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異世界転移者と騎士
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倉野は一切の迷いなく気持ちを言葉にした。
「潰しましょう、ヴェンデッタを」
「そう言うと思ったよ。まぁ、状況的にリマス・ルチェルトラを直接問い詰めても、証拠はないからな」
レインは自分の顎に触れながらそう話す。
しかし、倉野の決断理由は違うところにもあった。
「確かにそれもありますが、少しでも早くレイチェルさんを苦しみから解き放ってあげたいんです」
そんな倉野の言葉を聞いたグランダー伯爵は再び頭を下げる。
「クラノ殿・・・・・・心から感謝する」
「頭をあげてください。それに感謝は呪いが解けてからじゃないですか」
そう答える倉野に頷くグランダー伯爵。
「ああ、その通りだ。そうだ、私が知っているヴェンデッタの情報を伝えておこう」
そのまま伯爵は闇ギルド、ヴェンデッタについての話を始めた。
ヴェンデッタは主に帝都から追放された者や罪を犯し逃げた犯罪者で構成されているという。
それ以外にも他国から流れてきた犯罪者や荒くれ者が所属しており、全貌は明らかになっていない。
何故、そのような闇ギルドが存在し続けられるのかについてもグランダー伯爵は語った。
「本来ならばエスエ帝国の正規軍を率いて討伐すべきなのだが、放置されているのが現状だ。それにはいくつか理由があり、正規軍を動かせるような貴族がヴェンデッタと繋がっているという噂がある。もちろんそれについては目下捜査中だが、なかなか手が出せないのだよ」
そんな話を聞き倉野はさらにヴェンデッタ討伐の意思を強める。
「大丈夫です、完全に壊滅させてきますから」
「だが、ヴェンデッタの全貌もわからない状況だ。何人いるのか、どの程度の戦力なのか・・・・・・居場所すらはっきりとはわかっていないのだよ」
そう話すグランダー伯爵に強い眼差しを向ける倉野。
「任せてください。場所はわかりますし、相手が何人だろうが関係ありません」
そのように宣言した倉野はすぐにスキル説明を発動させる。
対象は呪術師ジュアル・リークの居場所だ。
スキル説明が指し示したのは帝都から西に進んだ森の中にある廃村。そこがヴェンデッタの本拠地になっていると表示した。
倉野がそれを読み上げるとグランダー伯爵は補足するように口を開く。
「確かに西の森を進むと廃村があるな。元々、木材を切り出す職人たちが住んでいたのだが、十年ほど前に場所の不便さと安全性を考え、村人全員が帝都に移住し廃村になった村だ。なるほど、そこならば簡単には見つからない。しかし、今でも村に続く道があるはずだ」
「ありがとうございます。じゃあ、森にたどり着けば迷うことはないですね」
言いながら倉野は部屋の扉へと足を向けた。
そんな倉野にレインが言葉を放つ。
「俺も行こう」
「レインさん・・・・・・相手が何人かもわからないんですよ」
そう言い返す倉野にレインは微笑みかけた。
「死ぬつもりはないんだろう?それに子どもでもわかる理論だよ。一より二の方が多い」
「いいんですか?」
「俺は騎士だ。受けた恩を返す術を剣しか知らない」
レインはそう話しながら自分の腰にある剣を握る。
少し微笑んでから倉野はそのまま歩き出した。
部屋を出ようとする二人の背中にグランダー伯爵は縋るような声をかける。
「どうかレイチェルを救ってくれ・・・・・・そして必ず生きて帰ってきてくれ」
倉野は背中を向けたまま頷いた。
「約束します」
そう言って倉野はレインと共に部屋を出る。
「潰しましょう、ヴェンデッタを」
「そう言うと思ったよ。まぁ、状況的にリマス・ルチェルトラを直接問い詰めても、証拠はないからな」
レインは自分の顎に触れながらそう話す。
しかし、倉野の決断理由は違うところにもあった。
「確かにそれもありますが、少しでも早くレイチェルさんを苦しみから解き放ってあげたいんです」
そんな倉野の言葉を聞いたグランダー伯爵は再び頭を下げる。
「クラノ殿・・・・・・心から感謝する」
「頭をあげてください。それに感謝は呪いが解けてからじゃないですか」
そう答える倉野に頷くグランダー伯爵。
「ああ、その通りだ。そうだ、私が知っているヴェンデッタの情報を伝えておこう」
そのまま伯爵は闇ギルド、ヴェンデッタについての話を始めた。
ヴェンデッタは主に帝都から追放された者や罪を犯し逃げた犯罪者で構成されているという。
それ以外にも他国から流れてきた犯罪者や荒くれ者が所属しており、全貌は明らかになっていない。
何故、そのような闇ギルドが存在し続けられるのかについてもグランダー伯爵は語った。
「本来ならばエスエ帝国の正規軍を率いて討伐すべきなのだが、放置されているのが現状だ。それにはいくつか理由があり、正規軍を動かせるような貴族がヴェンデッタと繋がっているという噂がある。もちろんそれについては目下捜査中だが、なかなか手が出せないのだよ」
そんな話を聞き倉野はさらにヴェンデッタ討伐の意思を強める。
「大丈夫です、完全に壊滅させてきますから」
「だが、ヴェンデッタの全貌もわからない状況だ。何人いるのか、どの程度の戦力なのか・・・・・・居場所すらはっきりとはわかっていないのだよ」
そう話すグランダー伯爵に強い眼差しを向ける倉野。
「任せてください。場所はわかりますし、相手が何人だろうが関係ありません」
そのように宣言した倉野はすぐにスキル説明を発動させる。
対象は呪術師ジュアル・リークの居場所だ。
スキル説明が指し示したのは帝都から西に進んだ森の中にある廃村。そこがヴェンデッタの本拠地になっていると表示した。
倉野がそれを読み上げるとグランダー伯爵は補足するように口を開く。
「確かに西の森を進むと廃村があるな。元々、木材を切り出す職人たちが住んでいたのだが、十年ほど前に場所の不便さと安全性を考え、村人全員が帝都に移住し廃村になった村だ。なるほど、そこならば簡単には見つからない。しかし、今でも村に続く道があるはずだ」
「ありがとうございます。じゃあ、森にたどり着けば迷うことはないですね」
言いながら倉野は部屋の扉へと足を向けた。
そんな倉野にレインが言葉を放つ。
「俺も行こう」
「レインさん・・・・・・相手が何人かもわからないんですよ」
そう言い返す倉野にレインは微笑みかけた。
「死ぬつもりはないんだろう?それに子どもでもわかる理論だよ。一より二の方が多い」
「いいんですか?」
「俺は騎士だ。受けた恩を返す術を剣しか知らない」
レインはそう話しながら自分の腰にある剣を握る。
少し微笑んでから倉野はそのまま歩き出した。
部屋を出ようとする二人の背中にグランダー伯爵は縋るような声をかける。
「どうかレイチェルを救ってくれ・・・・・・そして必ず生きて帰ってきてくれ」
倉野は背中を向けたまま頷いた。
「約束します」
そう言って倉野はレインと共に部屋を出る。
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