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ゴーレム狩り4

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 その色は銅、銀、金と分かれており。色の違いがそのまま、強さと報酬の違いとなっているのだ。

 こういう子供でも分かる簡単な仕様が、このゲームの人気に繋がっているということは間違いないだろう。もしも数体に一気に攻撃されることがあれば、それは命に関わるのは間違いない。

 メルディウスは背中に差した大剣を抜刀し、それを高らかに天に掲げる。

「よっしゃー! 俺が狩って狩って狩り尽くしてやるぜ!!」

 掲げていた剣を前に突き出して雄叫びを上げると、そのままの勢いで地面まで続く階段を駆け下りていく。

 そんな彼を見てデュランが呆れ顔で、左手で額を覆う。
 
「――全く、彼は相変わらずだな……皆! 無理はするな! 攻撃よりも防御を優先に、敵の攻撃を食らわないに越したことはないからな。回復は多少のダメージでも怠るな! 慢心はするなよ? それでは、一方的な蹂躙を始めよう!」
『うおおおおおおおおおおおおおッ!!』

 大地を揺らすほどの轟音と咆哮を上げ、メルディウスに続いて馬を走らせて行く。

 不敵な笑みを浮かべたデュランは、見た目が薙刀の様な『イザナギの剣』を握り締めながらほくそ笑んだ。

「……俺もこの武器の真価を、この遠征で見定めさせてもらうよ」

 部隊の後方に続いて駆けるデュラン。

 その先で先頭を行くメルディウスは、感知して階段を駆け上がってくる銅のゴーレムに向かって剣を振り抜く。

 剣がゴーレムの体に当たり火花を散らせると、巨体が階段から地面に向かって落下した。

 地面に落下したゴーレムは、大量の土煙と共に消滅する。
 
 メルディウスは更に馬を加速させると、馬から飛び降りてゴーレム達の密集している所へと落ちていく。

 空中で大斧の姿へと変化した『ベルセルク』を落下点にいる銀色のゴーレムに振り下ろす。

「うおおおおおおおおッ!!」

 力一杯に振り下ろされた大斧は、銀色に輝く人形のゴーレムに直撃して爆発を起こす。頭部に炸裂して、爆発直後に頭部を吹き飛ばしたことは確認済みだ。
 煙が上がっている場所から、まるで鉄柱が爆薬か何かで撃ち出されたかと思うほどの勢いでゴーレムの腕が飛び出してくる。

 その拳の風圧で白煙が消し飛ぶと、空中でゴーレムに突き刺さったままの大斧から手を放し、メルディウスは体を捻って攻撃をかわす。
 隙をみてベルセルクをゴーレムから引き抜くと、素早くその場を離脱する。だが、彼が地面に着地したと同時に今度は逆の腕が彼を襲う。

 一瞬にして辺りに土煙が上がり、彼を包み隠す。そして土煙が消えると、地面に突き刺さったゴーレムの腕に乗っている彼の姿が見えた。

 ゴーレムはガシガシと岩の連結部を鳴らしながら、頻りに体を動かしている。その様子から見て、どうやらさっきの攻撃で腕が地面に突き刺さってから抜けなくなったようだ……。

「さすが岩の塊だな。凄まじいパワーだ…………こいつは返してもらうぜ」

 メルディウスは腕を伝って、ゴーレムに刺さったままになっていたベルセルクを抜き取った。

 っと、そこにゴーレムの手が彼を捕まえようと襲い掛かる。

 メルディウスはチラッと見遣って、素早くその腕に大斧を振り抜いた。

「吹き飛ばせ! ベルセルク!!」

 刃が当たった直後、派手に爆発が起こりゴーレムの腕そのものをバラバラに吹き飛ばした。

 その刹那。怯んでいるゴーレムにメルディウスの持っていた大斧が金色の光を放ち剣の状態に戻り、素早く数回斬りつけると、キラキラと光になってゴーレムが消える。

 すると、周りに銅と銀色のゴーレムが腰に左手を添え剣を担いているメルディウスの周りを取り囲む。だが、メルディウスは焦った様子も見せず。楽しそうにニヤッと不敵な笑みを浮かべていた。

「これは選り取りみどりだな! 行くぜベルセルクッ!!」

 持っていた剣が大斧の姿に変わり、メルディウスがゴーレム達の中に飛び込んでいく。

 次々に襲い掛かってくるゴーレムの鉄拳をかわしつつ、素早く振るうベルセルクの爆発能力によって立ちはだかるゴーレムを撃破しながら「おらおら」と叫んで、黄金に輝くゴーレムに向かって一直線に突き進む。
 
 その姿を遠目で見つめ、デュランが口元に笑みを浮かべると。

「なるほど。そういう事か……」

 っと、意味ありげにほくそ笑む。

 その後、前を走るダークブレットのメンバー達に向かって叫ぶ。

「金、銀、銅色のゴーレム達はそれぞれ感知範囲が違う! 銅が最も広く50m程。銀は30m。金はまだ不明だが、接近しすぎるとあっという間にゴーレム達に取り囲まれるぞ。あんな風にな!」

 言い終えたデュランは、徐にメルディウスを指差す。

 そこには今まさに金色のゴーレムと対峙し、ゴーレム達に囲まれている彼の姿があった。
 彼が突っ込んだのには、ダークブレットのメンバーにその危険性を知らしめる為にではないないだろうが、結果的にそうなっただけだろう……。 
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