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水竜族の街4

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 レヴィは困ったような恥ずかしいような顔をして小さく頷く。

 俺と眷族の少女達との挨拶が一通り終わると、俺はアクアに何があったのか尋ねる。

「それで、アクアはどうしてこんな場所で倒れていたんだ?」
「あっ……実は急に魔族達が攻めてきて、うちらの街を焼き払って行って……街に居た同族を皆殺しに……」

 その話を聞いて俺は怒りに体を震わせて拳を握り締める。

 魔王は俺達との戦闘で負傷したはずだ。しかし、それに懲りずに部下の魔族達を使って他の種族の街を襲っていたのだ。

 やはり、魔王は必ず倒さなければならない相手だと俺は心に誓った。

 それは眷族の少女達も同じ気持ちなのか、皆の表情には怒りと決意に満ちていた。

 その中でもスピルの怒りは凄まじく、普段は温厚な彼女の顔が今は鬼の形相だ。

 まあ、スピルは肉親と同族を魔王に殺されている。そんな彼女からしてみれば、自分達の種族だけではなく同じドラゴンの水竜族まで魔王の手に掛けられたのだ。その怒りは相当なものだろう。

「生き残ったのはアクアだけか?」
「……分からない。一斉に逃げたから、散り散りに……」

 アクアは表情を曇らせ瞳に涙を浮かべながら悔しそうに唇を噛み締める。

 俺はそんなアクアの肩に手を置いて言った。

「まだ、全滅したと決まったわけじゃない。生き残った者がいないか周囲を探してみよう」
「……うん。ありがとう」

 俺の言葉を聞いて、アクアは涙を拭きながら小さく頷いた。

 それから俺達は周囲を探し回るが、やはり水竜族の生き残りを見つける事はできなかった。

 俺は眷族の少女達とアクアを連れて一度街に行ってみることにした。

 もしかしたら、逃げ延びた者が街に戻って来ているかもしれない。

 街は炎に包まれていたが、まだ完全には焼け落ちていない建物がいくつかある。

 俺達はまだ原型が残っている建物の中に入って生存者がいないか確認しながら街の中央にある広場にやって来た。

 そこには水竜族の武装した戦士達が何人も倒れており、その死体の側にはまだ幼い子供達も倒れているのが見えた。

 俺はその子供達の死体を見て怒りが込み上げるのを感じて拳を握り締める。

 まだ生き残りがいるかもしれないと、俺はもう一度周囲を見渡すと、崩れた建物の中に微かに動く人影が見えた気がした。

「……誰か居る!! まだ生き残りがいるのか!?」

 俺は駆け出すとその人影の居た場所に向かって走り出す。

 途中で小石につまずいてバランスを崩しそうになりながらも、生存者がいることを信じて一目散に駆け抜けた。
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