二度目の異世界に来たのは最強の騎士〜吸血鬼の俺はこの世界で眷族（ハーレム）を増やす〜

魔獣を操る者３

「す、凄い……」

　魔法使いの少女がその光景を見て驚く。

　氷の柱が弾けてキラキラとした氷の結晶となって降り注ぐ。

　俺は周囲に敵がいないのを確認すると犠牲になった兵士達の方へと目を向けた。

「……助けてやれなくて悪かった。後は任せてゆっくり休め……大地よ」

　俺が地面に触れると兵士達の亡骸が地面に沈んでいった。

　その後、地面に落ちている剣を拾うとそれを地面に突き刺して俺は両手を合わせる。

　しばらく沈黙が流れた後、俺は眷族の少女達に向かって叫ぶ。

「ここからはペースを上げる！　討伐対象を探しに先に進むぞ！」
『はい！』

　少女達は一斉に返事をする。

　俺達は撃破した魔物の死体を回収して、鳴き声の主を探して森の奥へと進んでいた。

「……あんた達。何者よ」

　ニールに抱えられている魔法使いの少女が俺を見た。

　その瞳からは好奇心と不安、恐れが覗かせていた。

「俺達は……ただの冒険者だよ」
「嘘よ！　魔法を無詠唱で使える人間なんて見た事無い！　あなたは人間の到達できる限界値を遥かに超越している……」

　俺は魔法使いの少女の疑問に答えた。

「俺達は冒険者だ……ただ最強の冒険者だ！」

　彼女がどんなに疑って掛かっても俺の返答は変わらない。

　正式な手続に基づいて冒険者である事は変わらないし、それ以上の情報を彼女が知る事は永遠にないのだから……

　魔法使いの少女は納得していなかったが、それ以上は聞いても無駄だと思ったのか口をつぐんだ。

　森の中を進んで行くと再び咆哮が聞こえてくる。

　その直後、森の木々が倒れてそこから無数のグリズリーの魔物が現れた。

　グリズリーの全身からは赤いオーラが漏れ出てその瞳は赤く光っている。

　それは先程まで戦ったウルフと同じであり、共鳴で強化された魔物である事が分かる。

「これは……狼の次は熊かよ。まあ、順当と言えばそうだろうな！　ニール、リアラ、レヴィ、スイレン、ツバキ。共鳴している魔物だ油断はするなよ！」

　少女達は頷いて各々に武器を構えた。

　グリズリー達は咆哮を上げると一斉に襲い掛かって来た。

「はぁぁぁ！！」

 俺は剣でグリズリーの体を斬り裂いて、飛び掛かってくる次のグリズリーの攻撃を避けると剣を横薙ぎに払って首を切り落とす。

　更に背後から襲ってきたグリズリーは割って入ってきたスイレンが薙刀で真っ二つ切り裂いた。