「そりゃそうだね。転移魔法は複雑と言われている。だが、巨大な魔石か・・・・・・」

 答えながらレインは表情を曇らせる。
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