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ダンジョン最深部へ7
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スケルトン達もデイビッドとエリエのことを警戒しているのか、それ以上は動こうとしない。
おそらく。あっという間に3体をやられて無造作に飛び込んでもダメだと、スケルトンのAIが学習したのだろう。
その時、エリエがデイビッドに向かって叫んだ。
「デビッド先輩は好きに突っ込んで! 私が援護するから!」
「了解。出来る限り倒すが漏れた敵は頼んだッ!!」
デイビッドは刀を握り締め、敵の中に向かって突っ込んでいく。
「はああああああああッ!!」
デイビッドは刀を構えながらスケルトンに突進すると、そのまま勢い良く刀を振り抜く。スケルトンは攻撃を受けてばらばらになり、その場に崩れ落ちた。
咆哮を上げたデイビッドが、そのままスケルトンの群れにの中に飛び込んでいく。デイビッドは襲ってくるスケルトンの攻撃をかわし、素早く反撃してスケルトン達を撃破しながら突き進む。
その後ろからエリエが続き、デイビッドが倒しきれなかった敵を自慢のレイピアの剣速を活かした攻撃で、次々と撃破する。
普段些細なことでいがみ合っている2人からは想像もできないような連携プレイで、彼等が通った後には屍の山ならぬ、スケルトンの骨の山が築かれていった。
大勢のスケルトンを前に、落ち着いた様子で拳を構えるカレン。
そんな彼女の後ろで、腕を組みながら集中力を高めているカレンを見ていたマスターの檄が飛ぶ。
「――うむ。カレンよ、今こそ修行の成果。見せてみせい!!」
「はい! 師匠!」
カレンは深く深呼吸をして拳を構えると、向かってくるスケルトン目掛けて思い切り拳を振り抜く。
「はあああああああああああああッ!!」
咆哮を上げたカレンの拳はスケルトンの腹部に直撃し、その体を拳から発生させた風圧で勢い良く吹き飛ばす。
飛ばされたスケルトンは、周りのスケルトン2体をも巻き込んでばらばらになる。それを見て、マスターは満足そうに頷くと己の拳を固めて叫んだ。
「うむ。カレン見事だ! しかし、まだ踏み込みが甘いな――良いか。よく見ておれ! 突きとはこうするのだ!!」
マスターは拳を構え低い姿勢を取ってそう叫んだかと思うと、カレンの前から一瞬で姿を消した。
カレンが慌ててマスターの姿を捜すと、彼はすでにスケルトンの目の前に移動していて、今にもスケルトン目掛けて拳を突き出そうとしているところだった。
「見よ、これが正拳突きだ! はあああああああッ!!」
マスターは咆哮とともにスケルトン目掛け拳を前に突き出した。
その直後、カレンのものとは比べものにならないほどの衝撃波の様なものが巻き起こり、周りにいる敵をまとめて吹き飛ばす。
軽々と宙を舞ったスケルトン達が地面に落ちてバラバラに周囲に散らばる。それを見たカレンは、目を輝かせながら歓喜の声を上げた。
「さすがは師匠! 素晴らしい突きでした!!」
「うむ……」
マスターは満足そうに微笑むと、まだ数多く残っているスケルトンを睨みつけ「まだ敵はおるぞ! 油断するでない!」と直ぐ様、拳を構え直す。
たった一人……敵に囲まれ、サラザは身動きが取れない状況になっていた。
「これは……オカマでも。さすがにまずいわねぇ……」
サラザはスケルトン達に囲まれたこの絶対絶命の状況にそう弱音を吐くと、額から一筋の汗が流れ落ちた。
どうしてサラザがここまで追い込まれたかというと、戦闘が始まり初めのうちは軽快に次々と敵をバーベルでなぎ倒していたサラザだっが、敵を倒すことばかりに集中しすぎて前に出過ぎてしまい。
気が付いたら周りのメンバーとの間に大きく距離が空いてしまって、今のこの状況になっていた――というわけだ。
(――これは本当にまずいわね。ここは、とりあえず近くにいるグループに合流しないと……)
そう考えたサラザは辺りを見渡した。すると、星とエミルが戦っているのが目に入った。
あそこに合流するしかない! 咄嗟にそう判断したサラザは、スケルトンの中にバーベルを振り回し飛び込んでいた。
「死にたい奴はかかってらっしゃい! オカマに触ると、火傷するわよ!!」
サラザは「うおおおおお!」と雄叫びを上げながら、向かってくるスケルトン達を次々と薙ぎ払って、2人の元へ向かって無我夢中で走り続ける。
星はサラザに逸早く気付き、その方向を指差して叫ぶ。
「あっ! エミルさん。サラザさんがこっちに走って来ます!」
「えっ? 大変! スケルトンに追われてるわ!」
スケルトンに追われながらこちらに向かって走ってくるサラザを見て、エミルは何時になく慌てている。もちろん。それは近くにいる星のことを気遣ってのことだ――。
単独で戦っていれば左程大きな影響はないであろうが、今は近くに初心者の星がいる。
いくらHP量が跳ね上がったからとはいえ、戦闘においてのプレイスキルが上がったわけではない。
おそらく。あっという間に3体をやられて無造作に飛び込んでもダメだと、スケルトンのAIが学習したのだろう。
その時、エリエがデイビッドに向かって叫んだ。
「デビッド先輩は好きに突っ込んで! 私が援護するから!」
「了解。出来る限り倒すが漏れた敵は頼んだッ!!」
デイビッドは刀を握り締め、敵の中に向かって突っ込んでいく。
「はああああああああッ!!」
デイビッドは刀を構えながらスケルトンに突進すると、そのまま勢い良く刀を振り抜く。スケルトンは攻撃を受けてばらばらになり、その場に崩れ落ちた。
咆哮を上げたデイビッドが、そのままスケルトンの群れにの中に飛び込んでいく。デイビッドは襲ってくるスケルトンの攻撃をかわし、素早く反撃してスケルトン達を撃破しながら突き進む。
その後ろからエリエが続き、デイビッドが倒しきれなかった敵を自慢のレイピアの剣速を活かした攻撃で、次々と撃破する。
普段些細なことでいがみ合っている2人からは想像もできないような連携プレイで、彼等が通った後には屍の山ならぬ、スケルトンの骨の山が築かれていった。
大勢のスケルトンを前に、落ち着いた様子で拳を構えるカレン。
そんな彼女の後ろで、腕を組みながら集中力を高めているカレンを見ていたマスターの檄が飛ぶ。
「――うむ。カレンよ、今こそ修行の成果。見せてみせい!!」
「はい! 師匠!」
カレンは深く深呼吸をして拳を構えると、向かってくるスケルトン目掛けて思い切り拳を振り抜く。
「はあああああああああああああッ!!」
咆哮を上げたカレンの拳はスケルトンの腹部に直撃し、その体を拳から発生させた風圧で勢い良く吹き飛ばす。
飛ばされたスケルトンは、周りのスケルトン2体をも巻き込んでばらばらになる。それを見て、マスターは満足そうに頷くと己の拳を固めて叫んだ。
「うむ。カレン見事だ! しかし、まだ踏み込みが甘いな――良いか。よく見ておれ! 突きとはこうするのだ!!」
マスターは拳を構え低い姿勢を取ってそう叫んだかと思うと、カレンの前から一瞬で姿を消した。
カレンが慌ててマスターの姿を捜すと、彼はすでにスケルトンの目の前に移動していて、今にもスケルトン目掛けて拳を突き出そうとしているところだった。
「見よ、これが正拳突きだ! はあああああああッ!!」
マスターは咆哮とともにスケルトン目掛け拳を前に突き出した。
その直後、カレンのものとは比べものにならないほどの衝撃波の様なものが巻き起こり、周りにいる敵をまとめて吹き飛ばす。
軽々と宙を舞ったスケルトン達が地面に落ちてバラバラに周囲に散らばる。それを見たカレンは、目を輝かせながら歓喜の声を上げた。
「さすがは師匠! 素晴らしい突きでした!!」
「うむ……」
マスターは満足そうに微笑むと、まだ数多く残っているスケルトンを睨みつけ「まだ敵はおるぞ! 油断するでない!」と直ぐ様、拳を構え直す。
たった一人……敵に囲まれ、サラザは身動きが取れない状況になっていた。
「これは……オカマでも。さすがにまずいわねぇ……」
サラザはスケルトン達に囲まれたこの絶対絶命の状況にそう弱音を吐くと、額から一筋の汗が流れ落ちた。
どうしてサラザがここまで追い込まれたかというと、戦闘が始まり初めのうちは軽快に次々と敵をバーベルでなぎ倒していたサラザだっが、敵を倒すことばかりに集中しすぎて前に出過ぎてしまい。
気が付いたら周りのメンバーとの間に大きく距離が空いてしまって、今のこの状況になっていた――というわけだ。
(――これは本当にまずいわね。ここは、とりあえず近くにいるグループに合流しないと……)
そう考えたサラザは辺りを見渡した。すると、星とエミルが戦っているのが目に入った。
あそこに合流するしかない! 咄嗟にそう判断したサラザは、スケルトンの中にバーベルを振り回し飛び込んでいた。
「死にたい奴はかかってらっしゃい! オカマに触ると、火傷するわよ!!」
サラザは「うおおおおお!」と雄叫びを上げながら、向かってくるスケルトン達を次々と薙ぎ払って、2人の元へ向かって無我夢中で走り続ける。
星はサラザに逸早く気付き、その方向を指差して叫ぶ。
「あっ! エミルさん。サラザさんがこっちに走って来ます!」
「えっ? 大変! スケルトンに追われてるわ!」
スケルトンに追われながらこちらに向かって走ってくるサラザを見て、エミルは何時になく慌てている。もちろん。それは近くにいる星のことを気遣ってのことだ――。
単独で戦っていれば左程大きな影響はないであろうが、今は近くに初心者の星がいる。
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