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魔王襲来7

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 俺は崩れた城壁に跳び越えて少年から距離を取る。

「また逃げるのか!」

 地面に着地した俺は剣を握り締めて少年の攻撃を防ぎながら戦う。

 剣と剣がぶつかり合い火花が散る鍔迫り合いになる。

 さすがにやり過ごしてばかりはいられないか……俺達が戦っているだけで地形が変わりかねない。

 俺は心の中で覚悟を決めると俺は剣を握り締めて少年の攻撃を防ぎながら隙をついて攻撃するが少年はそれに反応して剣を振る。

 剣と剣が激しくぶつかり合い火花が散るがさっきとは異なり互いに一歩も引かない。

 少年は次第に不機嫌になり、剣に込める力も増してくる。

 互いに剣での応酬が続く、俺は少年の攻撃を防ぎながら隙をついて攻撃するが少年はそれに反応して剣を振る。
少年も俺も一歩も引かない攻防が続いていた。

 拮抗した勝負が続いていたが、先に限界を迎えたのは俺だった。

 最初に受けた魔法のダメージが残っているからか、少年の剣を防ぎきれずに俺は弾き飛ばされる。

 少年はニヤリと笑って俺に剣を振り下ろす。

「剣技は凄いがこれで終わりだ……魔法が苦手な自分の才能を恨め!!」
「……くッ!!」

 剣が俺の顔に迫る中、俺の中の血が騒ぐのを感じた。

(お前はまだ吸血鬼の力を使いきれていない)
 吸血鬼の力? お前は誰だッ!!
(俺はお前だ……他所の世界から来たお前の元人格。お前が来たから俺は奥底まで追いやられた……)

 異世界から来た死後の意識の自分が吸血鬼の中に宿った後、元人格がどこに行ったのか分からなかった。

 しかし、危機的状況になって奥に追いやられていた別人格が表に出てきたのだろう。

(死なれると俺も困るからな。力を貸してやる!)

 俺の意識は別人格に飲み込まれていく。

 意識が遠退く中、俺は剣を振り下ろす少年の腕を掴むと腕を引きちぎる。

「ぐっ……なんだとっ!!」

 血が流れる腕を押さえながら距離を取った。

 少年の前にはさっきまでとは違う禍々しいオーラを纏う得体の知れない化け物が俯きながら立っている。

 人の姿をかたどってはいるが、その禍々しい殺気は到底人間のそれではない。

 ちぎられた腕が直ぐ様に再生し、少年は憤り叫ぶ。

「お前は……お前はいったいなんなんだッ!!」

 少年は剣を構えて俺に向かって剣先を突き出して睨む。

 俺は顔を上げ少年を見るとニヤリと笑う。そして、一瞬で少年の懐に潜り込むと腹に蹴りを入れる。少年は口から血を吐いて後ろに吹き飛ぶ。
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