二度目の異世界に来たのは最強の騎士〜吸血鬼の俺はこの世界で眷族（ハーレム）を増やす〜

セリアとの婚姻の儀

　体力が回復すると俺は国王の元に呼ばれた。

　謁見の間にやって来ると、舞踏会で多くの貴族達が赤い絨毯の両脇に立っている。

「おお、ベイル殿。まだ傷が癒えていないのに来てもらってすまない」

　玉座に座っている国王は俺にそういうと、隣に座っているセリアの方を見た。

　目で合図を送るとセリアは椅子から立ち上がり。

「ベイル殿。この国の全ての国民に対して発表します。わたくし、セリア・ティアリアはベイル・ディアブロの妃となる事を発表致しますわ」

　セリアの発表は俺も初耳だ。騒めく貴族達。

　だが、セリアはそんな貴族達を気にした様子も無い。

　そして、その後。国王が立ち上がりセリアの肩に手を置き話す。

「儂は国王の座を退く。此度の襲撃で儂は己の老いを痛感した……これからは我が娘とベイル殿がこの国を引っ張ってくれる。異論は認めない！」

　国王の決意は俺にも伝わってくる。

「ベイル殿。我が娘と国を頼めるか？」
「はい。一人の冒険者でしかない私に務まるかは分かりませんが……王様がそれで良いのであれば、私は喜んでその申し出を受け入れましょう！」

　俺は国王の決意に応え、セリアとの婚約を受け入れた。

　魔王に目を付けられた今、国王だけでは国を守りきれないだろう。そうなったのは俺の責任が大きい。

　なら、魔王を倒すまでは俺がこの国を守るのは当たり前の事だ。

　軍事に介入した時点で、俺が責任を取るのは決まっていたのかもしれない……

　その場にいた貴族達も俺の実力を知っているからか、不平不満を公に口にする者は居ない。

　国王は満足気に頷くと、セリアと俺を前に呼んだ。

「汝に我が王冠を授ける。これから、この国とセリアを頼むぞ！」
「はい。謹んでお受け致します」

　俺は跪き、国王から王冠を受け取る。

　そして、俺が立ち上がるとセリアが俺の手を取った。

「これから、末永くよろしくお願いしますわ！　あなた様……」
「ああ、よろしくな。セリア」

　その瞬間に貴族達の歓声が上がる。こうして、俺はセリアとの婚約を受け入れたのだった。

　国王は婚姻の儀の準備の為、一時的に俺は部屋に戻る。

　婚姻の儀とは、つまりは結婚式だ……

　結婚式を直ぐにやるというのは、どうやら国王は早く俺とセリアを結婚させたいらしい。