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また明日
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それに対してシラムが説明を挟む。
「本来、ぶどう酒とは黒い皮に包まれた果実を使うのですが、同じような種類で白い果実を使うとこのように薄い黄金色のような酒に仕上がるのです。さらに皮や種を取り除いてから使用することで雑味のない爽やかな味になっておりますな」
説明を聞くとレインは改めてグラスの中の液体を眺めた。
「なるほど、随分と手間がかかっているようだね。これもまた努力に対する一つの結果か」
そう話すレインに対してグランダーは伯爵が問いかける。
「ところで、レイン殿は今後の予定を決めているのかな」
「はい。オランディに帰ろうと思っています」
一瞬、表情を曇らせてから答えるレイン。
そんなレインに伯爵は小さく頷いた。
「そうか。オランディも大変だと聞いている。私にできる事があればなんでも言ってくれ。君もレイチェルの恩人なのだからな」
「そのお言葉だけありがたく受け取らせていただきます」
レインはそう言いながら頭を下げる。
倉野は前菜を口に運びながら、その様子を眺めていた。
前菜のサラダは酸味と甘味が複雑に絡み合い、食欲を駆り立てる。
ノエルもサラダを食べながらフォークをレインに向けた。
「オランディって平和な国ってイメージがあるんだけど、何かあったの?」
素直に思ったことを言葉にするのもノエルの良さなのだろう。
ノエルにそう問いかけらたレインは持っていたフォークを皿に置いてから苦笑した。
「ああ、まぁどこの国でもある話さ。戦争なんかには無縁なオランディでも、権力争いは起きる」
レインがそう言うとノエルは一瞬で理解する。
「なるほどね」
二人の話を聞いていてもわからなかった倉野が不思議そうにしているとレインが説明を付け足した。
「王が体調を崩していてね。誰が跡を継ぐか、という話さ」
それを聞いた倉野は驚く。
「え、そんな状況だったのにここに残って、一緒に戦ってくれたんですか?」
「関係ないさ。返すべき恩を返しただけだ」
「レインさん・・・・・・」
「そんな顔をするなよクラノ。せっかく伯爵が用意してくれた祝いの席だ。楽しもうじゃないか」
そう言ってからレインは再びフォークを手に取った。
その後、スープ、魚料理、口直し、肉料理、デザートが順番に並べられ会話をしながら食していく一同。
倉野のこれまでの旅の話やノエルがこなしてきた依頼の話、飛行船落下から無人島脱出までの話をしながら宴は進んだ。
手の込んだ料理の数々と楽しい話で一連の疲労が溶けていくように感じる倉野。
だが、一つだけ疑問が心に残った。
「そろそろお開きにしようか」
食事を終えた後、伯爵のその一言で解散することになり倉野は屋敷の客室に案内される。
レイン、ノエルも他の客室に案内されていた。
倉野を案内したのはレイチェルとシラム。レイチェルは名残惜しそうに倉野ゆっくりと部屋の扉を閉める。
「おやすみなさい」
そう言い残すレイチェルに倉野は微笑んで答えた。
「おやすみなさい。また明日」
また明日という言葉が嬉しかったのかレイチェルは笑顔で頷き、部屋を出る。
一人になった倉野はツクネをベッドの枕元に寝かせ、深呼吸をした。
心に残っている疑問に向き合う。
「本来、ぶどう酒とは黒い皮に包まれた果実を使うのですが、同じような種類で白い果実を使うとこのように薄い黄金色のような酒に仕上がるのです。さらに皮や種を取り除いてから使用することで雑味のない爽やかな味になっておりますな」
説明を聞くとレインは改めてグラスの中の液体を眺めた。
「なるほど、随分と手間がかかっているようだね。これもまた努力に対する一つの結果か」
そう話すレインに対してグランダーは伯爵が問いかける。
「ところで、レイン殿は今後の予定を決めているのかな」
「はい。オランディに帰ろうと思っています」
一瞬、表情を曇らせてから答えるレイン。
そんなレインに伯爵は小さく頷いた。
「そうか。オランディも大変だと聞いている。私にできる事があればなんでも言ってくれ。君もレイチェルの恩人なのだからな」
「そのお言葉だけありがたく受け取らせていただきます」
レインはそう言いながら頭を下げる。
倉野は前菜を口に運びながら、その様子を眺めていた。
前菜のサラダは酸味と甘味が複雑に絡み合い、食欲を駆り立てる。
ノエルもサラダを食べながらフォークをレインに向けた。
「オランディって平和な国ってイメージがあるんだけど、何かあったの?」
素直に思ったことを言葉にするのもノエルの良さなのだろう。
ノエルにそう問いかけらたレインは持っていたフォークを皿に置いてから苦笑した。
「ああ、まぁどこの国でもある話さ。戦争なんかには無縁なオランディでも、権力争いは起きる」
レインがそう言うとノエルは一瞬で理解する。
「なるほどね」
二人の話を聞いていてもわからなかった倉野が不思議そうにしているとレインが説明を付け足した。
「王が体調を崩していてね。誰が跡を継ぐか、という話さ」
それを聞いた倉野は驚く。
「え、そんな状況だったのにここに残って、一緒に戦ってくれたんですか?」
「関係ないさ。返すべき恩を返しただけだ」
「レインさん・・・・・・」
「そんな顔をするなよクラノ。せっかく伯爵が用意してくれた祝いの席だ。楽しもうじゃないか」
そう言ってからレインは再びフォークを手に取った。
その後、スープ、魚料理、口直し、肉料理、デザートが順番に並べられ会話をしながら食していく一同。
倉野のこれまでの旅の話やノエルがこなしてきた依頼の話、飛行船落下から無人島脱出までの話をしながら宴は進んだ。
手の込んだ料理の数々と楽しい話で一連の疲労が溶けていくように感じる倉野。
だが、一つだけ疑問が心に残った。
「そろそろお開きにしようか」
食事を終えた後、伯爵のその一言で解散することになり倉野は屋敷の客室に案内される。
レイン、ノエルも他の客室に案内されていた。
倉野を案内したのはレイチェルとシラム。レイチェルは名残惜しそうに倉野ゆっくりと部屋の扉を閉める。
「おやすみなさい」
そう言い残すレイチェルに倉野は微笑んで答えた。
「おやすみなさい。また明日」
また明日という言葉が嬉しかったのかレイチェルは笑顔で頷き、部屋を出る。
一人になった倉野はツクネをベッドの枕元に寝かせ、深呼吸をした。
心に残っている疑問に向き合う。
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