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祈る姫
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「うわぁああああああ」
冷や汗をかきながら倉野は飛び起きた。
すぐ隣にはレインがおり、驚いた表情を倉野に向けている。
「びっくりした。もう少し静かに起きれないかい?」
そう言いながら微笑むレイン。
一瞬何が起きたのかわからなかった倉野は周囲を見渡した。
見覚えのある豪華な部屋。すぐにここがグランダー邸であるとわかる。
ベッドに寝ていた倉野と、隣で椅子に座っているレイン。
倉野はすぐに記憶を遡る。
ヴェンデッタの残党を倒した後、疲労と魔力酔いで倒れてしまったことを順に思い出した。
「そうか、あの後、倒れたのか・・・・・・」
倉野がそう呟くとレインは優しい笑顔を倉野に向ける。
「ああ、全てやり切ってぶっ倒れたのさ。死んでしまったのかと、思わず天を仰いだよ」
「縁起でもないこと言わないでくださいよ」
「ははっ、冗談さ。倉野が倒れてすぐにシラムさんが迎えに来てね。生きていることを確認し、クラノを抱えてくれたのさ」
「シラムさんが・・・・・・え、僕はどれくらい眠っていたんですか?」
倉野がそう問いかけるとレインが部屋の扉を指さした。
何を指さしているのだろう、と倉野が扉を見ながら首を傾げるとレインは小指を立てて微笑む。
「倉野が寝ていたのは三日さ。そして扉の向こうに、三日間ずっと待っていたお姫様がいる。自分も病み上がりなのに部屋の外でずっと待っていたのさ」
「まさか、レイチェルさんが?」
「野暮な質問をするなよ。男なら自分の目で確かめるものさ」
レインにそう言われた倉野はベッドから飛び降りて扉を開けた。
すると扉の前には、膝をついて手を合わせているレイチェルがいる。
「レイチェルさん・・・・・・」
「クラノ様」
倉野の顔を見上げたレイチェルは一瞬で涙を浮かべて、立ち上がり倉野に抱きついた。
「うわっと、レ、レイチェルさん」
驚きながらも受け止める倉野。
レイチェルは溢れる涙を止められずに、顔を倉野の胸に埋める。
「ううっ、良かったです。クラノ様が目覚めなかったらどうしようかと・・・・・・神様にお願いしていました。どうか、クラノ様を連れて行かないでくださいと」
まぁ、この世界の神様に連れてこられたんですけどね。
そう心で呟きながら倉野はレイチェルを抱きしめる。
「だから、膝をついて手を合わせていたんですね。ご心配をおかけしました」
「本当に良かった・・・・・・そしてありがとうございます。また救われてしまいました」
言いながら至近距離で倉野を見上げるレイチェル。
その上目遣いに思わず、ときめいてしまいそうになる。
倉野は自分の中の理性を呼び起こしながら口を開いた。
「レイチェルさんが無事で良かったです。それに今回は僕一人では戦えませんでした。レインさん、ノエルさん、グランダー伯爵・・・・・・全員で戦ったんです」
「それは聞いています。でも、レイン様がおっしゃっていました。クラノ様は私のために命をかけてくださったと。大切な女性だと言ってくださったと」
すぐに倉野は振り返りレインに視線を送る。
おい、何言ってるんですか。告白したみたいになってるでしょ。そう目で語りかける倉野。
そんな倉野に対しレインは親指を立てて、満面の笑みを向けた。
倉野は違う違う、喜んでるわけじゃない、と首を横に振る。
もちろんレイチェルは大切な存在だが、一度レイチェルからの告白を断っているが故に気まずい。
だが、この場合は仕方ないか、と倉野はレイチェルに微笑みかけた。
冷や汗をかきながら倉野は飛び起きた。
すぐ隣にはレインがおり、驚いた表情を倉野に向けている。
「びっくりした。もう少し静かに起きれないかい?」
そう言いながら微笑むレイン。
一瞬何が起きたのかわからなかった倉野は周囲を見渡した。
見覚えのある豪華な部屋。すぐにここがグランダー邸であるとわかる。
ベッドに寝ていた倉野と、隣で椅子に座っているレイン。
倉野はすぐに記憶を遡る。
ヴェンデッタの残党を倒した後、疲労と魔力酔いで倒れてしまったことを順に思い出した。
「そうか、あの後、倒れたのか・・・・・・」
倉野がそう呟くとレインは優しい笑顔を倉野に向ける。
「ああ、全てやり切ってぶっ倒れたのさ。死んでしまったのかと、思わず天を仰いだよ」
「縁起でもないこと言わないでくださいよ」
「ははっ、冗談さ。倉野が倒れてすぐにシラムさんが迎えに来てね。生きていることを確認し、クラノを抱えてくれたのさ」
「シラムさんが・・・・・・え、僕はどれくらい眠っていたんですか?」
倉野がそう問いかけるとレインが部屋の扉を指さした。
何を指さしているのだろう、と倉野が扉を見ながら首を傾げるとレインは小指を立てて微笑む。
「倉野が寝ていたのは三日さ。そして扉の向こうに、三日間ずっと待っていたお姫様がいる。自分も病み上がりなのに部屋の外でずっと待っていたのさ」
「まさか、レイチェルさんが?」
「野暮な質問をするなよ。男なら自分の目で確かめるものさ」
レインにそう言われた倉野はベッドから飛び降りて扉を開けた。
すると扉の前には、膝をついて手を合わせているレイチェルがいる。
「レイチェルさん・・・・・・」
「クラノ様」
倉野の顔を見上げたレイチェルは一瞬で涙を浮かべて、立ち上がり倉野に抱きついた。
「うわっと、レ、レイチェルさん」
驚きながらも受け止める倉野。
レイチェルは溢れる涙を止められずに、顔を倉野の胸に埋める。
「ううっ、良かったです。クラノ様が目覚めなかったらどうしようかと・・・・・・神様にお願いしていました。どうか、クラノ様を連れて行かないでくださいと」
まぁ、この世界の神様に連れてこられたんですけどね。
そう心で呟きながら倉野はレイチェルを抱きしめる。
「だから、膝をついて手を合わせていたんですね。ご心配をおかけしました」
「本当に良かった・・・・・・そしてありがとうございます。また救われてしまいました」
言いながら至近距離で倉野を見上げるレイチェル。
その上目遣いに思わず、ときめいてしまいそうになる。
倉野は自分の中の理性を呼び起こしながら口を開いた。
「レイチェルさんが無事で良かったです。それに今回は僕一人では戦えませんでした。レインさん、ノエルさん、グランダー伯爵・・・・・・全員で戦ったんです」
「それは聞いています。でも、レイン様がおっしゃっていました。クラノ様は私のために命をかけてくださったと。大切な女性だと言ってくださったと」
すぐに倉野は振り返りレインに視線を送る。
おい、何言ってるんですか。告白したみたいになってるでしょ。そう目で語りかける倉野。
そんな倉野に対しレインは親指を立てて、満面の笑みを向けた。
倉野は違う違う、喜んでるわけじゃない、と首を横に振る。
もちろんレイチェルは大切な存在だが、一度レイチェルからの告白を断っているが故に気まずい。
だが、この場合は仕方ないか、と倉野はレイチェルに微笑みかけた。
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