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ダークブレット8
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星はにっこりと微笑みながら、そんな2人の後ろ姿を見送っている。
そんな星の姿を見て、エミルが少し不満そうに口を開く。
「星ちゃん。少し甘すぎるわよ……本当にこれで良かったの?」
「……はい。人が傷付くのは見たくないから……」
星はそう言ってエミルの顔を見上げ、にっこりと微笑んだ。
エミルは少し呆れたように「そう……」と呟くと、星を抱きかかえリントヴルムの背に飛び乗った。
2人を乗せたリントヴルムは翼を広げ空に飛び上がると、そのままワープゾーンを利用せずにエミルの城へと向かって飛んだ。
* * *
廃墟と化した建物の窓から白いドラゴンが飛び立つのを見上げ、笑みを浮かべる女性の姿があった。
「――ふふっ、困った子ね。敵の増援が来るのを見抜けないなんて……エミルったら随分と勘が鈍ったようねぇ~」
その女は先のカールした茶髪のセミロングで茶色い瞳をしていた。その時、怒号が彼女の耳に飛び込んできた。
「調子にのんなよ! このアマ!!」
「……ん?」
女が振り返ると、背後から彼女の倍はあると思われる男が、彼女の身長ほどの大剣を振り上げ、今まさに襲いかかろうとしていた。
だが、それに動じることなく、彼女はその攻撃を軽々とかわすと、男に向かって素早く矢を放つ。
「――ぐわッ!!」
男は声を上げ、そのまま前屈みに倒れて動かなくなる。
「へぇ~。矢が刺さったままでも動けるなんて、なかなか根性があるじゃない。惚れちゃいそう♪」
女は悪戯な笑みを浮かべると、その男の腕に彫られた刺青を見た。
そこには頭を撃ち抜かれた骸骨の模様が刻まれている。
「なるほどね。額に銃弾で穴の開いたドクロのマーク――貴方達。ダークブレットね……」
「お、俺達を知ってるのか?」
「ええ、あなた達は有名だもの。PVPによるアイテムの強奪に、狩場の占領……私も良く手合わせしたものよ?」
そう言って微笑んだ女の顔を見て、男は何かを思い出した様に目を見開いた。
「お、お前は!! あの時の悪魔……」
そう口走った男の頭を、持っていた弓で思いっきり叩いた。
「――天使よ! 全く。失礼しちゃうわっ!」
その一撃が決め手になったのか、男は完全に意識を失う。
薄暗い建物の中をよく見ると、周りには矢の刺さった男達が10人以上転がっている。
おそらく、男達に刺さっているのは麻酔矢だろう。大の男が1人の女に身動き1つ取ることもできずに、ただ彼女を恨めしそうな顔で横たわっていた。
「さて、こっちも片付いたし。情報収集に行かないとねぇ~♪」
上機嫌で通路に転がっている男達を放置したまま、女はスキップをしてその場を去って行く。
* * *
ドラゴンの乗り心地が良かったのか疲れたからなのか、気が付くと星はエミルに抱かれながらすやすやと寝息を立てていた。
自分に凭れ掛かって眠る星を、エミルは優しい眼差しで見下ろしている。
「全く……あんな事があった後に、よく眠れるわね。この子は……」
エミルは少し呆れたようにため息を漏らすと、優しく星の頭を撫でた。
透き通った空を進みながら、エミルはふとさっき星が言っていた言葉を思い出す。
「悪気があったわけじゃないかも……っか、はぁ~。どこまでお人好しなのかしらね。この子ったら……」
ため息混じりにそう呟くと、ゆっくりと風を感じながら城へと向かって進んでいく。
そんな星の姿を見て、エミルが少し不満そうに口を開く。
「星ちゃん。少し甘すぎるわよ……本当にこれで良かったの?」
「……はい。人が傷付くのは見たくないから……」
星はそう言ってエミルの顔を見上げ、にっこりと微笑んだ。
エミルは少し呆れたように「そう……」と呟くと、星を抱きかかえリントヴルムの背に飛び乗った。
2人を乗せたリントヴルムは翼を広げ空に飛び上がると、そのままワープゾーンを利用せずにエミルの城へと向かって飛んだ。
* * *
廃墟と化した建物の窓から白いドラゴンが飛び立つのを見上げ、笑みを浮かべる女性の姿があった。
「――ふふっ、困った子ね。敵の増援が来るのを見抜けないなんて……エミルったら随分と勘が鈍ったようねぇ~」
その女は先のカールした茶髪のセミロングで茶色い瞳をしていた。その時、怒号が彼女の耳に飛び込んできた。
「調子にのんなよ! このアマ!!」
「……ん?」
女が振り返ると、背後から彼女の倍はあると思われる男が、彼女の身長ほどの大剣を振り上げ、今まさに襲いかかろうとしていた。
だが、それに動じることなく、彼女はその攻撃を軽々とかわすと、男に向かって素早く矢を放つ。
「――ぐわッ!!」
男は声を上げ、そのまま前屈みに倒れて動かなくなる。
「へぇ~。矢が刺さったままでも動けるなんて、なかなか根性があるじゃない。惚れちゃいそう♪」
女は悪戯な笑みを浮かべると、その男の腕に彫られた刺青を見た。
そこには頭を撃ち抜かれた骸骨の模様が刻まれている。
「なるほどね。額に銃弾で穴の開いたドクロのマーク――貴方達。ダークブレットね……」
「お、俺達を知ってるのか?」
「ええ、あなた達は有名だもの。PVPによるアイテムの強奪に、狩場の占領……私も良く手合わせしたものよ?」
そう言って微笑んだ女の顔を見て、男は何かを思い出した様に目を見開いた。
「お、お前は!! あの時の悪魔……」
そう口走った男の頭を、持っていた弓で思いっきり叩いた。
「――天使よ! 全く。失礼しちゃうわっ!」
その一撃が決め手になったのか、男は完全に意識を失う。
薄暗い建物の中をよく見ると、周りには矢の刺さった男達が10人以上転がっている。
おそらく、男達に刺さっているのは麻酔矢だろう。大の男が1人の女に身動き1つ取ることもできずに、ただ彼女を恨めしそうな顔で横たわっていた。
「さて、こっちも片付いたし。情報収集に行かないとねぇ~♪」
上機嫌で通路に転がっている男達を放置したまま、女はスキップをしてその場を去って行く。
* * *
ドラゴンの乗り心地が良かったのか疲れたからなのか、気が付くと星はエミルに抱かれながらすやすやと寝息を立てていた。
自分に凭れ掛かって眠る星を、エミルは優しい眼差しで見下ろしている。
「全く……あんな事があった後に、よく眠れるわね。この子は……」
エミルは少し呆れたようにため息を漏らすと、優しく星の頭を撫でた。
透き通った空を進みながら、エミルはふとさっき星が言っていた言葉を思い出す。
「悪気があったわけじゃないかも……っか、はぁ~。どこまでお人好しなのかしらね。この子ったら……」
ため息混じりにそう呟くと、ゆっくりと風を感じながら城へと向かって進んでいく。
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