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ライラの正体5
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「エミル、本当に可愛いわ~。その青くて透き通るような髪も。その涙で潤んだ青い瞳も。そして……その甘い声も、全てを私色に染め上げたかった……」
ライラはゆっくりとエミルの首に指を押し当て、体を撫でるようにして胸元に手を持っていくと、エミルの大きな膨らみを片手で鷲掴みにした。
「……そ、そんなところ……」
「エミルのここは前より大きくなったわねぇ~。それにすっごく柔らかい」
「あっ……ダメです。おねえさま……」
その感触を堪能するように優しく揉みしだくと、エミルは甘い声を漏らす。
「ふふっ、そろそろ頃合いね……」
ライラは不敵な笑みを浮かべると、エミルの胸の突起を指で思い切り抓り上げる。
「いやああああああっ!!」
その突然の刺激に、エミルは体を跳ね上げるようにして悲鳴を上げた。
直後、エミルの耳に今までの優しい声音ではなく。まるで別人の様なライラの低く狂気に満ちた声が飛び込んでくる。
その声音は、明らかに殺意に満ちていた。
「……残念よ、エミル。貴女を疑うことになる日が来るなんて……」
「……なっ、なにを……お姉様。痛い! 痛いです!!」
敏感な部分を更に強く抓られ、エミルが苦痛で表情を歪める。
そんな苦しそうに悶える彼女に、ライラがなおも言葉を続けた。
「人が最も口が軽くなる時……それはベッドの上よ。これはエージェントとしての常識……さあ、答えなさい。どうして貴方があの子――いや、博士の忘れ形見。夜空星に近づいたのかを……」
「痛い……痛い……」
痛みと困惑からその質問の意味が理解できず、エミルはただただ涙を流す。
「痛みから逃れたかったら、薄情なさい!!」
そんな彼女にライラは執拗なまでに問い掛ける。すでに先程までの微笑みを浮かべる彼女はそこには居なかった。
まるで別人の様な彼女の豹変ぶりに、さすがのエミルも困惑するばかりだ。しかも、全身を電気のように駆け巡る鋭い痛みで自慢の頭も回らない。だが、エミルは想像を絶する様な痛みから『痛い』以外の言葉が出てこない。
声にならない声でひたすら痛いと口にするエミルに、怒りを露わにしたライラが声を掛けた。
「――痛くて当然よ。貴女に投与したのは痛覚を通常の数十倍にする薬――しかも麻痺のおまけ付きよ……今のその痛みは、例えるなら全身の皮を剥いで塩を練り込んだ時くらいかしらね」
全身から汗を吹き出し、痛みで悶絶しているエミルの体から手を放すと、ライラは今度は優しく諭すように告げた。
「さあ、あの子に手を出した理由を教えて?」
アメとムチを使い分け、巧みにエミルの心の内を露わにさせようとするライラ。
体が麻痺して痛みで脳が麻痺している中、エミルの涙で滲んだ虚ろな瞳が視線の先の微笑みを浮かべるライラの姿を映す。
「はぁ……はぁ……それは……」
「……それは?」
ライラが聞き返すと、思考が完全にストップしたエミルは息を整えて小さく呟いた。
「あの子が……星ちゃんが好きだから……」
エミルはライラの目を見て真剣に答えた。
その真っ直ぐな瞳を見て、ライラが「そう」と短く告るとにっこりと微笑む。
エミルはほっとしたのか、大きく息を吐いて瞼を閉じる。
『これで何もかもが終わった。後はこの痛みからも開放される』
そうエミルは思った……。
その直後、エミルの体を更なる激痛が襲った。
「きゃああああああああああああああああああッ!!」
エミルのけたたましいその叫び声が城内にこだまし、それを聞きつけたイシェルがドアを叩く。
「エミル! エミル!! なにしとるん!? 早くここを開けてッ!!」
ドンドンと激しくドアを叩く大きな音が部屋の中に響く。すると、ドア越しのイシェルに向かってライラが声を発した。
「無駄よ。この部屋のコントロール権はこちらにある。せっかくエミルを貴女から離したんですから、このチャンスは絶対に物にする!」
ライラはドアから、あまりの苦痛に気を失ったエミルの方に視線を戻した。エミルの腹部には先程までライラの持っていたナイフが、痛々しく突き刺さっている。
ライラはコマンドを操作すると、注射針の付いた器具を取り出し。躊躇なくエミルの腕に突き刺した。
「……まだおねんねするには早いわよ~。エミル」
器具のガラス管の中の液体がエミルの中に全て消えると次の瞬間。エミルが飛び起き、荒い呼吸を繰り返しながら再び襲ってきた激痛にエミルは白目をむくが、今度は気を失うこともできずにすぐに正気を取り戻す。おそらく、それも先程の薬の効力なのだろう。
ライラはゆっくりとエミルの首に指を押し当て、体を撫でるようにして胸元に手を持っていくと、エミルの大きな膨らみを片手で鷲掴みにした。
「……そ、そんなところ……」
「エミルのここは前より大きくなったわねぇ~。それにすっごく柔らかい」
「あっ……ダメです。おねえさま……」
その感触を堪能するように優しく揉みしだくと、エミルは甘い声を漏らす。
「ふふっ、そろそろ頃合いね……」
ライラは不敵な笑みを浮かべると、エミルの胸の突起を指で思い切り抓り上げる。
「いやああああああっ!!」
その突然の刺激に、エミルは体を跳ね上げるようにして悲鳴を上げた。
直後、エミルの耳に今までの優しい声音ではなく。まるで別人の様なライラの低く狂気に満ちた声が飛び込んでくる。
その声音は、明らかに殺意に満ちていた。
「……残念よ、エミル。貴女を疑うことになる日が来るなんて……」
「……なっ、なにを……お姉様。痛い! 痛いです!!」
敏感な部分を更に強く抓られ、エミルが苦痛で表情を歪める。
そんな苦しそうに悶える彼女に、ライラがなおも言葉を続けた。
「人が最も口が軽くなる時……それはベッドの上よ。これはエージェントとしての常識……さあ、答えなさい。どうして貴方があの子――いや、博士の忘れ形見。夜空星に近づいたのかを……」
「痛い……痛い……」
痛みと困惑からその質問の意味が理解できず、エミルはただただ涙を流す。
「痛みから逃れたかったら、薄情なさい!!」
そんな彼女にライラは執拗なまでに問い掛ける。すでに先程までの微笑みを浮かべる彼女はそこには居なかった。
まるで別人の様な彼女の豹変ぶりに、さすがのエミルも困惑するばかりだ。しかも、全身を電気のように駆け巡る鋭い痛みで自慢の頭も回らない。だが、エミルは想像を絶する様な痛みから『痛い』以外の言葉が出てこない。
声にならない声でひたすら痛いと口にするエミルに、怒りを露わにしたライラが声を掛けた。
「――痛くて当然よ。貴女に投与したのは痛覚を通常の数十倍にする薬――しかも麻痺のおまけ付きよ……今のその痛みは、例えるなら全身の皮を剥いで塩を練り込んだ時くらいかしらね」
全身から汗を吹き出し、痛みで悶絶しているエミルの体から手を放すと、ライラは今度は優しく諭すように告げた。
「さあ、あの子に手を出した理由を教えて?」
アメとムチを使い分け、巧みにエミルの心の内を露わにさせようとするライラ。
体が麻痺して痛みで脳が麻痺している中、エミルの涙で滲んだ虚ろな瞳が視線の先の微笑みを浮かべるライラの姿を映す。
「はぁ……はぁ……それは……」
「……それは?」
ライラが聞き返すと、思考が完全にストップしたエミルは息を整えて小さく呟いた。
「あの子が……星ちゃんが好きだから……」
エミルはライラの目を見て真剣に答えた。
その真っ直ぐな瞳を見て、ライラが「そう」と短く告るとにっこりと微笑む。
エミルはほっとしたのか、大きく息を吐いて瞼を閉じる。
『これで何もかもが終わった。後はこの痛みからも開放される』
そうエミルは思った……。
その直後、エミルの体を更なる激痛が襲った。
「きゃああああああああああああああああああッ!!」
エミルのけたたましいその叫び声が城内にこだまし、それを聞きつけたイシェルがドアを叩く。
「エミル! エミル!! なにしとるん!? 早くここを開けてッ!!」
ドンドンと激しくドアを叩く大きな音が部屋の中に響く。すると、ドア越しのイシェルに向かってライラが声を発した。
「無駄よ。この部屋のコントロール権はこちらにある。せっかくエミルを貴女から離したんですから、このチャンスは絶対に物にする!」
ライラはドアから、あまりの苦痛に気を失ったエミルの方に視線を戻した。エミルの腹部には先程までライラの持っていたナイフが、痛々しく突き刺さっている。
ライラはコマンドを操作すると、注射針の付いた器具を取り出し。躊躇なくエミルの腕に突き刺した。
「……まだおねんねするには早いわよ~。エミル」
器具のガラス管の中の液体がエミルの中に全て消えると次の瞬間。エミルが飛び起き、荒い呼吸を繰り返しながら再び襲ってきた激痛にエミルは白目をむくが、今度は気を失うこともできずにすぐに正気を取り戻す。おそらく、それも先程の薬の効力なのだろう。
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