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ライラの正体4
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中には茶色い下地にいくつもの薔薇の模様が刺繍されたカーテンがあり、中央にはピンク色のレースの天蓋の付いたいかにもと言いたくなるベッドが置いてある。
その他にも、西洋風のティーセットの飾られた家具、ランプなどのインテリアやぬいぐるみ、クッションなどと言った様々な物が部屋中に散りばめられている。
それはおそらく、ライラの趣味なのだろう。だが、忘れていはいけないのは、ここはエミルの城だと言うことだ。にも拘わらず、彼女の知らない部屋が存在している。
っということは、以前同じギルドに居た時にこっそりとエミルの目を盗んで作成していたということになる。
「こんな部屋があるなんて……知らなかったわ……」
驚愕しながら自分の城だと言うのに、初めて見た部屋の中を、興味ありげに歩き回っているエミル。
その直後、部屋の扉が閉まる音とともに、突き飛ばされるように目の前にあるベッドに倒れ込んだ。
前屈みにベッドに倒れたエミルが慌てて上を向くと、そこには覆い被さるように下着姿で自分を見下ろすライラの姿があった。
慌てて体を起こそうとしたエミルの腕に、チクッと一瞬だが鋭い痛みが走る。すると、みるみるうちに全身の力が抜け、自分の意志とは関係なくベッドに戻されていく。
「なっ……」
「ふふふっ、今更抵抗しようったって無駄よ?」
「お、お姉様……なにを……」
驚いているエミルがそう尋ねると、ライラは手に持った小型のナイフをエミルに見せる。
それを見た瞬間、エミルは驚きのあまり目を見開いた。だが、その反応はむしろ当然のことだ。システム上ではダンジョン以外の建物内ではプレイヤーは武器などの他のプレイヤーに対して影響を与えるような物は使用できない。
もちろん。その建物の所有者が許可していれば可能だが、エミルはそんなことをシステムに許可した覚えはない。
本来は包丁などの料理器具やダーツの様な娯楽用の道具にいたるまで、非戦闘地域である室内で使う様な戦闘武器ではない物は、ゲーム内最低ダメージ値の『1』を下回る『0』で設定されている。
言うなれば、生活には必要だが人体に何の影響も与えない『非武器』と呼ばれるアイテムだ。
これは屋外にある内は、全てが家主の管轄に置かれた非戦闘用武器扱いになり特別にダメージはなくなる。
最小ダメージ値が『1』で武器ダメージが固定されているのは、戦闘行為OKの屋外やフィールド。屋内では寝ている間に包丁で滅多刺しにされる危険を防ぐ為、ダメージを受けない仕様になっている。
もちろん。屋内に監禁されている場合も例外ではなく。プレイヤーに負傷、ダメージ共に与えることは許されていない。
これは家主が許可していても同様だ――しかし、今目の前のライラが握っているそれは明らかに戦闘用に使うサバイバルナイフだ。
本来ならば、設定によって装備することすらありえないことだが、ライラにそれができてもおかしくはない。何故かというと、彼女の固有スキル『テレポート』は本来移動できる効果範囲が決まっていた。
だが、彼女がドラゴンを使っても片道2日は掛かる距離を、彼女は一瞬で飛んで見せたのだ――つまり、彼女は何らかの特例に基づいて、固有スキルを使用していることになり。そんな彼女が非戦闘地域である屋内で、武器を使用できてもなんら不思議はないのである。
そしてライラの性格を考えると、エミルには彼女はこれで何をしようとしているのかが容易に想像できた。
胸元に突き付けられたナイフがゆっくりと、体のラインに沿ってエミルの服だけを見事に切り開いていく……。
徐々に剥がされていく服に、エミルは恐怖すら覚え始めた。
「なっ……おっ、お姉様……そんな……」
「うふふっ、あまり声を出すと……間違って肌まで切れちゃうわよ? エ・ミ・ル……」
恐怖から不安そうな表情を見せるエミルの耳元でそっとささやくと、震えるその顔を見て悪戯に笑うライラ。
切った服をゆっくりと脱がせると、ライラが持っていたナイフの腹がエミルの頬に当たる。
「あっ……いや……」
体に力が入らない状態のエミルは、声にならない悲鳴を上げるだけで全く抵抗できない。
そんな彼女の反応を楽しむかの様に、ライラは持っていたナイフの先をエミルの体の至る場所に押し当てる。
彼女のまるで小動物でも虐めるかのような瞳と、その鉄の冷たい感覚がエミルの恐怖心を煽っていく。
小刻みに震えるエミルの耳元にふーっと息を吹きかける。
その瞬間。エミルの体が無意識にビクッと震え、そんな彼女の耳元でライラが熱を帯びた声で優しくささやくように言った。
その他にも、西洋風のティーセットの飾られた家具、ランプなどのインテリアやぬいぐるみ、クッションなどと言った様々な物が部屋中に散りばめられている。
それはおそらく、ライラの趣味なのだろう。だが、忘れていはいけないのは、ここはエミルの城だと言うことだ。にも拘わらず、彼女の知らない部屋が存在している。
っということは、以前同じギルドに居た時にこっそりとエミルの目を盗んで作成していたということになる。
「こんな部屋があるなんて……知らなかったわ……」
驚愕しながら自分の城だと言うのに、初めて見た部屋の中を、興味ありげに歩き回っているエミル。
その直後、部屋の扉が閉まる音とともに、突き飛ばされるように目の前にあるベッドに倒れ込んだ。
前屈みにベッドに倒れたエミルが慌てて上を向くと、そこには覆い被さるように下着姿で自分を見下ろすライラの姿があった。
慌てて体を起こそうとしたエミルの腕に、チクッと一瞬だが鋭い痛みが走る。すると、みるみるうちに全身の力が抜け、自分の意志とは関係なくベッドに戻されていく。
「なっ……」
「ふふふっ、今更抵抗しようったって無駄よ?」
「お、お姉様……なにを……」
驚いているエミルがそう尋ねると、ライラは手に持った小型のナイフをエミルに見せる。
それを見た瞬間、エミルは驚きのあまり目を見開いた。だが、その反応はむしろ当然のことだ。システム上ではダンジョン以外の建物内ではプレイヤーは武器などの他のプレイヤーに対して影響を与えるような物は使用できない。
もちろん。その建物の所有者が許可していれば可能だが、エミルはそんなことをシステムに許可した覚えはない。
本来は包丁などの料理器具やダーツの様な娯楽用の道具にいたるまで、非戦闘地域である室内で使う様な戦闘武器ではない物は、ゲーム内最低ダメージ値の『1』を下回る『0』で設定されている。
言うなれば、生活には必要だが人体に何の影響も与えない『非武器』と呼ばれるアイテムだ。
これは屋外にある内は、全てが家主の管轄に置かれた非戦闘用武器扱いになり特別にダメージはなくなる。
最小ダメージ値が『1』で武器ダメージが固定されているのは、戦闘行為OKの屋外やフィールド。屋内では寝ている間に包丁で滅多刺しにされる危険を防ぐ為、ダメージを受けない仕様になっている。
もちろん。屋内に監禁されている場合も例外ではなく。プレイヤーに負傷、ダメージ共に与えることは許されていない。
これは家主が許可していても同様だ――しかし、今目の前のライラが握っているそれは明らかに戦闘用に使うサバイバルナイフだ。
本来ならば、設定によって装備することすらありえないことだが、ライラにそれができてもおかしくはない。何故かというと、彼女の固有スキル『テレポート』は本来移動できる効果範囲が決まっていた。
だが、彼女がドラゴンを使っても片道2日は掛かる距離を、彼女は一瞬で飛んで見せたのだ――つまり、彼女は何らかの特例に基づいて、固有スキルを使用していることになり。そんな彼女が非戦闘地域である屋内で、武器を使用できてもなんら不思議はないのである。
そしてライラの性格を考えると、エミルには彼女はこれで何をしようとしているのかが容易に想像できた。
胸元に突き付けられたナイフがゆっくりと、体のラインに沿ってエミルの服だけを見事に切り開いていく……。
徐々に剥がされていく服に、エミルは恐怖すら覚え始めた。
「なっ……おっ、お姉様……そんな……」
「うふふっ、あまり声を出すと……間違って肌まで切れちゃうわよ? エ・ミ・ル……」
恐怖から不安そうな表情を見せるエミルの耳元でそっとささやくと、震えるその顔を見て悪戯に笑うライラ。
切った服をゆっくりと脱がせると、ライラが持っていたナイフの腹がエミルの頬に当たる。
「あっ……いや……」
体に力が入らない状態のエミルは、声にならない悲鳴を上げるだけで全く抵抗できない。
そんな彼女の反応を楽しむかの様に、ライラは持っていたナイフの先をエミルの体の至る場所に押し当てる。
彼女のまるで小動物でも虐めるかのような瞳と、その鉄の冷たい感覚がエミルの恐怖心を煽っていく。
小刻みに震えるエミルの耳元にふーっと息を吹きかける。
その瞬間。エミルの体が無意識にビクッと震え、そんな彼女の耳元でライラが熱を帯びた声で優しくささやくように言った。
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