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アジトへの潜入2
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エリエはアイテムの中からフリルの付いた派手派手な、まるで魔法少女の様な衣装を取り出すと、レイニールに向かって投げた。
「ほら、ぼさっとしない! さっさと服着て。突撃するよ!」
「……ふん。分かっておるわ」
レイニールは飛んできた服を掴むと、口を尖らせながら不機嫌そうに服の袖に腕を通す。
そんな2人を尻目に、オカマイスター達は生き生きした表情で指を鳴らしていた。
「さて、武器が使用できなくても……種族がボディービルダーの私達は最強よ~」
「おうよ! 私の拳が悪を倒せと熱く燃えてるぜ~!!」
「わたーしの、マジック修行で培った孔雀流体術を見せてやるザマス」
「あたいは一応ボディービルダーなだけで、それほど強くないんだけどね~」
オカマイスターは拳を鳴らして強者が弱者を蹂躙する様な余裕と狂気に満ち溢れた表情を浮かべ、それぞれ敵に向かって突撃を掛けた。
敵は突如として襲いかかってきた○の中に釜と書かれたタンクトップを着た屈強な男なのか女なのか分からない集団に襲われ、次々と為す術なく殴り倒されていく。
思わず敵に同情してしまいそうになる光景が辺りに広がっていた。
もちろん。そんな敵に同情することなく、オカマイスターは雄叫びを上げながら手当たり次第に敵を殴り倒して狭い通路を強引に突き進む。
騒ぎを聞きつけてやってくるものの、まるで鬼の様に暴れ回る屈強なオカマイスター達に出て来たはいいが、その姿を見るや逃げ出す者もいるくらいだ。
そんな時、その間をすり抜けてレイニールとエリエの元に、革鎧を着た痩せ型の男が襲い掛かる。
「あの化け物は無理だが、お前達なら!」
「わっわっ! こっち来んなっ!」
突然襲い掛かってきた男に、エリエが慌てふためく。
男は両手を大きく広げ、逃がさないと言わんばかりの勢いでエリエに飛び掛かる。
「このアマー!!」
「――うっ!」
(このままじゃ、やられる!!)
エリエは咄嗟に両手を頭の上で重ね、その場にうずくまった。その直後、レイニールがエリエと男との間に割って入り、その男の頭を右手で思い切り叩いた。
すると、けたたましい音と絶叫を上げ、男は地面を突き抜けて落ちていった。
「ふん。やはり人間は弱いのじゃ!」
勝ち誇ったように腰に手を当ててそう呟くレイニール。
エリエは最初は状況が読み込めずにポカンとしていたが、すぐに平静を取り戻してニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
そのまま立ち上がり、レイニールの隣まで歩いてきたエリエが得意げに腰に手を当てる。
「思い知ったか! 私達を狙うからこうなるのよ! はっはっはっ!」
「その通りなのじゃ! はっはっはっはっ!」
2人は並んで地面にポッカリと開いた穴に向かって、胸を張って高笑いしている。
基本的にレイニールのステータスはどんな状態でも、元のドラゴンと同等なのだ。レイニールにとって変身とは形が変わるというだけで、それ以上でもそれ以下でもない。
例えるならば、水蒸気にも氷にもなれる水という存在が、レイニールにも当てはまるというところだろう。
エリエは気分を良くしたのか直ぐ様、すぐ近くの敵を指差しレイニールに向かって命令した。
「ゆけ! レイニール! ウルトラパンチ!!」
「うむ! ウルトラパーンチ!!」
レイニールは小さいドラゴンの姿に戻ると、翼をパタパタとはためかせ、器用に体を回転しながら戦っているオカマイスターズの間をすり抜けて目の前に居た重鎧の敵に右腕を突き出した。
「ぐわあああああッ!!」
重鎧の男は鎧を粉々にされ勢い良く吹き飛ばされると、周りを巻き込んで城の壁ごと外へと放り出された。
それを満足気に見ていたレイニールはふと我に返り、急いで戻ってくると人間モードに代わり、不機嫌そうにエリエに向かって声を荒らげた。
「――だから我輩に命令するなと何度言えば分かるのじゃ!!」
「いいじゃん! あと服、服! 服を着なさい!」
エリエは不機嫌そうに膨れっ面をしているレイニールに、地面に落ちていた服を手渡す。
レイニールは渋々その服を着直すと、口を尖らせながら叫んだ。
「良くないのじゃ! それにウルトラパンチってなんじゃ! 我輩はどこぞのボールで飼われているモンスターではないわ! それに言っておくが、我輩は主にしか従わぬ! どうしてお前なんぞに……」
ブツブツと文句を呟いていると、レイニールの不満を聞いていたエリエが急に声を荒らげる。
「うるさーい! 私は星のお姉さんなんだから、あんたも私に従えばいいの! 分かった!?」
「分かるか、バカタレ!!」
「分かりなさいよ!!」
エリエとレイニールは向い合って睨み合いながら、激しい視線をぶつけている。そんな2人を尻目に、レイニールの起こしたごたごたで敵の兵士が数多く集まってきた。
目の前の敵の頭を鷲掴みにして壁に叩きつけていたサラザが、その光景を見て顔を青ざめさせる。
「ちょっと~。冗談じゃないわよ~!」
「これってあたい達やばくない? やばいわよね~」
相撲取りのような巨漢のカルビが地面に横たわる敵の上に腰を下ろしたまま言った。
その横で戦っていたガーベラが、慌てて喧嘩しているエリエとレイニールの元へ駆けて行くと。
「こりゃ、やばい! ほら、2人とも喧嘩してないで行くよ!」
「ちょっと~。放してよ~」
「そうじゃ! 我輩の話はまだ終わってないのじゃ!」
ガーベラが2人の体を強引に担ぎ上げると、両脇に抱えて走り出した。
レイニールとエリエは、まるで荷物の様に軽々と運ばれ、不服そうに叫んでいる。未だにやり足りないと言いたげに激しい視線を飛ばし合う2人。
ガーベラは戦っている仲間達に向かって叫んだ。
「私が2人を連れて行くから、敵を頼んだ!」
「OK~。一気に駆け抜けるわよ~。ガーベラ、2人を落っことさないでね!」
「わたーしの力を見せてやるザマス!」
サラザと孔雀マツザカは交戦している敵を殴り倒すと、ガーベラの前へと出た。
2人は襲い掛かる敵を次々に薙ぎ倒すと、あてもなく城の廊下を走り抜ける。
そしてやっと本来の目的に気が付いたエリエとレイニールが、その間、ガーベラに抱きかかえられながら声を大にして星の名前を叫んだ。
「星! 助けに来たよ!!」
「あるじ~。どこに居るのじゃ~!」
しかし、その声は虚しく廊下に響くだけで返事は返ってこなかった――。
「ほら、ぼさっとしない! さっさと服着て。突撃するよ!」
「……ふん。分かっておるわ」
レイニールは飛んできた服を掴むと、口を尖らせながら不機嫌そうに服の袖に腕を通す。
そんな2人を尻目に、オカマイスター達は生き生きした表情で指を鳴らしていた。
「さて、武器が使用できなくても……種族がボディービルダーの私達は最強よ~」
「おうよ! 私の拳が悪を倒せと熱く燃えてるぜ~!!」
「わたーしの、マジック修行で培った孔雀流体術を見せてやるザマス」
「あたいは一応ボディービルダーなだけで、それほど強くないんだけどね~」
オカマイスターは拳を鳴らして強者が弱者を蹂躙する様な余裕と狂気に満ち溢れた表情を浮かべ、それぞれ敵に向かって突撃を掛けた。
敵は突如として襲いかかってきた○の中に釜と書かれたタンクトップを着た屈強な男なのか女なのか分からない集団に襲われ、次々と為す術なく殴り倒されていく。
思わず敵に同情してしまいそうになる光景が辺りに広がっていた。
もちろん。そんな敵に同情することなく、オカマイスターは雄叫びを上げながら手当たり次第に敵を殴り倒して狭い通路を強引に突き進む。
騒ぎを聞きつけてやってくるものの、まるで鬼の様に暴れ回る屈強なオカマイスター達に出て来たはいいが、その姿を見るや逃げ出す者もいるくらいだ。
そんな時、その間をすり抜けてレイニールとエリエの元に、革鎧を着た痩せ型の男が襲い掛かる。
「あの化け物は無理だが、お前達なら!」
「わっわっ! こっち来んなっ!」
突然襲い掛かってきた男に、エリエが慌てふためく。
男は両手を大きく広げ、逃がさないと言わんばかりの勢いでエリエに飛び掛かる。
「このアマー!!」
「――うっ!」
(このままじゃ、やられる!!)
エリエは咄嗟に両手を頭の上で重ね、その場にうずくまった。その直後、レイニールがエリエと男との間に割って入り、その男の頭を右手で思い切り叩いた。
すると、けたたましい音と絶叫を上げ、男は地面を突き抜けて落ちていった。
「ふん。やはり人間は弱いのじゃ!」
勝ち誇ったように腰に手を当ててそう呟くレイニール。
エリエは最初は状況が読み込めずにポカンとしていたが、すぐに平静を取り戻してニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
そのまま立ち上がり、レイニールの隣まで歩いてきたエリエが得意げに腰に手を当てる。
「思い知ったか! 私達を狙うからこうなるのよ! はっはっはっ!」
「その通りなのじゃ! はっはっはっはっ!」
2人は並んで地面にポッカリと開いた穴に向かって、胸を張って高笑いしている。
基本的にレイニールのステータスはどんな状態でも、元のドラゴンと同等なのだ。レイニールにとって変身とは形が変わるというだけで、それ以上でもそれ以下でもない。
例えるならば、水蒸気にも氷にもなれる水という存在が、レイニールにも当てはまるというところだろう。
エリエは気分を良くしたのか直ぐ様、すぐ近くの敵を指差しレイニールに向かって命令した。
「ゆけ! レイニール! ウルトラパンチ!!」
「うむ! ウルトラパーンチ!!」
レイニールは小さいドラゴンの姿に戻ると、翼をパタパタとはためかせ、器用に体を回転しながら戦っているオカマイスターズの間をすり抜けて目の前に居た重鎧の敵に右腕を突き出した。
「ぐわあああああッ!!」
重鎧の男は鎧を粉々にされ勢い良く吹き飛ばされると、周りを巻き込んで城の壁ごと外へと放り出された。
それを満足気に見ていたレイニールはふと我に返り、急いで戻ってくると人間モードに代わり、不機嫌そうにエリエに向かって声を荒らげた。
「――だから我輩に命令するなと何度言えば分かるのじゃ!!」
「いいじゃん! あと服、服! 服を着なさい!」
エリエは不機嫌そうに膨れっ面をしているレイニールに、地面に落ちていた服を手渡す。
レイニールは渋々その服を着直すと、口を尖らせながら叫んだ。
「良くないのじゃ! それにウルトラパンチってなんじゃ! 我輩はどこぞのボールで飼われているモンスターではないわ! それに言っておくが、我輩は主にしか従わぬ! どうしてお前なんぞに……」
ブツブツと文句を呟いていると、レイニールの不満を聞いていたエリエが急に声を荒らげる。
「うるさーい! 私は星のお姉さんなんだから、あんたも私に従えばいいの! 分かった!?」
「分かるか、バカタレ!!」
「分かりなさいよ!!」
エリエとレイニールは向い合って睨み合いながら、激しい視線をぶつけている。そんな2人を尻目に、レイニールの起こしたごたごたで敵の兵士が数多く集まってきた。
目の前の敵の頭を鷲掴みにして壁に叩きつけていたサラザが、その光景を見て顔を青ざめさせる。
「ちょっと~。冗談じゃないわよ~!」
「これってあたい達やばくない? やばいわよね~」
相撲取りのような巨漢のカルビが地面に横たわる敵の上に腰を下ろしたまま言った。
その横で戦っていたガーベラが、慌てて喧嘩しているエリエとレイニールの元へ駆けて行くと。
「こりゃ、やばい! ほら、2人とも喧嘩してないで行くよ!」
「ちょっと~。放してよ~」
「そうじゃ! 我輩の話はまだ終わってないのじゃ!」
ガーベラが2人の体を強引に担ぎ上げると、両脇に抱えて走り出した。
レイニールとエリエは、まるで荷物の様に軽々と運ばれ、不服そうに叫んでいる。未だにやり足りないと言いたげに激しい視線を飛ばし合う2人。
ガーベラは戦っている仲間達に向かって叫んだ。
「私が2人を連れて行くから、敵を頼んだ!」
「OK~。一気に駆け抜けるわよ~。ガーベラ、2人を落っことさないでね!」
「わたーしの力を見せてやるザマス!」
サラザと孔雀マツザカは交戦している敵を殴り倒すと、ガーベラの前へと出た。
2人は襲い掛かる敵を次々に薙ぎ倒すと、あてもなく城の廊下を走り抜ける。
そしてやっと本来の目的に気が付いたエリエとレイニールが、その間、ガーベラに抱きかかえられながら声を大にして星の名前を叫んだ。
「星! 助けに来たよ!!」
「あるじ~。どこに居るのじゃ~!」
しかし、その声は虚しく廊下に響くだけで返事は返ってこなかった――。
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