二度目の異世界に来たのは最強の騎士〜吸血鬼の俺はこの世界で眷族（ハーレム）を増やす〜

セリアとの婚姻の儀２

　部屋に戻ると、セリアが笑顔で俺に話し掛けてきた。

「まだ婚姻の儀はまだてますが、もう夫婦の様なものですね！」
「そうだな。だけど、セリアは本当にいいのか？」
「わたくしは感謝しているのです。ベイル殿……いえ、あなたがいなければ我が国も父も失っていましたわ。それに国の発展の為に強い殿方と結婚する事は民の為にもわたくしの為にもなりますもの」

　セリアはそう言うと、俺の隣に座った。

　微笑むセリアに俺も笑顔で答える。

　それから少し経って、婚姻の儀は盛大に行われた。

　純白のドレスに身を包むセリアは本当に美しくて思わず見惚れてしまった程だ。

　だが、短時間でこれほどの料理と参列者を用意できるのは前々から準備していたとしか思えない。

　もしも俺がセリアとの婚姻に了承しなければ、今回の祝勝会にでもシフトするつもりだったのだろう。

　そうした抜け目のなさが、さすがは一国の王だと感心する。

　真っ黒なスーツに身を包んだ俺の隣に純白のウェディングドレスに身を包んだセリアが立つ。

　セリアの美しさに参列者達は目を奪われていた。そして、俺とセリアの婚姻を祝福する声と拍手が沸き起こる。

　眷族の少女達も羨望の眼差しで拍手を贈っていた。

　他の眷族の少女に少し後ろめたさもある。本当は彼女達ともしっかりとした形で真摯に向き合いたいが、今は魔王を倒す事に集中したい。

　セリアは王家である事から形式上で婚姻の儀は必要だが、魔王を倒した際には眷族の少女達とも正式な式を上げようと俺は心に誓う。

　俺とセリアは二人でゆっくりと赤い絨毯の上を歩く。

　先にある祭壇の前に立つと神父が婚姻の成立を宣言する。

「ベイル・ディアブロ。汝はセリア・ティアリアを妃とし、永遠にと妃を愛し、王国の民を愛し、王国を繁栄させる事を誓いますか？」
「誓います」
「セリア・ティアリア。汝は王となるベイル・ディアブロを献身的に支え、王国の繁栄の為に尽くす事を誓いますか？」
「はい。誓いますわ」

　俺とセリアは互いの指輪を交換して口付けを交わす。

　すると、参列者達から盛大な歓声が上がり、口付けを終えた俺とセリアは笑顔で見つめ合った。

　婚姻の儀を終えて宴会に移る。

　さすがにセリアもウェディングドレスから普通のドレスに着替えている。

　貴族達がセリアを取り囲んでいて、セリアはその一人一人に笑顔で対応していた。

　俺はセリアを遠くから眺めていると、スイレンが飲み物を持って来てくれた。

「殿。良かったら、こちらをどうぞ……」
「ああ、スイレン。ありがとう」

　俺がお礼を言って受け取ると、スイレンは微笑む。